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不妊治療をしています

こんにちは、ぺろよしです。
今回も社会保険や保育士試験の話ではありません。ごめんなさい。

流産した時の事をnoteに書きましたが、今回は今やっている高度不妊治療について書いていきたいと思います。
私は現在38歳なんですがその年になるともう第二子なんてとっくに産まれているのが当たり前。周りには治療中の人なんていなくて(表に出していないだけかもしれないけど)話したくても話せない。当事者の夫にすら治療の痛みや不安を話してもいまいち共感してもらえず、不妊治療が思った以上に孤独な戦いである事を痛感しています。
不妊治療ではネットでたくさんの体験談(ブログだったりTwitterだったり漫画だったり)を読む事が出来ます。一人目を妊娠する前からそんな話を見る事に興味があったので、実際自分が治療している今現在とても励みになっています。
同じように私も自分の体験談を残して誰かの目に留まったらいいなというのと、どこにも誰にも吐き出せない思いを書いています。興味があれば読んでいってくださいね。


◆久々の受診~AIHまで

稽留流産後、今後の事をたくさんたくさん考えました。
そもそも一人子供を育てるだけでヒーヒー状態の私が二人目なんて本当に大丈夫なのか?でも一度は来てくれた我が子。また赤ちゃんを抱いてみたい気持ちの方が勝りました。
ただ、自分の年齢を考えるとうかうかしている暇もない…。
不妊治療の保険適用という超ベストタイミングなのも後押ししてクリニック通いを決意しました。
ていうか夫はもっと前から二人目を希望してたのに…私がイヤイヤしていたせいで無駄に年を重ねてしまったんですよね。今更だしもうどうしようもないけど…。

実は34歳の時に第一子も関西では有名な某クリニックでの不妊治療で授かっています。といってもタイミング法3回目で卒業できたので初期検査くらいしかそれらしい事はしていません。通勤に通いやすい別の有名クリニックにするか迷いましたが、前回の事もあるので同じ所にお世話になろうと思いました。

流産の傷も癒えた4月半ばクリニックを受診。またあの痛い卵管造影をやるのかな…と思っていたら今回妊娠したという事で他の検査項目共々パスとなり一安心。
二回目の受診では初回の検査で問題がなかった事とAMHを院長先生から聞きました。AMHの値は2.76で「実年齢より若いですよ。数値も全く問題ないのでタイミングから…」と言われましたが「いえッ!!AIH(人工授精)からでお願いしますッ!!!なんならすぐにでも顕微授精がしたいです!!」と返しました。
そうです、時間は待ってくれないのです。問題がなくても刻一刻と卵子と体は老化しますから。
ネットの不妊治療情報でそこそこの情報量を持っていたのでいきなり「顕微」の言葉に先生は驚いている様子でしたが了承頂きました。ただ色々あっていきなり顕微からのスタートは無理らしく(人工授精では妊娠できなかったという事実がないとダメ)まずは人工授精にしましょうとなりました。

私の場合子宮のトラブルや内膜の厚さ、生理周期など全く問題はありませんでした。健康そのもの。ヒャッホイ。しかし夫の精子の方が前回の時と比べて数値がやや悪くなっていました。勿論人工授精には問題ない程度でしたが年齢のせいかもしれないしテレワークで動かない弊害なのかもしれません。卵胞チェックやらフェマーラで調節しつつ二回AIHに挑戦しましたが結果はいずれも陰性でした。


◆体外へ向けてステップアップ

7月半ば、結果が出ないので体外受精にステップアップする事に。AIHは初めから期待はあまりしていませんでした。ぶっちゃけ流産の時はたった一回で決まった(下品な言い方ですいません)のが超絶ミラクルだっただけ。
より妊娠率の高い体外受精にシフトチェンジしたかったのです。
採卵に向けての自己注射や大量に処方される薬に覚 悟 完 了した私ですが、なんと夫と娘がコロナ陽性に。泣く泣く一周期治療を延長し、お盆明けから再度採卵に向けて準備が始まりました。

そして懸念していた自己注射…。

散々不妊治療をネット検索しまくっていたので自己注射に関してはめちゃくちゃビビっていました。…が、出されたのはレコベルという1センチほどの細い針がついたペンタイプの注射器。
とはいえビビりの私は自分で注射を打つのが出来なかったので毎回夫に打ってもらっていましたが、ほとんど痛みも感じる事がなく保険適用の恩恵に与れたのでした。

