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甲佐町住まいの復興拠点施設「甲佐町営甲佐団地」第一期工事が竣工しました。

2017年夏の熊本アートポリス事業の公開プロポーザルで最優秀となり設計監理をすすめてきた熊本県甲佐町「住まいの復興拠点施設」の第一期工事である災害公営住宅30戸15棟とみんなの家が竣工しました。

岡野道子建築設計事務所・ビルディングランドスケープ・ライト設計による設計監理です。

街に灯りがともりました。町の中心、町役場となりに新しい集落が出来上がりました。

4月からどんな風に住みこなしていただけるのか、楽しみです。

写真の突き当たりにある工事現場が第二期工事の子育て支援住宅と呼ばれる20戸の共同住宅です。第三期工事の都市防災公園が完成する2019年末には全体が姿を現します。

風を枝分かれさせて通す敷地内通路は住民の車は時々通りますが、子どもやお年寄りの格好の遊びや散歩の場となりそうです。各住戸の北側には階段やスロープをもった玄関がありますが、建物南側にも通路や各住戸の庭に面した土間空間があり、広くて使い勝手の良い玄関としても使える仕様になっています。

庭先の縁側のような使い方をしてもらえると嬉しいです。

ワンルームの空間の一角には四畳半ほどの大きさの土間空間が。玄関としても使えます。お年寄りにも好評でした。

みんなの家は普及型CLT実証棟で用いた構法を採用し、特殊な金物を使用しないで安価に一般的な大工さんが持っている工具で施工可能なものとしました。

画面中段が田んぼを造成してできた新しい街区。不規則に配置されているように見える住棟配置は、地域の風の流れをシミュレーションする中で生まれた風の流れを枝分かれさせながら適度に弱めつつ住戸に取り込む工夫です。雁行する一棟の建物形状もウインドキャッチャーとなることを意図したもの。

昨日の見学会には環境シミュレーションを担当いただいたARUPの荻原さんも参加いただき、簡易計測で風速や自然光での照度をチェックいただき、シミュレーションで考えた効果を確認してもらえました。今後の実測調査が楽しみです。

画面中段右は現在工事中の第二期工事のRC3階建ての子育て支援住宅。中間に都市防災公園ができると新しい街のオープンです。

今回の熊本県甲佐町の住まいの復興拠点施設整備のプロジェクトは岡野道子建築設計事務所、ビルディングランドスケープ、熊本のライト設計の三社JVによる共同設計です。

今回は芝浦工業大学で2017年4月にプロジェクトデザイン研究室を共同でスタートすることになった岡野道子さんと山代で共同で応募することになり、その4月から芝浦工業大学を卒業してビルディングランドスケープで働き始めることになった春日さんがプロポーザルコンペ時から協働しプロポーザルに勝利し、設計監理をスタートしてから岡野さんの事務所に入所して現場常駐監理を担当した徐さんも芝浦工業大学のデザイン工学科の卒業生で、第一期工事はオール芝浦という体制でした。

災害復興を研究テーマに掲げるプロジェクトデザイン研究室の立ち上げとほぼ同時に復興住宅のプロジェクトを手がけることができたのは出来過ぎなくらいの幸運でした。

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