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オンラインセミナー時代の集客や運営に関してのメモ

CSS Nite(シーエスエス・ナイト)というウェブ制作に関わる方のためのセミナーイベントを2005年から企画・運営しています。

コロナ禍でオンライン化を余儀なくされ、2021年1月からマンスリーてに継続的に開催してきました。

同業者からは「オンラインセミナーそのものが飽きられている」「有料では集まらない」という声も聞こえてきますが、有料イベントとして各回100-250人くらいのお申し込みをいただいています。2021年は20回のイベント(1回のみ無料)を通して、のべ4,000名を超える方に参加いただく見込みです。


ニッチなニーズですが、オンラインセミナー時代のイベントでの集客についてのメモを残します。


「定員」「増席」には意味がない

実際のところ、人数によってZoomの契約を変更する必要が生じたりしますが、参加者目線では「会場でのセミナーのように、物理的な定員はないよね」が共通認識。

「定員」「増席」によってアクションを促すのが常套手段ですが、オンラインセミナーでは「定員」を提示したり、「増席しました」と言われても白けてしまいます。

もちろん、「限定」感を出すには有効ですが、何度も「増席」を繰り返していると、“いつでも申し込める”という逆効果になりかねません。


前日・当日の駆け込みが多い

CSS Niteのほか、もうひとつ別ブランドにてセミナーイベントを企画していますが、同様の傾向として見られるのが「前日・当日の駆け込みが多い」こと。

平均すると、それぞれのイベントにて30-50%ほどを占めます。

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そもそも外出が少ない状況にもかかわらず「その週になってみないと判断できない」という気持ちに起因するとみています。

そのため、プッシュのタイミングとしても「来週です」では効果が薄く、「今週です」「明日です」「今日です」が効果的です。
そのため、セミナーの日程は火〜金曜日に設定するのがよさそう。


「早割」

これまでCSS Niteでは「開催の90日前に告知開始。60日前に超早割終了、30日前に早割終了。その少し前のタイミングで満席」という王道パターンがありました。

「少し安く参加できる」というアドバンテージを「早割の締め切り」に設定してアクションを促してきましたが、これはイベンター目線であり、参加される方にはナンセンスと言えます。

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「いま、それを学びたい」

会場開催の場合、いろいろな段取りから早めに満席にしておきたいのがイベンターの心情。その一方、「数ヶ月のセミナーイベントを告知されても、今なら聞きたいんだけどな…」と思う方は少なくないでしょう。「前日・当日の駆け込みが多い」は、それが反映されているのかもしれません。

また、「前日・当日の駆け込みが多い」のでしたら、告知開始から2週間前後に開催というスケジュール感も十分可能です。

ただし、経費参加の場合には社内申請などに時間が必要なことを忘れずに。


ニッチなニーズに応えられる

会場開催に比べると低コストで開催できるのがオンラインセミナーの醍醐味。

「300名が集まるテーマ」となると最大公約数的なものになりがちですが、オンラインセミナーは採算分岐ラインが低いため、ニッチなニーズに応えられます。


「経費で参加」と「自腹で参加」を分けるという試み

たとえば同じ5,000円でも「経費として落ちる」のと「自腹」では、その重みが大きく変わります。

一人法人やフリーの場合には境界線がアイマイですが、2021年後半から「経費で参加」を正規の金額として、その半額程度の「自腹で参加」というチケットを設定することにしました。

当然ながら「自腹の証明」は不可能ですし、その照合も面倒です。そこは「性善説」としました。

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ご参考までにですが、導入後の様子を見たところ、CSS Niteでは「経費:1、自腹:2」くらいの適切な比率になっています。

一方、DTP Transitというグラフィックデザイン寄りのイベントでは「経費:5、自腹:95」くらいの割合。会社名を書かれていても「自腹」としている方が多く、経費としては出ないのか、「自腹で参加してことにしておいて!」なのかは判断できません。コッチ系(印刷に近いデザイン制作業界)では「セミナーは無料で参加するもの」という意識が長く続いてきていることも起因していると思われます。


オマケ(1)スライドの配布は事前に

自分自身が講師として登壇するとき、最後の数分までスライドを調整することが多く、ネタバレを避けたい…という気持ちからも、CSS Niteでは「スライドの配布は終了後、ただし、翌日はダウンロード可」を基本にしてきました。

しかし、オンラインセミナー時代は先に配布しておくのがよいと考えています(暫定版という扱いで)。

 • スマホやタブレットなどの小さめの画面でくっきり見える
 • 回線状況が悪いときでもハッキリ見える
 • スライドから参照リンクを開いたり、気になる語句をコピーして検索に再利用できる
 • リアルセミナーほどの集中感を持って聞いていないため、「あ、今のところ…」と思っても巻き戻せないことにストレスを感じる


オマケ(2)スクショOK、スクショ付きツイートもウェルカム

有料セミナーの場合、スライド全部とかアーカイブ動画のURLをそのまま公開されてしまうのは困るのですが、スクショ(スクリーンショット)などをツイートするのはウェルカムと考えています(従来も、セミナーの状況をスクリーンを含めて撮影することをOKとしてきました)。

ガチガチに「参加者だけの情報」とするのは、つまらないですし、CSS Niteのポリシー「積極的にシェアする、迷ったらシェアする、当然のこととしてシェアする」に反します。

なお、ツイートなどを通じて「当日知って申し込む」人のため、最近はお申し込み期限を「終演まで」に変更しています。


オマケ(3)オンラインヨガという試み

CSS Niteではカウントダウンメールを通じて案内事項は事前にお知らせしていますが、やはりリアルタイムで説明することは必要です。しかし、オンラインセミナーでは「遅刻しがち」という動向があります。

その対策として、開演15分前から(+休憩時間)コモモ先生 @komomoaichi のオンライン椅子ヨガを行っています。

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リアル開催の際には「休憩明け」に背伸びをするなどを行っていましたが、その発展系と言えます。

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