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いいお客さんの声はとても小さい

 飲食店を開こうと思ったことがある人ならわかると思うけれど、アドバイスをしたがる人というのはたくさんいる。こういうお店であるべきだとか、こういうサービスをするべきだとか、実に多くの人があなたに素晴らしいアドバイスをしてくれると思う。そして、とても残念なことにその人たちがお店の常連になってくれることはほとんどない。

 まともな人なら開店祝いの繁忙が終わった頃にしっかりお金を落としに来てくれたりもするけれど、実際のところはオープン直後のバタバタの時期にやってきて、一番いい椅子に長っ尻をして内装から料理からオペレーションまで散々文句を付けた後、二度と来ない。それでむしろ普通だ。そして、あなたがとても残念なことに(そして確率的には至極当たり前に)お店の経営に行き詰まって店をたたむ時、彼のツイッターには「いいお店だったのにとても残念です」みたいなことが書かれている。どこかの呑み屋で「ありゃ潰れて当然だよ、オープンの頃に顔出したけどさ…」なんて喋っている。残念ながら世の中はそういうものだ。経験的にということではあるけれど。

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