見出し画像

あなたも選ばれし者かもしれない

相手に違和感を与えたい。

そんな思いで髪の毛を白髪に、そして分かりやすいアイコンとして着物をオーダーした。

しかも着物は黒。

「白髪に黒い着物って明らかにキャラクターっぽいよね」
と友人と話していたら、マンガBLEACHの話が出てきた。BLEACHは僕が中学生の頃くらいから流行っていたマンガだ。死神界を中心としたよくある少年バトルマンガで、昔とても好きだった。

*BLEACHのあらすじ
ひょんな出来事から悪霊・虚(ホロウ)の退治者(死神)になってしまった高校生・黒崎一護とその仲間達の活躍を描く。
主な舞台となるのは東京にある架空の町・空座町(からくらちょう)。初期の死神代行篇は、自身に死神の力を与えた死神の少女・朽木ルキアを相棒に、一護が虚絡みの騒動に巻き込まれていきながらも解決にあたるエブリデイ・マジック的要素もあったが、尸魂界篇からはその要素は失せ、敵対勢力とのバトル中心のストーリーを展開する。
引用元:https://bleach.wiki.fc2.com/wiki/BLEACH%E3%81%A8%E3%81%AF

これだけ見るとよくある少年漫画のように見えるけど、厨二病の象徴として扱われることが多い漫画である。

*厨二病とは?
『中二病/厨二病』とは、思春期特有の思想・行動・価値観が過剰に発現した病態のこと。
多くは年齢を重ねることで自然治癒するが、 稀に慢性化・重篤化し、社会生活を営む上で障害となることがある。 なお、特異的な身体症状や臨床所見は見出されていない。
引用元:https://numan.tokyo/words/Qv9ki
厨二病の山本的解釈:
本来はみんな生まれつき素養として持っていて、中二(13〜15歳くらい)をめどに発症。ただし、常人は理性や社会性によって時が経つにつれて失われていく感覚。つまり、大人になっても厨二病を保てているならその人は選ばれし者。
厨二病の有名人:ROLAND、ノンスタイル井上

BLEACHに出てくる死神は基本的にはみんな袴を着てるってのもあって、僕がこれからやっていこうとしている見た目がまさにBLEACHのキャラっぽいねってなった。
そうやって話してたら白髪キャラがいた。市丸ギンってキャラクター。
「市丸ギンが死ぬときのシーンって名場面だったよねー」って友人が話しているが、詳細を思い出せない。ということでググってみた。そしたらめっちゃ市丸ギンのことが気になった。なんだかんだ74巻まで出てるらしい。読破できてなかったから内容も気になるなーってことでなんとなくBLEACHを読みたくなった。

読みたくなったと思った瞬間、BLEACHが僕の脳内を一気に支配した。

BLEACHといえば厨二病の象徴として語られるほど、キャラ名、技名、死神が使う斬魄刀、そして卍解の名前のセンスが抜群に面白い。

BLEACHはネタとして扱われることが多いが、言葉を扱う仕事をしている僕としては、一般人の想定の枠を超えたワーディングセンスを学べる教材として最高だと思った。
っていうか、BLEACH読みたいからそうやって自己正当化しただけなんだけど。

1つの章だけ読もうと思ってたが、結局最後まで読むことに。
市丸ギンが死ぬのは48巻だってのはググってわかってたが、話の流れも踏まえて読み直したいと思い21巻からひとまず48巻までを読むことに決定。

本で買うと家に置く場所がないので、スマホで読むことに。
ただKindleだと定価で高すぎるので初めてマンガアプリをDLし、BLEACHを購入。

21巻〜48巻までだと1万円ちょっとでよかったのだが、なんだかんだ全部気になり最終巻の74巻まで一気に大人買い。
マンガに25000円課金。自分の金銭感覚のアホさに絶望しつつBLEACHへの興味が止まらなかった。

寝る時間を返上しBLEACHを読みふけった。
いつもなら1時くらいには寝るものの、BLEACHにはまりすぎて気がつけば朝の5時。21巻から43巻くらいまで読破。
でもまだ肝心の市丸ギンのシーンには到達していない。

普段は5時間以上寝たい人なのに、その日は続きを読みたすぎて7時に起床。というかベッドの上でスマホでBLEACHを読み漁った。
仕事でやることはいっぱいあるって分かってるのにBLEACHは強かった。僕の脳内シェアを一気に奪い去り、仕事に向かう意思がほぼ0に。
とはいえやることやらないといけないので、最低限の義務仕事に着手。2時間ほどでさくっとすませ、またBLEACHに。

肝心の市丸ギンのシーンは思ったよりも感動が薄く、さらっとスルーしてしまったが次の展開が気になりすぎて結局2日間で21〜74巻まで全部読んでしまった。

最後まで読んだあと、なんでこんなにハマったんだろうって考えてみた。
そしたら分かったことがある。

作者の久保先生はマジで言葉の魔術師&発想の鬼で、僕の理想の仕事ができている人だと。

昔はただの厨二病のバトルマンガだと思っていたのに、フタを開けると言葉の教科書だった。

めちゃくちゃ大量にキャラクターが出てくるのに、突拍子もないキャラクター名。斬魄刀の名前、卍解の名前。

※並び順はキャラ名:斬魄刀(ざんぱくとう):卍解(ばんかい):「斬魄刀を呼び出すフレーズ」
朽木白哉:千本桜:千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)
「散れ 千本桜」
京楽春水:花天狂骨:花天狂骨唐松心中(かてんきょうこつからまつしんじゅう)
「花風紊れて花神啼き (はなかぜみだれてかしんなき)天風紊れて天魔嗤う (てんぷうみだれててんまわらう)花天狂骨」
山本元柳斎重國:流刃若火(りゅうじんじゃっか):殘火太刀(ざんかのたち)
「万象一切灰燼と為せ(ばんしょういっさいかいじんとなせ)流刃若火」

ドイツ語、スペイン語なんかも使われてるなど他にも色々ありすぎて紹介しきれないけど、よくもこれだけ思いつくなー。

そしていちいちかっこいい。
リズムもめちゃくちゃいい。
なぜあなたはそんなにも5・7・5のリズムで文章を紡げるのですか?と聞いてみたい。
そしてどうやってそんなに綺麗に言葉を整形するのですか?とも聞いてみたい。
あと、漢字にカタカナのルビが振ってある当て字の数々もどうやって思いつくんですか?って聞いてみたい。

作者の久保先生の頭の中が欲しい。
そう思って一気に54冊も読んでしまったんだと気づく。
厨二病色が強すぎて、ネタにされまくるマンガなのに。

そしたら気づいた。
僕も厨二病だった。
選ばれし者だった。

「白髪に黒い着物って明らかにキャラクターっぽいよね」
そんな話をして喜んでるやつが厨二病じゃないわけない。
バトル漫画、少年漫画の世界観に影響されて、白髪、着物なんて分かりやすいスタイルで攻めようと思ったんだった。

「もはや厨二病全開でいいじゃん。」

厨二病ははずかしい、ネタにされる風潮があるけど、もはやそれで勝負した方が早くない?厨二病の方が僕にとっても楽しいし。

これからはビジネスにも厨二病感を存分に取り入れていくことにする。
とかって考えてたら思い出したことがある。
これまでにやったプロジェクトの中で最も高評価を受けたLP。
あのLPに書かれている言葉たちは完全に厨二病ワードだった。

そうだ、すでに厨二病要素活かして仕事してたんだ。
それに、僕の厨二感に興味持ってくれてる人もきっと厨二病なんだ。
そう思うと、もはや厨二病であることには何の抵抗もない。

僕は厨二で生きていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?