「わかりやすく」「かみ砕いて」「直感的に」を『送り手のNGワード』に認定します
“わかりやすく(説明します)”という表現に違和感を覚えます。
こちらにて掲載している青田 努さんがまとめられた「教え方がうまい人は何をしているか?」をみてみましょう。
この表や、上手な話し方とは?話がわかりやすい人とわかりにくい人の違い8か条 | 株式会社LIGの記事を参考にしつつ、“わかりやすい”を成立させるものを列記してみました。
早すぎず適度なスピードで進行する
適度なボリュームの情報量(初心者向けほど、覚えるべき用語や新しい概念が多く、情報量が多いと感じがち)
専用用語を控えめに、または、平易なことばに言い換えながら進める
ねらいや流れが最初に提示され、いま、どこにいるか、全体の構成を把握しながら進む
シンプルで簡素化した説明(脱線せず、また、細かすぎる事項をほどよくスルーする)
体系的であり、MECE(モレなく、ダブリなく)
チャートや比較表などで図解したり、熟知している分野をメタファーに使うなどの工夫
特に前半の3つは、受け手によってその判断基準が大きく変わってしまいます。つまり、わかりやすいかどうかを決めるのは「受け手」だといえます。
「受け手」うんぬんの前に、上記のリストすべてをカバーするものとして“わかりやすく”と言っているのでしょうか? ある特定の部分に関して、“わかりやすく”と言っているのでしたら、それを明示しないことは、とても不親切です。
多くの“わかりやすく”は、ベストエフォートというか、がんばります表明みたいなものであり、気軽に使うのはどうかなと思うんです。
“かみ砕いて”
“わかりやすく”に近い語句に“かみ砕いて”がありますが、どこまでかみ砕いたら適切なのかは、やはり受け手に依存します。
1:1の場合には「受け手の前提知識、理解度、様子に合わせて」がある程度まで可能ですが、1:nの場合には到底ムリです。ある程度わかっている人に対してかみ砕き過ぎれば、それはノイズでしかありません。
“直感的に”
「直感的に使えます」、「直感的に選択できる」のようによく使われる言葉ですが、人によって定義するところが違い過ぎます。「直感的に」の意味を大きく分けると、次のように大別できます。
手順の説明が不要
ダイレクトに触っているような操作感
スピーディに/スムーズに操作できること
よく見ると、直観的/直感的が揺れています。
リライト例
次のようにリライトできます。
じっくりマニュアルを読まなくても(使えます)
事前に細かい設定を行わなくても(デフォルトのままで)(使えます)
少ない操作で(作業が終わります)
作業上、不要なボタンなどが表示されないので(おそらく)迷わず(使えます)
タッチインターフェイスでの操作に適しています
パネルなどで選択しなくても、ドキュメントウインドウ上で直接クリックすれば選択できます
まとめ
送り手が使うことばとして傲慢、というと言い過ぎかもしれませんが、少なくてもそこに個々の受け手の存在は意識されていなさそうです。
私は、次の3フレーズを「送り手にとってのNGワード」に認定します。
わかりやすく(説明します)
かみ砕いて(説明します)
直感的に(使えます)
オマケ
素晴らしい記事を見つけたので紹介します。
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