長期政権による弊害

現状の広島はこれですが、まあフロントが変える気がないんでしょう。彼らも長期政権ですからね。社長も別の会社経営とかそういうのではなくて、選手から強化部経由の同チーム、同グループ生え抜きですし。

これはスポーツに限らない話です。もちろん長期政権を行えるというのはある意味では幸せだと思います。と言うのもバッサリ切り替える必要がないと安定性を持っているわけです(一族経営とかは知らん!)。
一方で歴史的に見ても様々な組織が長期政権による腐敗やマンネリによって苦しんできているのも事実です。

1.引き出しがなくなる
2.評価の不均等化
3.刺激が少なくなる

1.引き出しがなくなる
引き出しと言うのはなかなか増えないものです。一般人である自分たちに置き換えてみてみましょう。多忙な仕事をしながら、仕事外の最新技術を身に着けろと言われて容易にできるでしょうか?実際に該当する技術の機材を扱ったり作ってみたりしないとわからないところもたくさんあるでしょうから、本当に血肉にするのは容易ではないでしょう。
サッカーのトップチームでも、普段はチームの練習に相手チームの分析に対策と言うサイクルを繰り返しています。その過程で新しく出てきた戦術などを本当に理解するための時間を用意できるかと言う話です。もっとも本当の天才と言われるような1を聞いて10を知るような人はできるでしょうけど。もしくは基礎はバッチリ身に着けてるから、ちょっと見ただけで概念を理解できるレベルの人とかはできるかもしれませんね。
残念ながらスポーツ含めて多くのものでは相手が存在します。そしてお互いに勝つために研究や分析を行います。そんな競争をしているなかで引き出しが尽きてしまった方は相手を上回れなくなり勝てなくなるだけです。

2.評価の不均等化
過去に自分の元で輝いた人はどうしても贔屓目に見るでしょう。これは仕方ないことです。しかしその選手が衰えても優遇措置を与えることもあるでしょう。例えば守備の負荷を減らすとかありますね。そうするとその負荷は別の誰かが担うことになりますし、ヤジロベーのようなバランスが崩れることだってあります。またそれによって犠牲になる人も出てくるでしょう。
某千葉の野球チームにいた元代表捕手ではありませんが、「頑張っている、いた」を一番の評価にしては駄目です。また過去の良かった頃に戻るとか言う根拠のない下駄を履かせて優遇するのは論外です。今の状況での力をフラットに評価すべきです。それが正常な競争に繋がりチーム力の向上に繋がるはずです。

3.刺激が少なくなる
高速道路で居眠りが増える理由は、速度や道路の変化が少ないことによって刺激がないからだとも言われています。残念ながら人間と言うものは刺激がない場合は集中力などがなくなってしまう生物です。
同じ監督・コーチ陣では練習内容も似通ったものになってしまったりしてしまいます。1,2と関連する形で言えば監督の引き出しがなくなったことで選手に新しいものを見せることができなくなるし、評価内容も変わらない可能性が高いという面もあります。つまり普段の内容に刺激がなくなっていくわけです。
刺激がなくなることで練習の質も下がっていくでしょう。いくら選手や監督がしっかり練習できていた準備できたと言ってもスタートの段階でマイナスから始まっているわけです。普段できないことが本番でできるわけがないんですから当然相手よりも弱い強度のプレーしかできませんよね。あと強いプレッシャーを与えられない相手には無双する選手が練習では活躍するも、本番ではガッツリ来られてダメとかいう練習番長がスタメンに出る可能性も高くなりますね。例えば中で使う場合のロ〇スとかですけど。

最後に

しかし必要ないのに入れ替えて上手く行かなくなったという可能性もあります。人なんで感情とかありますし難しいところです。また、極端に大きく変えてしまうのも上手く行くとは思えません。
組織をどう持っていくかのビジョンを持って、適正な人材を用意して間を受け持つのが上層部やフロント(強化部)だと思っています。彼らは現場の状況を把握して評価する権限が与えられています。権限には責任が付き物ですので、彼らは経営状況や結果に対して批評されて責任を取るわけです。そういう部門が現場を理解することを止めたり様々な想定をしなくなっていった時が組織の劣化の始まりかもしれませんね。

昔は長期政権でもできてただろ!とかいう声はあると思いますが、現在は様々な面での進歩が早く深い知識が必要になっているのも大きいと思いますよ。昔が浅かったではなくて、歴史に積み重ねで深くなっていったとも言えるでしょう。
他にも高校野球とか高校サッカーとかはどうなんだよ!と言われますが、あちらは強制的に選手が入れ替わるサイクルが回っているので、2,3が防止できるからだと思いますよ。Jリーグのユースもこっちですから、ユースの評価とトップチームの評価は同一にならないと思います。あと浦和でPさんが長期に安定してるのもどんどん選手が確保できる浦和のバックグランドがあって、一部を除けば入れ替えられるから。ダブルM?あれは付き合いが長いんで下駄履いてるし、それがPさんの本質ですよ。

特に日本人でプロリーグなどの指導者は自身がチームの中心だったことを含めて、マネージメントとか関係なしにステップアップで上がっていきますし。この先も長期政権を維持できる日本人監督とかそうそうでないと思いますね。選手をグランドやピッチで駒として扱うと外がうるさいですし、マスメディアもドラマを中心に取り上げますしね。だから甲子園とかそういうのは大好きで取り上げまくるでしょ。人情は勝負の場の外で出す必要はあると思います。けどそれをグランドやピッチ上でも持ち出すと個人的には白けるんですよね…

それで現状の広島は
・過去に経験したはずの悪い出来事を忘れて、結果を求められるプロチームの精神を忘れたフロント
・引き出しが尽きて戦術も選手起用も過去の幻影を掴もうとする監督とコーチ
・ベンチ同様に過去の栄光に縋り前を見ない中心選手
とチーム一丸となってレミングスしているわけですからね。いくら一部の選手が魂を込めてとか言って実際に一人で3役くらいをハイパフォーマンスでこなしてても、チームスポーツなんで一人が活躍しても覆せるものじゃないですし。更に気持ちがとか思い切り行こうとか言ってもそれを支える戦術などのバックボーンを自ら粉々にしてるのに気持ちとか出せるわけないですし、結果を残せないで更にドツボに嵌まるループになってますよね。むしろ一部選手の献身を評価せず切ってるレベルですから、この状況は当然の結果と思ってますよ。

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