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どこまでも巨大化する虚無の数字、あるいは約束された不幸としてのインフルエンサー養成マニュアル

 インフルエンサーマーケティング。そんな概念も随分と一般化した気がする。僕自身も「インフルエンサー」と呼ばれることがあるけれど、Twitterフォロワー数45000なんてのはインフルエンサーとして小物もいいところで、上を見上げれば100万単位の数字を有した超巨大インフルエンサーたちがゴロゴロしている。100万人のフォロワーを抱えている人のツイートが、仮に30万の端末に表示されるとすれば、それは最早個人が一つのメディアとして成立するということに他ならない。30万人の目に入る媒体を作ろうと思えば、それなりの規模感がある会社が一大プロジェクトとして仕掛ける代物になってくる。すごい時代になったものだ。

 …というところでなんだけれど、現時点で僕はフォロワー数を増やすことにほとんど関心を持っていない。先月はむしろフォロワーマイナス100人くらいになることを念頭にツイートをしていた。結果としては出版という大イベントが重なったこともあり+100で終了したのだけれど、おおよそ想定通りの数字に終わったことに満足している。ちなみにその前の2か月で5000人弱のフォロワー増加があり、それを踏まえて商売の合理性としてやるべきことだったという感触がある。まぁ、僕はそんな器用に自分の行動をコントロールできる人間ではないので、所詮結果論と言うところは大いにあるのだけれど。

 フォロワー数が増えるのは、怖いことだ。それは間違いなくリスクの増加をもたらす。フォロワー100人の発言と1万人の発言ではそのリスク差はおそらく100倍では収まらない。「フォロワーがたくさんいる人」というのは一般人とは認識されないところがあるし、落ち度が一つもなかったとしても一定の攻撃を受けることは避けられない。もちろん、純粋な趣味としてやっている場合は別なのだろうけれど、商売として考えるのならそれなりの利潤がもたらされなければ到底ワリに合うと言えるものではない。

 「フォロワーを増やす方法」は大体のところ明瞭になった気がする。もちろん個人の卓越した技術や才能、あるいはコンテンツ性の強さやキャラクターといったものは別として。代表的なところで言えば

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