2019年末 完全移籍する選手たち

1.中林洋次

低めのシュートに対するストップに強さがあるGKでした。一方で出場機会が減っていて連携などの問題もあるのか高めのシュートやクロスなどには弱い場面が目立ちました。あと足下は期待した方が悪いレベルでした。

ハイライトは2009年に正GKとしてACL出場獲得に貢献したことでしょう。思い出補正もあるかもしれませんが、このときが空中戦の目測含めて一番キレていた気がします。その後は大分から借金のかたに日本代表GK西川を獲得した影響で出場機会が減りました。そして出場機会を求めて岡山へ移籍。岡山でポジションを獲得していたのに帰って来てくれるとは思いませんでした。林もそうでしたが、そういう選手が戻ってきてくれることは嬉しいことです。

マリノスでも正GKを奪うことは難しいかもしれませんが頑張って欲しいです。

2.和田拓也

サッカーインテリジェンスを感じる選手でした。広島にその様な選手は他に言うと柴崎がいますが、柴崎は感覚でやっているのでは?と感じがある一方で和田は過去の指導の結果で蓄積されたものであったように見えました。必要なときに必要な場所にいる。状況判断をスムーズに行える選手でした。

一方でフィジカル面が秀でてないため、狙い撃ちにされた際の反発力がないことが最大かつ日本人監督の下では致命的な欠点となっていたのでしょう。広島でも監督が自分の色を出し始めた途端に個人が各々戦うことになり、欠点が目立つこととなりポジションを失いました。

ハイライトは2018年前半の躍進を支えたことでしょう。ヨンソン・椋原ロスで右SBはどうなるのか…と言う不安を一掃してくれました。ポゼッション時の逃げ場、鹿島戦でのゴールは広島の新しい形を作っていく姿に見えて頼もしかったです。

フィジカル的な要素で通年でポジションを奪うことは容易でないかもしれませんが、出場機会を得たときには躍動して欲しいですね。

3.渡大生

色々と犠牲になった選手でした。フィニッシュ以外の仕事に労力を取られ続けました。先発出場した際には死ぬほどプレスバックを続けるなどフルタイム持つわけがない仕事をやり続けていました。書いてて思ったことは降格した年にウェズレイの分まで色々とやろうとして爆死した時の寿人と印象が被りました。あと今シーズン途中から「控えがやらないと」的な悲惨なコメントを残し続けていたことに、ベンチワークの不安を覚えました…

特徴は仕込まれたプレーです。プレスの追い方、カウンターの起点になるポジショニングなど、次の展開に繋がる動きが秀でていました。得点などは派手なダイレクトプレーが絡みますが、基本的にはそこまで足下の精度が高い方ではありませんでした。和田同様に個人での戦いを評価される今の広島では順調に出番を失ってしまいました。

ハイライトは2019年アウェイ神戸戦。クロスをダイレクトボレーで叩き込むなど2点を取り大逆転勝利に大きく貢献しました。もっとあの様な形をチームとして整備して再現して得点に絡む姿を見続けたかったです。

大分ではFWとして働く場面が増えると思います。得点を量産して見返してくれると信じています。

4.吉野恭平

古巣のヴェルディ含めてポジションを間違えて育ててしまったイメージが強い選手でした。当時流行し始めていた最終ラインに足下を備えた選手として期待されていましたが、実際の試合では有効に活かせない場面の方が目立ちました。ボールが蹴れることが技術がある選手ではないと言うことを教えてくれた選手でした。個人的に言えば本質はボランチであった気がします。

特徴としてはDFとしてもボランチとしても中央で跳ね返す力があることだと思います。また粘り強く戦い続ける姿を常に見せてくれる選手で、京都時代はそれが悪い方へ出るパターンもありました。

ハイライトはACLでリベロとして若手を引っ張る様に粘り強く戦い続けたことでしょうか。最後の門番として相手FWと戦う一方でラインを上げろと激しいジェスチャーで周りを鼓舞し続けた姿は忘れられません。闘将としてピッチで活躍する未来があったのかもしれません。

仙台がDFとして見ているのかボランチとして見ているのかはわかりませんが、早めに彼が自分の特徴を発揮できる役割を見つけて羽ばたいてくれることを祈っています。

5.稲垣祥

移籍してきてからスタメンとして出続けていましたが犠牲になっていた印象が強く、本当の特徴を発揮させられなかった気がしている選手でした。もっと彼が尻拭いをし続けなくても済むようなチームになって欲しかったというのが本音です。

特徴は運動量とトランジションの早さもさることながら、スライドしたスペースを埋める的確さだと思っています。その結果が相手からのボールを刈り取り続ける機会を増やしていてボールハンターとしての名声に繋がっていました。一方でボールを長く持たすことは厳禁な選手でもありました。ボールを動かす技術が身についていればもっと上にたどり着ける器だと思います。

やはり一番の思い出は残留を決めたゴールだと思います。今シーズンもあの形に近いゴールを決めていますが、もっと再現性を持ってあのチャレンジを行える機会が増えて欲しかったです。昨シーズンの馬渡、そして今シーズンの和田・渡(あと今後放出されるサロモンソン)と並んでチーム戦術内で輝くことができる能力を発揮させられなかったことが悔しいです。

移籍はかなり悲しいです。ここでは書ききれないくらい彼への期待は大きかったですし将来のチームの精神的な主柱となる選手だと思っていました…一方で高額な年俸を提示されると、今の広島では引き止められないとなとなっていて納得している自分もいました。森保監督のときからフリーダムな選手の動きの犠牲となっているのに報われておらず、彼に新しい個人戦術を学ぶ機会も与えられていないと感じており、いつ出て行かれても仕方ないと覚悟をしていました。
彼の負担が減りゴール前へのダイナミックな動きが発揮されて評価させる日が来ることを願っています。

以上です

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?