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ぼくらはこうしてMER上場戦で敗北した 〜戦いはまだ続いている〜

こんにちは。斜に構えねこです。

”2021年5月21日 22時00分”はぼくらにとって、決戦の時でした。FTX、Raydium、gate.ioなどのメジャーな取引所でのMERトークン上場日時です。MERトークンは、Dynamic Vaults For Stable Swapsを謳うMercurialプラットフォームでガバナンストークンとして扱われます。

このMERトークン上場戦は、ぼくらにとってはじめてのお祭りでした。ですから、上場直後の価格推移を肌感覚で予測できるほどの経験はありません。そのため、この上場に備えていくつかの調査と対策をしました。その調査と対策の内容、それら”努力”の結果について、今回はお伝えしたいと思います。なお、MERは様々なプラットフォームで同時に上場しました。今回はぼくらが対象にしていたプラットフォームのみに説明を絞ります。

基本的な戦略

ぼくらがとった基本的な戦略は、「上場直後に爆買いして、ヒゲで売る」というシンプルな戦略です。この戦略を実装したbotを、FTXとRaydium上で動かすことを考えました。また、USDTマーケットが同時に上場することを予測し、アビトラを行うことなども考えましたが、上場戦の経験が少なすぎたためできるだけシンプルな戦略を追求しました。この戦略を実践するために、ここ2週間程対策を行っていました。

上場戦bot

FTX上場戦botのロジックについて話します。Raydium上場戦botもほとんど同じようなロジックですので説明は割愛します。

・OXYなどの似た銘柄の特徴や発行量、過熱感を比較し、上場直後の安定する価格を $6 程度と予測
・上場は固定日時だろうと予測(結果5/21 22:00上場とアナウンスされた)し、上場直前にbotは起動
・リスクを減らすために予測価格より少し低めの価格 $2 を利用したlimit buyを行う
・購入したMERを予測される安定価格($6)と、ヒゲ先価格($15)との間で適当な感覚でばらまく

基本的にはこのような簡単な戦略です。このロジックをFTXとRaydium、2つのプラットフォーム用に実装しました。これに加えて、ネットワークのレイテンシや、place_orderのrate limit考慮のためにいくつかの調査と実験を行いました(ここは端折ります)。

いざ、出陣❗

テストを何度か繰り返し、いざ当日です。FTXとSolanaのウォレットに資金を忍ばせます。botの配置を完了し、21時が過ぎた段階で、FTXとRaydiumの板が見れたので、それを眺めながら過ごします。21時45分にAccelRaytorでのMERが開放され、Serum DEX上での取引が始まりました。この段階では、MERの価格は$4〜$8程度まで推移していました。21時30分を超えたあたりで、1つぼくらの仮定を崩すような事実に気が付きます。MER-PERPが同時上場するということです。MER-PERPにより、上ヒゲが付かなくなることが心配でしたが、特に設定を変更することもなく、上場に臨みました。

22:00、問題発生

上場30秒前からプログラムを起動します。

22時になりました。どうやらFTXでの注文が通ったようです。FTXのUIを確認します。サイトが重いのでしょうか、USDもMERの価格も変化がありません。あれぇ?と思いながら、”何も考えずにもう一度botを起動しなおします”。ぼくらが作ったbotでは、USDの残高に基づいてMERの購入を行います。ぼくは、既にMERは買えているけれど、まだUIに反映されていないだけと勘違いしていました。そのため、botを再起動したとしても何も起こらないのではと考えていました。ここが最も大きな失敗でした。botを再起動した時点で、上場から既に1分59秒が経過していました。$1.7で、僕はほぼ全財産をMERにつぎ込みました。

Raydiumのbotも22:00直前に起動させましたが、エンドポイントからエラーが返ってきたため、注文は通りませんでした。これで幸運なことに、Raydiumに仕込ませていたUSDCは無傷でした。

ここからは何も出来ず、ただただMERの価格が下がるのを眺めていました。BTCも同時に下落しており、望みは薄いなぁと思いながらチャートをそっとじしました。

反省と疑問

limit buyの価格が高すぎました。発行枚数や過去の上場を元に算出しましたが、それだけで価格は予測できないということが分かりました。また、MER-PERPの出現も考慮に入れるべきでした。これを考えられていたら、先物による価格の抑制を視野に入れた予測ができたでしょう。

全財産を突っ込むべきではありませんでした。基本的に取引所のAPIは不安定なもので、今回の上場では訳の分からないレスポンスが返ってきました。

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0.1887で注文出してないし、postOnlyもTrueにしてない注文を出したのに...何故...(この原因分かるひといたら教えてほしいです><)

2回目のbot起動をするべきではありませんでした。だって上場から既に1分以上経ってたから。それなら裁量するべきだったし、その時点での板の価格を反映させた設定でbotを起動するべきでした。

最後に

今夜はMERを抱いて眠ります。

💰無いので、お恵みくださったらありがたいです><
上場時のMER/USDCとMER-PERPのオーダブックとトレード履歴のデータをPostgresqlに保存していました。割と面白いデータだと思います。どのタイミングで初めてのトレードが行われたのか、ヒゲはいつ付いたのか、精算はどれくらい入ったのか、などの細かいデータが分かります。お恵みくれた人には差し上げます。おやすみなさい。


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