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新しいボク達の時代は夢を見ない。


↑ソファーのある暮らしが始まって「新しいボク達の時代」が見えた、その後というか続き。ソファーの話ではありませんて。


日曜日、旦那がバイクの車検を目前にしていよいよ買い替えたいらしくて、
「ちょっくら見に行って来るけど一緒に行く?」
とな。
え、中古バイク屋さん?
…行ってもヒマだなぁ、、
と思いつつ、たまには行ってみよっかと同行することに。

15年くらい前に今のバイクを買う時も、私はなんだかんだ(とは言わず暗黙の同意で)バイク屋めぐりに付き合った。
これでもかと色んなマシンが所狭しと並んでいる中をぶらぶらと手持ち無沙汰にうろうろすることにも慣れた頃、
私はHONDAとYAMAHAのエンジンの大雑把な違い(見た目)を把握するくらいにはなって、「V型エンジンはやっぱり音が違うよねぇ!」などと一端に言うようにもなった。

旦那は今回、今のより小さくて取り回しがもっと楽そうなバイクに目星をつけていたけれど、国道沿いの中古バイク屋さん3軒をハシゴして行きついた1台は、結局今乗っているものと同じ車種のものだった。他のがオモチャみたいに見えるとか何とかで。

中古なので取り敢えずは現物を見てみたいと仮契約して取り寄せてもらうことになった。
果たしてご縁があるかどうか…。本人はこれを最後にもう降りるつもりでいて、あと1台乗れたら本望…という感じだ。

帰宅後、すでに見るからにルンルンのテンションが普段より5割増しくらいの旦那が唐突に、
「ねえ、乗りたい車とか無いの?」
と私に聞いてきた。
「は?車なら今の軽自動車が1台あれば充分じゃん。」

旦那「あれはゴミ捨てに行く車だし。」

え??どんだけ気が大きくなったらそんな発言が出てくるのか?ゴミ捨ての車だと?
確かにうちのは時々クリーンセンターまで燃える事業所ゴミを運んで行く車だけど、普通に買い物や墓参りにも乗っていく愛用の自家用車でもある。

旦那はさらに、
「乗りたい車(なんでか車にこだわる?)とかやりたい事とかあったら、元気な今のうちだよ!」
と、ハッパをかけるように言うので、私は
「それよりも、死ぬまでにアイスショーに行きたいな~!!」
などと思わず口から出た。

すると「そんなの死ぬまでにじゃなくても行けるじゃん。」
と、畳み掛ける旦那の思いがけない発言。
ていうか先日も、羽生君の録画や配信を連日見ている私に、
「そんなに好きならアイスショーでも見に行ったら?」と思わぬ提言をしてきた旦那だが、
私はその激高なチケットの値段と競争率など敷居の高さを伝えたんだけど、
「当たるまで片っ端から申し込んでみれば?」
などと強気なことさえ言い出すので、それには遠征も含まれているんですか。なんと。
(いや、遠征はしませんけどね、沼が深そうなので。)


ちょっと…これは、
新しいボク達の時代がやっぱり到来した?
老い先決して長くはないボク達の時代がだ。
きゃー(いちいちオーバー)!!


「やりたいことがあるなら今のうちだよ。」
旦那の言葉と気持ちがこれまでに無いくらいじんわりと伝わってきた。こんなに確かに伝わってきたことは今まで無かった(たぶん)。
私がちゃんと聞いていなかっただけかもだけど。

ボクは好きなバイクに乗って余生?を楽しんでいるけど、キミも好きなやりたいことをすればいいのに
(という流れで良いんですよね?旦那は私をキミなどとは言わないが)、、
その気持ちだけでもありがとうと、今頃気づけた私もエライ(そうか?)。
ていうか、よくぞここまで共に来た、うれしい。としみじみ思った。

そして「アイスショーはチケット取れれば行けるじゃん!」という希望あふれる言葉のあとに、「バイクを降りたら次はコペンにする?」
という具体的な提案もあった。
コペンというのは二人乗り用の屋根がとれる軽自動車で、小さくてゴミは運べそうにないけれど明け方の街を屋根を開けて走ったら爽快でしょうな~(きっと寒いよ)買えるかどうかは別として。

欲しい最後のバイクが手に入るかどうかまだわからないのに、この夢見心地具合はなんなんだろう。ふたりともいつまで働けるかもわからないのに。
いや、逆にもう夢ばっかり見てる場合ではない。ボク達の時代は先がそれほど長くないから待ってはくれない。
夢を見るのは寝ている時だけでいい。
私はそれだけでも充分だよと思う。寝て見る夢も楽しいから。
でもアイスショーへは行きたい。。