英語の表記に関して覚えておきたいこと(主にスペース)
スペースに関して英語の約束事が守られていない制作物を見かけます。
「ここは日本なので、英語のルールに目くじら立てなくても…」とは思いますが、次の2つは覚えておきしょう。
ピリオドやカンマの後にはスペースが必要(数字を除く)
単語と単語の間にはスペースが必要
ピリオドの後にはスペースが必要
ピリオド(.)は次の場面で使います。
文章の終了時(日本語の「。」)
省略語(例:Tuesday → Tue.)
整数と小数の区切り
「整数と小数の区切り」を除き、「.」の後にはスペースが必要です。
× Violets are blue.Sugar is sweet.
◎ Violets are blue. Sugar is sweet.
略語の後
「Mr.」は「Mister」の略です。省略の「.」の後にはスペースが必要です。
× Mr.Robot
◎ Mr. Robot
正確には「Vol.」(Volume)の後にもスペースが必要なため、「Vol. 3」が正しいですが、一部のスタイルでは「Vol.3」と表記することもあります(Mr.も同様)。
ナンバリング(番号付きリスト:ol)
番号付きリストは、例えば以下のように使用します。
イチゴ
バナナ
リンゴ
左は見た目に詰まりすぎです。
番号と項目の間にスペースを入れることで、読みやすさが向上します。
Microsoft WordやGoogle ドキュメントのリスト機能を使えば、ピリオドの後に自動的にスペースが入ります。
HTML/CSSでも空白を伴ってレンダリング(=表示)されます。
日付のドット
「2021.10.31」のようにピリオドを区切り文字として使用している場合には、ドットの後にスペースは不要です。また、末尾には「.」はつけません。
× 2021.10.31.
◎ 2021.10.31
単語と単語の間にはスペースが必要
「Chapter1」や「Step2」は誤り。
「Chapter 1」や「Step 2」のようにスペースを入れて表記します。
単純に「Chapter1」「Step2」だと数字が読みにくい。「Chapter 1」「Step 2」のようにスペースを入れるとずっと見やすいですよね。
または、「Chapter One」「Step Two」を考えてみてください。
スペースなしで表記するのは「ChapterOne」「StepTwo」のように書くのと同じです。
なお、「STEP.6」のようにスペースの代わりに「.」を入れるのは誤りです。
組み合わせ
「Chapter」を「Chap.」のように略すことがあります。
略した場合、「.」の後にはスペースが必要ですし、Chapterと数字の間にはスペースが必要ですので、「Chap. 6」のように記述します。
◎ Chapter 6
◎ Chap. 6
× Chapter. 6
2つの意味でスペースを入れていますが、「.」の後のスペースは1つだけで十分です。2つは不要です(スペースを2つ入れることは基本的にありません)。
【余談ですが…】ダブルスペース
英語圏には「ダブルスペース」という用語があります。「スペースが2つ!?」と思ってしまいますが「2倍の行間」のこと。行間に1行分のスペースを入れることと捉えてもよいでしょう。
MS Word
MS Wordではキーボードショートカットが用意されています。Macでは⌘ + 1、⌘ + 2で切り替えます。WindowsではCtrl + 1、Ctrl + 2で切り替えます。
⌘ + 2がダブルスペースです。
Google ドキュメント
[表示形式]メニューの[行間隔と段落の間隔]→[2行]を選択します(ただし、英語と日本語では行間の構造が異なるため、もう少し広げる方がダブルスペースらしくなります。
いつ、使うのか?
ダブルスペースを使う理由は「書き込みのためのスペースを十分に確保すること」。学生のレポートや論文(の準備)で用いるようです。
カンマの後
カンマ(またはコンマ)は日本語の読点(、)にあたります。
カンマ(,)の後にはスペースが必要です。
単語が続く場合、「単語、スペース、カンマ、単語」でなく「単語、カンマ、スペース、単語」です。
× aaa,bbb
× aaa ,bbb
◎ aaa, bbb
単語の連続などで用いるときも同様です。
× 10,20,30
◎ 10, 20, 30
コロンの後にもスペースが必要
コロン(:)の後にもスペースが必要です。
単純に「Step 6:縦書きを使って」は見た目的に窮屈です。
× Step 6:縦書きを使ってかたまり感を出す
◎ Step 6: 縦書きを使ってかたまり感を出す
△ Step 6:縦書きを使ってかたまり感を出す
次の理由から、日本語の組版では全角のコロンを使うのもよいでしょう。
コロンの前にはスペースを入れないが、詰まって見える
欧文のコロンはベースラインが下がって見えてしまう
句読法(くとうほう)
句読点や関連記号に関してのルールを、英語では「Punctuation」(パンクチュエーション)と呼びます。
アメリカとイギリスで異なる
流派のようなものもある
日本語に比べて種類が多い
日本語では句読点の後にスペースを入れることはほとんどありません。そのため、「必要な箇所にスペースが入れる」ことに慣れていないのかもしれません。
その一方、この記事で紹介してきたようにスペースがないと単純に詰まりすぎに見えます。ルールは読みやすさのための確立されていますので、正しいかどうかはさておき、詰まりすぎの感覚を身に着けるとよいでしょう。
まとめ
ピリオド(.)、コンマ(,)、コロン(:)、セミコロン(;)の後には半角スペースを入れましょう。
「英語としての正しさ」以前に、スペースがないと窮屈です。
オマケ
複数形のsが必要なのに、付いていないものもよく見かけます。
なんちゃらawards
3 step → 3 steps
グラミー賞は「GRAMMY Awards」です。
複数形を持たない単語もありますが、「もしかしたらsが必要?」を考えてみましょう。
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