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オフィス、コスト、リスク、定時。辛さから逃げるな、なんて言葉ではまるで足りない。
「オフィスと定時は、火薬や車輪と並ぶ人類の大発明ですよ」
そんなことを、友人が言っていた。こうして新しい事務所を構え、執務環境を再整備した今になって、これはまさしくその通りだったと実感せざるを得ない。僕の仕事もこの数年ですっかり拡大し、「文章だけ書いていればいい」では済まなくなった。作家先生気どりの本の牢獄で煙突みたいに煙草をふかしている、そんな怠惰はもう許されない。
なので、「スタッフさんたちが作業できるオフィス」と「僕が作業する場所」を別に作った。僕がいなくても、スタッフさんたちは勝手にオフィスで作業をするし、僕も「オフィス」が必要な時は出向いて仕事をする(事務作業なんかはもちろん「オフィス」の方がやりやすい)。集中して文章を書く時間が必要な時は、それにふさわしい場所で行う。もちろんコストは増えたけれど、これをやるだけで精神状態も業務効率も、まるで別物になったといっていい。
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