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これを読めばクソデカい肉が焼ける。第二話、お安いアメリカ牛を最高に美味く食う「アメリカ式」火入れ術

※読む前に注意
こっちだけ読む人も

こっちの無料部分だけでも読んでおくことを勧めます。かなり特殊性の高い火入れ技術なので、「これが火入れの正解」って理解になるとちょっと危うい気がします。あと、オーヴン持ってない人は若干難度が上がることを覚えておいてください。ただ、前作の火入れほどは難度はないので、フライパンでもやれると思います。

 それではアメリカ産クソデカ肉です。

ここで買いました。大体2キロくらいで8000円とかだったと思います(まとめ買いで送料無料だった)。アメリカ産黒毛牛の冷蔵品でこれは大変安い。なんせ、100グラム500円を切ってくるので。

 この肉、画像を見ていただければわかる通り「まあまあ」くらいの質です。国産和牛のサーロインなんかには及びもつきません。しかも、ド真ん中にクソデカいスジが入っています。もちろん、スジ抜きをしても普通に美味しいステーキになりますが、せっかくのクソデカ牛です。丸ごと焼きたいじゃないですか! 前のエントリでも書きましたが「スジ煮込み」が嫌いな人っていないですよね。肉の「美味さ」の多くの部分はスジに含まれています。なので、肉を綺麗に掃除してスジの美味さを取り除いてしまうのは、「美味さを捨てる」に近い手順だと言えます。

 この辺、どうやらフランス人とアメリカ人には大きな見解の相違があるようです。

 前作で書いた通り、フレンチの料理人はスジを綺麗に掃除した均一な肉を、これまた均一に火入れすることを好みます。これに対して、アメリカ人はちょっと違う。「外側はガリっと香ばしく、中は生っけをしっかり残したやつがうめえんだよ!」系ステーキハウスが最近日本でも猛威を振るっています。有名どころだと六本木のあれとか恵比寿のあれとかですね。

 このアメリカンステーキ屋さんたちはドライエイジングを用いた熟成肉を使っているのが一番大きい特徴なのですが、これはご家庭で真似すると死人とかいっぱい出ちゃうタイプのやつなので置いておくとして、火入れ技術もかなり特徴的です。前回のエントリで書いた「基本」たるフレンチの技を清々しいまでに無視しています。そして、この焼き方は確かに美味いのです。よっしゃ、始めていきましょう。

まずくそでかい肉を用意します、これで1.5キロくらいだと思う

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