世界一「自由」な会社、NETFLIX NO RULES (書評)

総合評価

 ★★★★★(必読)

あらすじ

今、世界中で絶大な人気が出ているNETFLIX。

小さなDVDレンタル店だったNETFLIXは今や動画エンタメ界で世界トップを獲る超巨大企業になっている。なぜ、そこまでの超成長を遂げることができたのか。そこには、NETFLIX独自の「自由と責任」のカルチャーがあった。

 NETFLIXは以下のステップを踏んで、独自のカルチャーを醸成してきた。

「+」能力密度を高める⇒「+」率直さを高める⇒「-」コントロールを減らす

このステップを何サイクルもすることで、他者が追随できないような非常にクリエイティブでスピード感がある会社が作られてきた。この本にはこのステップのなかでNETFLIXがどう考えて行動してきたか、具体的に書かれている。

印象に残った箇所

NETFLIXという会社はクリエイティブ系の会社だ。すなわち多少失敗しても斬新で世の中に刺さるアイディアが必要とされる会社だ。

そんな会社を創るための考え方がふんだんに書かれていた。人が能力を発揮できる環境の作り方、能力を伸ばす環境の作り方、当事者意識を持ってスピード感がある働きができる環境。

NETFLIXでは社員は「家族」ではなく「プロスポーツチームの一員」と考えるほうがしっくりくる。最高の人材を登用する、その人材の市場価値に見合う年俸を払う、しかしより高いパフォーマンスを発揮できる人間がいたらその人と交代させられる。

普通の会社の従業員というよりも、裁量を持った個人事業主に近い感覚がある。

会社としては理想的な状態だ。この状態を創るためにまず最初に整備しなければいけないのは人材であるというのは知っておくべきことだと思う。まずは人材が実力を十分に発揮できる状態にすることから始まるのだ。

システムをよくすればうまくいくと思うかもしれないが、よい人材がいなければうまく回らないのだ。自分の身の周りの人間をよくすることを最初にやらなければいけないのだ。能力密度を上げる環境をつくらなければならない。

それにはこの本に書いているように駄目な社員を解雇するのもいい。しかし、日本の会社だと簡単に解雇ができないことも多い。そうすると、能力を発揮できる環境をつくらなければならない。

パフォーマンスは周りに伝染していく。まずは社員の潜在的な能力を引き出し、パフォーマンスをいかに上げるかだ。その方法は難しいところもあるが、まず行動するのはこれだ。

そのあとに、社員へのフィードバックが行われやすい環境を作り、社員が成長できる環境をつくったり、迷いなく行動できるような環境を作っていく。

つまり、

能力発揮⇒能力成長・信頼醸成⇒コントロールの廃止

と言い換えることができると感じた。能力密度を上げて上手くいってきたと感じたら次のステップへ、そして、上のサイクルを回していく。

この段階をしっかり踏むことが大事だ。適切な時期に適切なことをすること。やるべきことをあいまいにしたり、飛ばして次のことをしようとしてもうまくいかない。うまくいかないどころか崩壊する危険性も高い。ひとつずつしっかり行っていくことが必要だ。

こんな人にオススメ

人事系の人や経営者の方、クリエイティブ系の仕事をしている人なら参考になる部分が多いと感じる。また、この本は今までの主流の考え方とは違う視点の本なので、誰が読んでも新しい視座は手に入る。

リスク管理をしっかりする必要がある会社はコントロールの管理がいいと書いており、リスク系とクリエイティブ系で管理方法を考える必要がある、すべて画一的に考えられるわけではないということに気づけるのもいいと思う。

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世界一「自由」な会社、NETFLIX NO RULES


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