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日記


日記を書こうと思い立ちとりあえず一気に10日分書いたところで「日記ってこういうことじゃないかも」と気付いた。日記は作り置き不可。日記をタッパーに詰めて冷蔵庫に仕舞ったらそれは日記ではなくなる。恐らく1ヶ月くらい先の自分だったら今の自分と考えてることはほぼ同じはずなので30日分書き溜めておいたって良いと思うのだが、そこまでして日記の体裁を保ちたい訳でもないので諦めた。

長かったり短かったりする雑談をこのようにいくつかまとめて公開します。無理になったらすぐやめます。読みたい項目だけ読むのがおすすめです。


名曲面


最近は頻繁にSMAPの曲を聴いている。SMAPの曲は軒並み名曲面(めいきょくづら)をしているところがすごい。名曲面とは言葉の通り名曲然とした曲のことを指す。キャッチーであるとか以前に「自分、こんな曲作ってみました!どうッスかね………!?💦」みたいな雰囲気が一切感じられない堂々とした曲ってありますよね。それが名曲面した曲です。
SMAPは曲とメンバーの歌唱の相乗効果で名曲面力がヤバイことになっている。特にDear WOMANがすごいので是非聴いていただきたい。イントロから「満を辞してご登場」の圧が爆発している。
ちなみにDear WOMANがCMソングとして使用された2009年秋放映版のツバキのCMのサブタイトルは「実力篇」。ナレーションと共に「ツバキは今、実力で選ばれています」の文言が映し出された後、滝川クリステルが笑顔で振り向き、ツバキのボトルのインサートが流れる。その上にはデカい文字で「実力。」と書かれている。
この曲(Dear WOMAN)にしてこのCMあり。両者一歩も譲らぬ名曲面合戦である。



両津のSHAKE


SMAPのSHAKEという曲で明らかにキムタクが両津勘吉になっている部分がある。2分8秒〜のキムタクソロパート。そのあまりの両津っぷりに収録時のスタッフも騒然としたに違いない。「木村さん、両津が降りてきちゃってます…!!!!!!」騒めくレコーディングルームが想像できる。これは絶対に狙っていると思う。意図的な両津だ。キムタクには両津勘吉の才覚があったのだ。多才すぎるぜ、キムタク…!
しかし、SHAKEリリースから数年後、ドラマ版のこち亀で両津を演じたのは香取慎吾だった。キムタクの両津も見てみたかったが、恐らくキムタクは両津NGだったのだろう。キムタクの貴重な両津は今でもSHAKEに封印されたままだ。


冷製パスタ


冷製パスタは擬人化したら色白神経質メガネ。それ以外考えられない。冷製パスタほど色白神経質メガネな料理が他にあるだろうか?いや、ない。

冷製パスタはずっと微妙にイライラしている。姿勢は良いが目は悪い。歩くのが早い。Apple Watchを改札にタッチする時のポーズがダサい。キャッシュレスに完全に移行している。私が長財布を使っている姿を見て鼻で笑う。日焼けをすると皮膚が赤くなる。ラロッシュポゼの日焼け止めをあげたら次の年も自分で買って使っていた。変な形の折りたたみ傘を持ち歩いている。一度コンタクトにしようと試みて眼科に行ったが目に異物が入るのが怖くて断念した。一緒に蕎麦屋に行った時「蕎麦湯飲む?」と聞いたら「いや、いらない。飲めない。」と断られてちょっと意外だった。家にお邪魔したらスリッパを出された。玄関にはアロマストーンが置いてある。やたらと洒落た味の紅茶を淹れてもらった。ルンバに名前は付けていないらしい。日当たりがいい。ぴっちりと閉められたカーテンを少し覗くと墓地が広がっていた。窓を開けようとしたら「花粉症だから」と手首を掴まれた。私を制止するその手はまるで冷水を浴びたように冷たい。


フルーツサンド


たまに無性にフルーツサンドが食べたくなる。
しかし、千疋屋で1200円のを買っても、コンビニで300円のを買っても、フルーツサンドが想像よりも美味しかったことはただの一度もない。かわいい見た目とは裏腹にどっちつかずでボヤッとした味がする。あぁ、これだったらショートケーキを買えばよかった、チキンのサンドイッチにすればよかった…性懲りも無くフルーツサンドの誘惑に負けて手を伸ばす度に、私は肩を落としている。北海道の時計台がガッカリ名所なら、フルーツサンドはガッカリスイーツとでも言ったところだろうか。
そもそも食パンと生クリームとフルーツの相乗効果によって期待できる美味さはたかが知れている。はっきり言って伸び代がない。食パンの間に挟むなら野菜や肉の方が美味しくてバリエーションも豊富だし、生クリームとフルーツを炭水化物に盛り付けたいのであれば既にケーキという可能性の塊みたいな料理がある。だからと言って菓子パンに分類するには妙に仰々しくて扱いづらい。
そうなるともうフルーツサンド的には、断面をなるべく綺麗にするとかいう小細工をして自我を保つしか手立てがなくなるわけだ。初めて断面がお花になっているフルーツサンドを見た時は「そこまでしたら逆に味に自信がないと自覚していることがバレるのでは?」と心配したが、なんか普通にウケてたのでみんな断面が好きなんだなと思った。タモリも地層好きだし。私も土産物屋に置いてあるお菓子が切断されたレプリカ好きだし。パフェだってあの容器が不透明だったらここまで覇権を握っていないと思う。きっと想像以上に断面萌えの人は多いのだろう。

そんなことを考えていたらなんだかフルーツサンドが食べたくなってきた。そもそもフルーツサンドに文句を垂れている時点で既に私はフルーツサンドの術中に嵌っていたのだ。しまった、やられた。気が付くと指が勝手に「池袋 メルヘン」と検索している。
…了解。


かくして私は再びフルーツサンドのフカフカの掌の上で白旗を上げるのであった。