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どうやって死んでもぱっとしない

「死ぬ気になればなんでもできる」
そういうことを言う人がいる。実際のところ、死ぬ気になれば何でもできるかというと、誰もがご存知の通りそんなことはぜんぜんない。むしろ、死ぬ気になるというのは長期的な視点を放り投げて目先のことに集中するということに他ならないのだから、「ゴールは遠くてもコツコツ努力する」だとか、「もう一度計画を練り直す」みたいな、前向きでポジティブな動作の大半が実行不可能になる。代わりに何が出来るようになるかというと、勝ち目の薄い丁半バクチが打てるようになる。つまるところ、長期的視点を捨てなければ採用出来ない非合理的な判断に身を委ねるには「死ぬ気」を発動させる必要があって、もちろんその結果勝利を拾う人もいなくはないけれど(どんなバクチも勝ち目が本当にゼロということはそうそうない)、誰もがシラフであればご存知の通り、そういう少年漫画みたいなことはあまり起きない。

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