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来たるべき貧乏のための、これはこれでちょっといい話

 アップル製品が好きになれなかった。もちろん、性能が悪いとかデザインがダサいとか言いたいわけじゃない。むしろ、性能もデザインも素晴らしいと思うし、僕だってipad proを持っている。はっきり言って、よくできていて便利だ。僕は主にペンシルを使ってノート代わりとしているのだけれど、あの書き味とユーザーインターフェイスは本当にすごい。仕事で使う必要が出たとき、買わない選択肢はなかった。「素人がちょっとした漫画のネームを作ってみたりメモを作成したりする」需要に、ipad proは信じられないくらい上手に応えてくれた。素晴らしいプロダクトだと思う。

 それでも、僕は自分の実生活において(仕事は実生活に含まない、当たり前のことだけれど)アップル製品を使わない。それは僕の生活スタイルに合わないと感じている。それはあまりに完成品過ぎるし、手に入りやすすぎる。電話をかけたらやってくる特上寿司みたいに手に入れるには、あの商品のデキは良すぎる。「特上の中の特上」。アップル製品から感じる僕の印象はそういったものだ。「高級品界の最高級品」と言い換えてもいい。「とりあえずアップル」は好みじゃない。何度も言う通り、素晴らしいとは思うけれど。

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