自己注射と投薬を続ける事数日…ついに採卵日当日を迎えます。


◆初めての採卵

採卵は8月末、朝からでした。局所麻酔で採卵をします。保険適用だと麻酔をしないというスパルタクリニックもあるそうですが、私が通うクリニックは局所も全身もどちらも対応してくれているのが有難い。
無痛分娩を選ぶくらい痛みに関して弱い私…。ぶっちゃけ静脈全身麻酔も考えましたが、流産手術の後みたいな微妙な体調の悪さをまた味わいたくなかったのとお金の事を考えて先生が提案した局所麻酔に同意しました。
前日まで服薬と点鼻薬でしっかり管理し、当日は絶飲食で採卵に備えます。10時前にクリニックに到着し、リカバリールームに通されました。腕にはバーコードが印字された紙を巻いて手術着に着替え。私がトップバッターと聞いていたのでめちゃくちゃ緊張して待っていると名前を呼ばれ、オペ室へ。薄暗ーい部屋に内診台があって院長先生・培養士さん・看護士さん数人に取り囲まれ、そこに座ります。内診台が上がるといつもの仕切りカーテンもないので何人もの人にお股パッカーン状態ですがもう恥ずかしいなんて言ってられません。
足をベルトで固定され、緊張やら恐怖感やら不安感の中で流産手術の時の事を思い出し急に涙が出てきて呼吸が荒くなる私。美人看護師さんが「大丈夫ですよ、ゆっくり呼吸して下さいね」と優しく涙をぬぐいながら肩をさすってくれたのでちょっと安心しました。
まずは消毒。検索しまくってこの消毒もなかなか痛いと聞いていましたが何とか耐えられるレベルでした。器具が入り先生が「麻酔しまーす」
針が刺さった瞬間でしょうか、一瞬ズキッとしましたがこれも何とか耐えました。「麻酔が効くと痛くないですからね。じゃあ、採っていきますよ」と言われ、これも検索しまくって「リラックスして体の力を抜くのが一番!(逆に弛緩してないと痛い)」と信じていたので、ひたすら天井をみつめてフーフー深呼吸して力を抜くように努めます。「右終わりました!次左いきますよ。がんばって!」
確かに局所麻酔のおかげで痛みはそれほどでもないのですが、臓器になんか刺されてるみたいな独特の気持ち悪さがありました。
左の卵巣からの採卵も終わり、やっと安心出来ました。リカバリールームでしばらく安静にします。看護師さんが「ロキソニンいりますか?」と聞いてくれたので後の事も考えて念のため飲んでおきました。
この日朝から採卵をしたのは私を入れて4人。私が終わるとすぐに二人目の方がオペ室に入っていったので勝手に仲間認定してエールを送ってました。しばらく休んだ後トイレで詰め込まれたタンポンを抜き(出血はそれほどありませんでした)先生に呼ばれます。
「ぺろよしさん、採卵の結果9個取れましたよ」と先生がほめてくれました。私の場合アンタゴニスト法と言われる卵巣を高刺激して採卵する方法を取ったのですが、目安よりも多く採卵が出来たようで一安心。9個の内4個をふりかけ体外受精、5個を顕微授精に回すことにしました。
今回のお会計は少しでも授精がうまくいくようオプションで自費のタイムラプス培養をお願いしたので約9万円となりました。
会計後は家に帰ってゆっくり過ごしました。若干お腹の張りはあったもののOHSSや目立った体調の悪さもなかったのが幸いです。


◆受精確認

約一週間後受精結果を確認しに行きます。
呼ばれて先生を待つ間ついモニターのカルテを見てしまいました。
そこにあったのは「凍結胚盤胞 2」という文字。

え?9個取れたのにたった2個…!?

その後先生がやってきて結果が書かれた紙を出してくれます。9個の内受精したのは8個、分割胚になったのが7個、最終的に胚盤胞になったのは4個。でもその半分は移植のレベルに満たないから凍結しなかったとの事。
体外受精の保険適用には40歳未満だと6回までという回数制限があり、胚が残っていると全てを移植するまで保険適用で採卵する事が出来ません。いわゆる「貯卵」は不可という訳です。体や卵子は刻一刻と老化していくのに…。
凍結した胚盤胞のグレードは4BBと3BB。グレードが低くても着床する場合もあるし自己注射や採卵も頑張ったのになんだかもったいないなあ…と感じてしまったのが正直な気持ちです。
勿論保険適用になって費用負担では非常に軽くなって有難い反面、ただでさえ込みまくりのクリニックがさらに混んだり、混合診療が出来ないが故に希望する治療を受けるには自費診療するしかなかったり(しかも助成金廃止…)デメリットもあるんだなと感じました。

それはともかく、9個→2個だけど自分の年齢を考えるとポジティブに考えるべきだと思い直す事にしました。翌周期は子宮鏡検査とAIH。子宮鏡もおっかなびっくりでしたがポリープや炎症もない美子宮と言われ全く問題なし、AIHは予想通り陰性でしたが10月に自然周期での移植となりました。


◆初めての移植

移植日一週間前からホルモン補充の為にルティナスとエストラーナテープが始まりました。
タンポンで慣れていたので錠剤を入れるのは大丈夫だったのですが「おりものの量がとんでもない事になる」という話通り、シートをつけていないと非常に不快でした。カスみたいなものが付くのも地味に辛い。
移植三日前にはSEET法処置、そして移植日当日は早退して3時半にクリニックへ。移植前に培養士さんから簡単な説明があり、4BB受精卵(融解後6BB)を戻すとの事。
準備後、採卵と同じオペ室に通され内診台に乗るとまずは内診で子宮内膜チェックです。内膜は11.3㎜ありました。「モニターに受精卵が入るのが映りますよ」との事だったので目の前の画面を見ていたのですが、映っていたのはエコー画面の方で肝心な所を見逃しました…。

