毒と薬は紙一重

近世ヨーロッパの錬金術師パラケルススはこう説きました。

” 
 あらゆるものは毒であり、毒無きものなど存在しない。 
 あるものを無毒とするのはその服用量のみによってなのだ。

・睡眠薬を飲みすぎると死ぬ
・痛み止めを飲みすぎると胃に不調をきたす

といったところはご存知かと思いますが、この概念はこの世のもの全てにおいて当てはまると思っています。

私たちの世界にはびこる2つの毒

親の過保護、過剰な甘やかし、知識を与えすぎる教育、無責任に肯定し続ける占い師など人間関係に関すること。

便利すぎるスマホ、最適化されすぎたオペレーション、やり方を全部教えるコンサルなど利便性に関すること。

主にこの2つの側面で僕たちは強く影響を受けていると感じています。

人体にとっての毒であれば、体調が悪くなったり、死に至るので、過剰摂取にすぐ気がつきます。

ですが、人間関係や利便性の毒は過剰摂取に気づくことが難しいんです。

人間関係の毒は心のタフさを奪い、利便性の毒は思考力を奪う、そして、目に見えないところでじわじわと僕たちの生命力を弱めていくんです。

人を頼ること、利便性を追求すること自体は悪くないんですが、僕たちが恩恵を受けているものは、少なからず僕たちにとって毒である可能性も高いのです。

そして、見えない毒は依存症という形で初めて表面化してきます。

・ノウハウ依存
・恋人依存
・家庭の共依存
・コンサル依存
・スマホ依存

など。

依存症になるとそれなしではこの世界を生きることが難しく、世界が不自由になってきます。

適切に取り入れれば自分の人生をどこまでも謳歌できるのに。

用法用量をお守りください

薬には必ず、”用法用量をお守りください”と書かれていますが、これは世の中すべてのことに対して同じことが言えるんじゃないでしょうか。

ただ、難しいのが、人間関係や利便性については適正量が人によって違うこと。

自分の中で適正量を見極めるしか薬として有効活用する方法がありません。

毒と薬と共存しながら生きてることを肝に命じて毒に飲まれないようにしないと、益々便利になる世の中でじわじわ首を絞められていくような感覚に襲われることになるでしょう。

難しい世の中ですね。

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