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内閣府が「理解増進法Q&A」を出しました。 2023.12.19

 内閣府が、2023年12月19日「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律に関するQ&A」をアップしました。下記の7つの質問をかかげ、国会での提案者説明を踏まえた回答をしています。
https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/qa/index.html
ぜひご一読ください。

Q1.理解増進法が制定された目的は何ですか。
Q2.理解増進法の施行によって、国民はどのような権利を取得し、又は、義務を負いますか。
Q3.性的指向とは何ですか。
Q4.ジェンダーアイデンティティとは何ですか。
Q5.理解増進法において「性的指向」及び「ジェンダーアイデンティティ」という文言が定義されましたが、自治体や民間企業等で従前から使用している文言を変更する必要はありますか。
Q6.理解増進法の施行によって、性別により区分された公衆浴場等の施設の利用のルールに変更はありますか。
Q7.理解増進法第12条の留意事項が定められた趣旨はどのようなものですか。

 当会は、この法律の2023年6月16日成立の前、さまざまな情勢の変化を見極めつつ、対応しました。岸田内閣の姿勢は当時の様々な状況から、やはり成立させるというものでした。党内に反対が多いところ、2021年理解増進法案を元として一部を修正した自民党・公明党の当初案が出ました。しかしこれでは不十分でした。
 当会や後に連絡会として発展する団体は、維新・国民民主にもこの問題の説明と要請をしていました。そこから連名での大幅な修正案が出て、自民党内の理解ある議員らが各党間で実に真摯な努力をして調整し、衆議院で可決されました。
 その後、参議院の内閣委員会には当会事務局の滝本太郎弁護士、白百合の会の森奈津子氏、また国民民主の招聘で細田智也氏が参考人として出て質問に答えもしました。参議院議員に理解してもらうため、後のガイドライン作成などの際に是非とも参考にしてもらうためです。
 具体的には、
①「差別」ではなく「不当な差別」としたことにより、活動家の一方的な差別主義者だという差別糾弾闘争をできにくくさせ、言論の自由が守られるようにしました。
②「家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ」とあることにより、子どもが親の知らないままに性自認に食い違いがあると導かれ、やがて思春期ブロッカー、ホルモン治療そして乳房切除や性別適合手術に進んでしまう危険性を抑止できます。
③民間団体の活動促進のための施策を削除したことにより、責任を負える立場ではない善意だが誤った民間団体が委託を受けてしまう可能性を大きく減らしました。
④「すべての国民が安心して生活できるように」を加えたことにより、警察が女子トイレなどでの事件について萎縮する危険性が大きく下がったと思います。

 この理解増進法に、立憲民主、共産、れいわは反対しました。成立後に「差別増進法だ」などとまで非難する人までいました。決してそんなことはないのに「トランス女性は女性だ」と性自認至上主義を進めようとする考えからは、そう見えたのでしょう。立憲民主は労働組合「連合」の総合政策推進局長・井上ふみえ氏を、共産はLGBT法連合会の神谷悠一氏を、れいわは一般社団法人fairの松岡宗嗣氏を参考人としました。

 国会での詳細は、当会のnote「参議院内閣委員会で調整理解増進法が可決」にありますので、参考にして下さい。

 今回、内閣府のQ6への回答で、「性別により区分された施設における従来の取扱いを変える旨の規定はありません。」とあるのは当然のことですが、その審議過程で上記の経緯であることから、事実上そのような効果を及ぼすことを極力下げたものともなりました。その証拠に、それまで役所の「回答」程度だった、公衆浴場での男女の区別については「身体的特徴による」という文言が、施行の日である6月25日に「通達」として出されたのです。そして「一般に、この通知に基づく施設管理者の指示に反して、公衆浴場等を利用した場合には、従前と同様、現行法令に従い、適切に対応されるものと承知しています。」としています。

 また、Q7への回答では、「すべての国民が安心して生活できるように」の趣旨は、「性的マイノリティの方、性的マジョリティの方のいずれの方も、お互いの人権や尊厳をすることによって、生き生きとした人生を享受できる社会の実現を目指すことを確認するものです。」としています。
 トランス女性(身体は男性)の人権の尊重だけでなく、女性の安心安全といった人権法益を尊重せよという意味です。男性にあっても、トランス女性の身体は男性であり排泄は体からするのですから、男子トイレから排除し差別してはならない趣旨となります。

 当会は、今なすべきことは、最高裁の2023年10月25日決定により「陰茎ある法的女性」が今後ありうる情勢である今日、この通達を、
①女湯に止まらず女性スペース全体のものとさせること
②性同一性障害者の性別取り扱いの特例に関する法律の、性別取り扱いの例外としての「法律」とさせること
そして、
③法律がないことから減ってきてしまっている女子トイレの設置を、義務化していくこと
だと考えます。

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