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映画のあれこれ

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映画の感想
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2024年9月の記事一覧

【感想143】ぼくのお日さま

 ちょっといろんな部分をはぐらかされたって気持ちが大きい。 確かに目に映るものの美しさはここ数年の映画において桁違いの強さを見せるけれど、それに伴うほど物語が美しいとも言い切れない。 他人に勧めやすい ★★★☆☆ 個人的に好きか  ★★☆☆☆  序盤に提示される3人それぞれの視線の先が異なるシーンがピークに感じてしまった。 タクヤはさくらに、荒川はタクヤに、さくらは荒川に、と三者三様に異なるニュアンスの目線を向ける。  この歪で繊細な3人の様子を眺めていくかと思いきや、

【感想142】がんばっていきまっしょい

 副業である声豚としての責務を果たしてきたけれど、想像してたより一手上をいかれた面白さをみせられた。 松竹の力の入りようがずっと気になってたので、どうなのかなとは少し心配の気持ちもあったけれど、いちアニメ映画として純粋に面白かった、て自信持って言えるぐらい良い。 同じ3DCGベースって意味でも『MyGO!!!!!』のアニメがストーリーの感触としては近いと思う。そこから描写面で利点をフル活用してくるので、劇場アニメとしての特権だなと思わされる。 他人に勧めやすい ★★★★☆

【感想141】ナミビアの砂漠

 上げたハードルを悠々と飛び越えてきた。 舐めてかかっていたのもあるけれど、等身大の若者の描き方や、消費社会が取り巻くどうしようもなさに無抵抗な姿といった、大多数の人が自覚や言語化をしきれていない嫌な空気を突き付ける作品として、これ以上研ぎ澄まされたものは当分出ないと思わされる完成度。 河合優実の実力で隠れてしまいそうだけれど、男女関わらず身に覚えのある厭らしさと向き合わされること覚悟で見ないといけないかもしれない。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★★★

【感想140】侍タイムスリッパー

 ちゃんと面白い。これに尽きる。  インフルエンサーによるやや誇張したバズ構文の感想が最も目にする口コミになる時代に、真っ当な面白さを持ったうえで口コミが広がっているなと感じられる面白さだった。 『カメラを止めるな!』は脚本のロジックが一番のポイントだったのに対して、今作は物語全体を通して組み込まれたものがポイントなので、多少のネタバレは気にしないで近くの劇場で公開されたら見に行ってみてほしい。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★★★☆  正直に言うと

【感想139】ラストマイル

 やっぱり得意じゃないタイプの邦画だったな。て感想以上に「これで問題提起に…なれてるか?」ていう薄っすらとした不安が残った。 『アンナチュラル』『MIU404』は見ないまま行ったけれど、医療や警察の現場でそれぞれ顔なじみある人が出てきたなーぐらいの関連なのであんまり事前に見てる見ていないの影響はなかったと思う。 なので誘われたら別にドラマ見ておかなくてもいいよ、面白いと思ったら見よう、でいいんだと思う。 他人に勧めやすい ★★★☆☆ 個人的に好きか  ★★☆☆☆  シェア