フローとストック、発散と収束
2022年9月10日に上司ニシグチさんによる「デザイナーのためのマインドマッピング活用術」というオンラインセミナーがありました。
自分自身、マインドマップはよく使うのですが、「そういえば…」と思ったポイントを書いてみます。
フローとストック
まず、「フローとストック」という考え方があります。
日々のメールやチャットなどは「フロー」であり、そのままだと文字どおり流れてしまいますので、次の目的で時折、ストックとして再構築することが不可欠です。
途中から議論に加わる方向けのサマリー(まとめ)
意思決定者など、フローでのやりとりの結果、骨子のみを把握したい方へのまとめ
発散と収束
アイデア発想には「発散と収束」という工程があります。アイデアをどんどん広げていく「発散」と、それを吟味にし、絞り込んでいく「収束」の工程です。
マインドマップは「発散」に向くツールです。コラボレーションによって「フロー」として扱うこともできますが、情報の取捨選択なく、次のような方にマインドマップをアウトプットとして渡すのは、ちょっと乱暴です。
マインドマップへの前提知識のない人(慣れていない人)
全体像や方向性などが理解できていない人
言い変えると
マインドマップを使って、一緒にアイデアを発散した方にはマインドマップの共有でOK
全体像や方向性などが理解できていない人には、マインドマップではなく、異なるカタチに再フォーマットとしてのアウトプットが必要
正しいマインドマップ、正しくないマインドマップ
チャットやアンケートにて次のようなコメントがあり、意外に感じました。
「マインドマップの正しい書き方」を指南され、イヤになってしまった、
自分のアウトプットが「理想の形状」にならず、進まなかった
これは両方とも排除すべき考え方のように私は考えます。
マインドマップそのものがフローであり、脳ミソ内の可視化であるため、そもそも完成型は存在しません。開く度に何か加えたくなったり、調整したくなるのがマインドマップの究極の魅力です。
誰かが押し付ける「マインドマップの正しい書き方」や「理想の形状」にとらわれずに、どんどん使ってみることが重要です。
実は、ニシグチさんのセミナーを開催するとき、こんなツッコミをいただきました。
各所に相談し「募ったが募集していない」「国葬でなく国葬儀」論法で、「マインドマップでなくマインドマッピング」にタイトルを変更しました。
高いお金を出して認定を取られている方のジャマをするつもりはないのですが、「マインドマップの型」を高圧的に押し付けて、逆に、マインドマップを敬遠させてしまっているのは本末転倒。台無しです。
マインドマップは万能ではない
「マインドマップさえ使いこなせばOK」というわけではありません。
カラーから連想されるワード、ロゴなどをまとめることを想定してみましょう。発散時はマインドマップが向いています。
ポジティブ、ネガティブなどのグループを作って再整理したものが次の図。
これでよさそうですが、カラー同士の「ポジティブ」(ワード)についての比較には向いていません。赤、青の2色だけでなく、当然カラーは増えますので絶望的です。
その場合には、ExcelなどのGoogle スプレッドシートで「比較表」としてまとめ直すのが賢明です。
さらに、1行で完結できるように「簡易データベース」としてまとめ直せば「暖色だけ抜き出す」などのフィルターが可能になります。扱う色数が増えていくと重宝しますよね。
Notionであれば、左のようなデータベースを作っておけば、さまざまなビューで再利用できます。もちろん、リレーションでつなげた別のデータベースにてロールアップ(収集)することも。
一方、マインドマップと平行としてMandal-Artを使ってみたり、オズボーンのチェックリストが愚直に効果的だったりしますので、マインドマップ一辺倒にならないようにしましょう。
改めて『考具』を読み返してみようかなと。
オマケ
MindNode
さて、マインドマップのツールですが、自分はMindNodeを使っています。飛行機の中など(一応Wi-Fiはありますが)でWi-Fiを意識せずにオフラインでも使えるのがポイント高いんです。そして「買い切り」であること。
「買い切り」と平行して、MindNode Plusというサブスクがスタートしています。Mac、iデバイス共通で使えるライセンスで、フォーカスモード、アウトライン表示でのテキスト編集など、新しい機能を利用できる
MindMeisterのように部分的な“開閉”には対応していません…と思ったら、できました!
Miro
MindNodeのほか、マインドマップはMiro内で使うことが多いんです。
YouTube動画、サムネール付きのリンク埋め込みなど、総合的にアイデアスケッチとして使うのに優れています。
最後の課題がTwitterの埋め込み。対応策としてPoet.soを使ってツイートのプレビューを画像として貼っています。
Mandal-Art
自分にとっての究極のPKMツール(Personal Knowledge Management)はMandal-Art(マンダラート)。かれこれ、30年近くのお付き合いです。
ここ最近「マンダラチャート」として紹介されることがありますが、元々は1987年に今泉浩晃さんによって考案されたMandal-Artが元祖です。
なお、今泉さんは高田馬場で長年、デザイン事務所を営んでいる方です。
『生き方をデザインする』という書籍が素晴らしいのですが、現在、高騰しているため、その次に秀逸な『時間をデザインする』を紹介します。
マインドマップ≒Mandal-Artとしても使えますが、8という数字のストレスがマジックのように思います(少なすぎず、無限でない)。
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