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京の宿屋のオヤジがGo to キャンペーンに思うこと。

Go to トラベル キャンペーン

英語的におかしい!という指摘がまたぞろ上がっていますが、もうそれは諦めましょう。おかしな和製英語を量産するのは日本のお家芸なので(笑)

まぁ予想通り迷走してますね。

もちろん瀕死の宿屋のオヤジとしては、なんであれお客様に来て頂くのはありがたいのですが、ちょっと今回のは無理筋だったかなぁと思っています。

そもそも無理筋だと思うワケ

大前提として僕は日本のコロナに対する反応はあまりに過剰反応だと思っています。半年で1000人程度しか死なない病気で経済をここまで止めて、それより多い自殺者を生むのはナンセンスだと思うからです。

失業率と自殺率の相関からいろんな自殺者数の試算が出ていますので気になる人はググって見てください。増加が1,000人以下の試算は今の所見たことありません。

正月に餅食ってつまらせて死んじゃう人は1300人です。1月だけでですよ。コロナで経済止めるなら餅を禁止にしたほうが死人は減ります。

普段肺炎で死ぬ人は12万人とかです。半年なら6万人。自殺は過去最低で2万人。半年で1000人は「誤差」です。

そもそも日本は平均すると1日3,700人以上の人がなくなります。色んな理由で。すでに未知のウイルスと言う段階も超えているように思いますが、なぜコロナだけ騒ぐのか理解できないのでもし、論理的に科学的根拠を持って説明できる人がいたら是非教えて下さい。

とはいえ、政府の政策としてはその現実に合わせて行っていかなきゃいけないわけで、本質を捉えているかどうかは別として、人々がコロナを怖がっている状態で打つキャンペーンとしては無理筋だったと思うわけです。

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ヤフーのアンケートなので相当な偏りがあるとは思いますが、こんな感じ。

誰も近くを歩いていないクソ暑い路上でマスクをして歩いてるような、本来の意味合いを理解してない人がたくさんいる状況で

「皆さん旅行してください!」

はそりゃあ無理があるわ(笑)

ちなみにうちの近所でマスクしないで大声で話してるのは十中八九お年寄りです。なんのためにやってんだか。

そんなわけで、「東京発着は除外」だの「キャンセル料は国が補償」みたいなバカな話になってるわけです。

政府がゴリ押しする理由を推測してみる

ロビイング能力の高い団体については次項に譲りますが、それ以外にも結構理由があるようです。

観光業ってのは「裾野の広い」産業であるとよく言われます。人が旅行するときには色んな所にお金を使いますよね。交通費、食費、宿泊、レジャーなどなど。「裾野が広い」は「関わっている人間の数が多い」ということでもあります。

しかも域外から来てお金を落としてくれるので、域内のお金が純粋に増えるわけです。

京都の人が京都でご飯食べても京都内の現金が移動するだけで京都全体のお金はあんまり増えませんが(増えるのは付加価値のぶん)、北海道の人が京都に来てご飯を食べると、北海道→京都に現金が移動する。だから外国から来てくれるインバウンドってのはありがたいお客様なんですね。

で、その裾野の広い観光業が瀕死です。当たり前ですが。ただ、瀕死でとどまっている理由は「雇用助成金」ってやつで、それが7/21で終わるそうでこのまま22日を迎えるとバンバン倒産と解雇が出るのでそれを防ぎたいと。

一度失われた産業って簡単に取り戻せないわけですが、コロナは所詮風邪なので、長くても2-3年でなんとかなるでしょう。そうなるとまた観光業は経済の柱として期待されるわけですが、その時に観光インフラが消滅してたら困っちゃうわけです。民泊も殺しちゃったことだし。

また、観光業界は僕のような個人に近い零細プレーヤーが多いので、体力がありません。今の見通しで観光が復活するまで耐えられるところは少ないでしょう。

極端な話、数年後には星野リゾートとアパホテルしかない国になったりして(笑)

Too big to failという言葉があります。「大きすぎて潰せない」ってことですね。市場原理に任せて潰しちゃうとその影響がでかすぎるから潰さずに政府が助けたりするわけです。日本でいうとトヨタとかメガバンクみたいな会社。

観光業界にはトヨタほどの巨大な企業はありませんが、業界全体としてみるとToo bigであることは間違いないと思います。

あと単純に「はやくやらないと冬になってまた死亡者が増えそう」ってこともありそうです。

こんなにも強大な組織だったのか全旅連

で、更に政治家がゴリ押しする理由に「全旅連」という巨大な組合があります。2ちゃんねるのひろゆき氏曰く

「政治家は日本人の代表ではなく、支援してくれる団体の代表」

らしいので、政治家は支援団体の利益のために動きます。全旅連などの団体から相当な圧力がかかってるんだと思います。

民泊を世界一と言っても良いほど悪い形で殺した住宅宿泊事業法という法律が出来たのもこの全旅連からの圧力があったと思いますが、今回のGO TO キャンペーンを見て思いました。

こんな無理筋をゴリ押しできる人たちに勝てるわけないわ

民泊が殺されたのも無理なからぬことだったのでしょうね。くそー。

逆に飲食店がメチャクチャいじめられたのはこういう団体がなかったからと言われています。法的根拠も補償のない自粛要請なんて無茶苦茶。人によっては死ねって言われているようなもんです。

近未来予想

僕としてはある程度の水準に観光客が戻るまであと1年半はかかると見ています。ワクチンができるか、みんなが諦めて普通に生活しだすかという感じでしょうか。

すでに大きめのチェーンであるWBFが破綻しましたし、First cabinもかなり撤退しています。

じゃあこれを耐えしのげばアフターコロナで大儲けできるのか。

そう簡単には行かないと思うんですよね。「ホテルの建物は基本ホテルにしか使えない」うえに取り壊しにも相当なお金がかかるので、今あるホテルが倒産してもまた別の誰かが安く買い取ってホテルをやることになるでしょう。その意味では宿泊業は一度壊滅しても割と速く戻るのかも知れません。

先に例で上げたWBFはすでに民事再生手続きに入っていて支援企業も現れていますし、First cabinが撤退したのは「テナント」のところだけのようです。ホテルとして設計した自社物件は継続しているはず。

さて、こんな時期にホテルの建物を買える人はだれでしょう?

「外国の金持ち」ですね。とりわけ中国資本が多いとおもいます。日本の魅力の大きな要素として「歴史」があげられます。歴史ってのは古くなればなるほど価値が出るので、お金持ちなら安い時期に京都あたりのホテルでも買っておくか、ってなりますよねそりゃ。

日本は外国籍でも自由に不動産取得ができるので、気づいたら中国のホテルだらけってことになるんじゃないかなぁと思います。

民泊についてもすでに個人にノウハウが蓄積されている上に再開する時のコストも高くないので、コロナ前の需給バランス(供給過多)に近いところまで戻るんじゃないかなと思っています。

宿屋のオヤジとしては「先の見えない大ピンチ」なわけで、いろいろ動かねばなりません。

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