採卵と違って移植は本当にあっという間で少し休憩したらもうお会計でした。ちなみに4万4千円。限度額オーバーならず…。
また、「採卵後はいつもよりゆったりとお過ごし下さい」とクリニックから出された注意書きにはありましたが…食材の買い出し、夕食の支度、洗濯、娘の世話といつもの家事育児に追われてゆったりと過ごすなんて出来ませんでした。

判定日は来月。正直言って期待するのが怖いです。陽性が出たとしても色んな壁を越えていかないといけません。考えたくもないけどまた流産したらどうしようなんて考えてしまいます。だからもう見て見ぬふり作戦でいこうと思います。


◆不妊治療と仕事と育児と私

心身ともに女性に大きな負担がある不妊治療と仕事(家事育児)の両立は本当に大変。ただでさえ「うーん卵胞の育ちが悪いのでまた数日後に来てください」なんて言われるのはザラ。加えて混んでいるので予約も取りづらいし何時間も待たされることもしばしば…。第一子をタイミング法で治療した時も朝一番にクリニックへダッシュ→数時間診察待ち→数分で治療終わり→会社にむかってとんぼ返りというのがなかなかしんどかった記憶があります。ましてや高度不妊治療となるとクリニックに通う回数もさらに増えると聞いていたのでどうなる事やら…と思っていたのですが

結論から言うと私の場合はまだ何とか両立出来ています。
あくまで「私の場合は」という前提なのですが

①クリニックの分院が出来たので家から近くなり通いやすくなった
②病院のシステム面がグレードアップしていて通院回数・待ち時間が多少減った
③検査数値が安定していて問題がない為治療そのものがスムーズ
④時短勤務と夫の協力で何とか通えている
事が挙げられます。

保険適用で患者は増えたものの「なるべく通院の負担を減らす」というクリニックの方針なので、予約や会計も治療方針の周知もオンライン化でスムーズですしLINEで先生にも相談出来るので大体一回の通院につきかかる時間は長くても2時間ほどです。時短勤務なので退社後17時半に予約を入れる事が多く早退や遅刻は月1~2回程度。
ここは本当に時短の恩恵に感謝するばかりです。

通院回数も大体月3~4回で済んでいますが、これは人によるかもしれません。数値が安定していなかったり子宮や卵巣そのものに問題があると通院回数も増えるはず。健康な自分の体に感謝です。
あとは会社側に「不妊治療をしているので急な早退・遅刻がある」という事をあらかじめ伝えています。そりゃあデリケートな内容なので言いたくない気持ちもあったのですが、時短勤務のくせに何度も早退遅刻を繰り返すのも後ろめたくて流産をきっかけにパワハラ上司には思い切ってカミングアウトしました。昭和ブラック企業なので両立しやすい社内支援制度なんて存在しませんが「企業は不妊治療者にも支援してね」と厚労省も言ってますしね(参考:厚労省HP
私の場合同僚がおらず誰かに迷惑をかける事があまりないのも有利なポイントかもしれません。

あとは育児との両立ですがどちらかというとこっちの方が個人的には大変。ママママ期な娘を連れてクリニック通いなんて当然出来ません。今通っているクリニックにはキッズスペースがないのです。保険適用になって普通に子連れの人も増えましたが不妊治療当事者として小さい子供を目にする辛さも非常に理解できるので、一人で通える様に通院の時は夫に保育園のお迎えに行ってもらったりして何とかやっている状態です。
それでも診察時間が長いと娘が寝始める時間にやっと帰宅という事もよくあります。自分の事を後回しにして起きてしまった娘を再度寝かしつけしてたまった家事を片付けて…となるともうクタクタ。


先の見えない不妊治療、本当にストレスがたまります。
採卵周期とFP試験がもろ被りした時はもう発狂しそうでした。

本当に思った以上にめちゃめちゃしんどいんですよ…!!
まだ1回しか体外やってないのに何言ってんだって感じですが、常に不安感とプレッシャーがあって(別に「産め産め」と誰かに言われてる訳ではないのに)自分の心が悲鳴を上げているのを感じます。

不妊治療をすると決めたのは自分。でも予定の立てられなさ、お金や時間をかけても100%成功する訳ではない不確実性、周りと比べてしまったり何とも言えない孤独感…やっぱりしんどいな、何のために不妊治療してるのかななんて思う事もしばしばです。
協力してくれる夫には感謝していますが、こちらが言わないと治療内容に関心を持たなかったり、「痛かった」と零せば「そんなに痛いならやめていいよ」なんて軽く返してきたり治療に対する意識の違いもまたしんどいです。
色んなことの積み重ねが不妊治療のメンタルの保ち方に影響するんだろうなと思います。


とは言え今のところまだ辞めるという考えには至っていません。ただ高齢出産のリスクも考えて40になったら終わりにしようと決めています。それまでにどうか結果が出るようにと祈るばかりです。

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