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映画のあれこれ

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映画の感想
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2024年5月の記事一覧

【感想120】ミッシング

 かなり面白い。  SNSでのバッシングについての描写が説教でもなく、それら含めて悪意に対峙する人たちのやるせない描写を淡々と描き続けてるのがいい。 モデルの事件がある分リアリティを感じるというよりも、地に足の着いた展開のされ方がより見ている側を嫌な気分にさせるし、いち登場人物としての視点を与えられるような気になるのもなんだか掌の上で転がされてる気がして嫌だなあとも思った。 他人に勧めやすい ★★★★☆ 個人的に好きか  ★★★★☆  ずっと荒れっぱなしの母親である沙織

【感想119】ありふれた教室

 『落下の解剖学』でも取っていた、事実は見せずに真実に辿り着こうとする過程を見ていく方式の映画。 スケールが学校の中だけとかなり縮小された代わりに身近な環境に移ったことや直接司法が絡んでくるような場面ではないところが焦点なのもあって、見ていてかなり嫌な気分になる空気が続くうえに光明はほぼ見えないことをより実感をもって思い知らされる体験になるのでかなりハード。でも面白い。  あと日本版ポスターのキャッチコピーが涙に見えるような位置と配色にあるのは久々にイカしたポスターじゃん、

【感想118.1】トラペジウム のまとまりきらない話

 今回はオタクと2人で見に行ったのもあって見終わった後にいろいろ話はしたけれど、徹頭徹尾吐き出しておかないと収まりがよくないのでとにかく見て感じたことを全部書き下ろすことにした。  タイミング合わずで公開1週目の平日木曜という、公開から6日目になる日に見に行ったので周りの友達やSNS(というかTwitter上)での声は一通り目を通してから見に行くことになった。 正直、否の感想を持った人はキャラクターの感情理解や行動原理に対して自己ベースで考えるかつ他人からの影響や反論に対し

【感想118】トラペジウム

 久々にアニメ映画でバチコリと適合できる作品だった。 散々揶揄されていたことも大嘘で、高山一実による東ゆうへの慈愛と赦しを通してアイドルを目指すことへのメッセージを感じ取れた。 他人に勧めやすい ★★★☆☆ 個人的に好きか  ★★★★★  見る前に気を使ってほしい所としては映像による表現の手数で、映す場所や天気というわかりやすいところから人物の仕草や視線といった細かいところまで、かなりわかりやすくセリフ外で描写を積み重ねている。 しかもOPで東ゆいの幼少期をダイジェストで

【感想117】恋するプリテンダー

 見に行った理由が『マダムウェブ』で見たシドニー・スウィーニーが9割以上を占めるけど、思った以上に面白かった。 『ピーター・ラビット』2作の監督のウィル・グラックが監督なだけあって、かなり強めなパンチあるギャグとシェイクスピアの『空騒ぎ』を元にした話はラブコメディとして王道の面白さを持っているし、気軽に見に行って楽しめる作品だと思う。 土曜の朝一に行ったらほぼほぼ一人で来た人だったので、カップルに囲まれるのは…ていうのも杞憂だった。そういう人はみんなコナン行ってるよな。 他

【感想116】カメラを止めるな!

 良くない人がやるお得意の「まぁ、言われてるほどには…」みたいな温度感を感じるかもしれないけれど、面白かったです。 『インベスターZ』の損切に対する反例としてよく挙がっていたけれど、この映画はそういうのとはちょっとかみ合わない気がする。見てから気づいたことだけれど。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★☆☆☆☆  まず30分強のワンカット映像を見た後に裏で何が起こっていたかの答え合わせをするのが残りのパートという構成。  大前提として、前半のワンカットシー

【感想115】キラー・ナマケモノ

 GW後半戦のスタートダッシュはゴジコンとコイツ。しかも朝一にゴジコン見た後にコイツを見たら思わぬところで似たシーンが出てきて全然関係ないところで一人大爆笑させられたのが悔しい。でも案外いい映画だったんだよな、この映画。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★☆☆☆  実はかなり直球なテーマで、インフルエンサーとかの他人に惑わされない自分の芯を持つことを願うような93分間。これを突き通すためにアホなティーンが大量に出てくるし目的も手段も滅茶苦茶なお笑いホラー