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2023.8.10記者会見―声明の説明と署名を―女性スペースを守る7団体と有志の連絡会―

「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」が7月に成立し、8月10日に厚労省の記者クラブで会見しました。
7月25日の声明(https://note.com/sws_jp/n/n4b7c5d29876c)の説明をし、「手術要件を外すな」という署名運動(https://voice.charity/events/534)の趣旨を説明しました。
 その文字起こしは進めていますが、急ぎ各団体の冒頭発言をアップします。

また、記者会見の録音(映像は無しで音質重視)をYouTubeに公開しましたので、よろしければお聴きください。https://www.youtube.com/watch?v=Nwu36hPok4A

映像ありの記者会見動画はこちらです。https://youtu.be/yXlk3xfr08E


⭕️会見の冒頭発言

2023.8.10

司会 滝本

 今日はありがとうございます。ただ今から「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」ということでの会見を始めます。この会は、「性同一性障害の集まりである特例法を守る会、女性スペースを守る会、性犯罪被害者を長く支援してきた方の集まりである平等社会実現の会、性的少数者の集まり白百合の会、性別不合当事者の会、性暴力被害者の会、No!セルフID女性の人権と安全を求める会という7団体と有志」とでできています。昨年来、院内集会などした4団体そしてこの6月成立の理解増進法に関連してさまざまに活動して知合い、7団体と有志に発展して、会見をするものです。

私は、事務局的な立場です。丸2年前はこの問題を何も知らなかった、が率直です。理解増進法も差別解消法も当たり前と思っていたところが、どうやら、トランス女性の女子トイレの利用も当然に使えることを前提としての運動だと知った。

「それとこれとは別だろう」と。理解は増進する、差別があってはいけない、しかし女性スペースや女子スポーツについてまで参加が当然のように言われている。一体のこととして議論はされている。世界では混乱を重ねている。驚愕しました。調べれば調べるほどこれはおかしいと考えるしかなかったです。

では、まずは、7月25日のこの連絡会の説明などを森谷さんから。

① 女性スペースを守る会


1 森谷みのりです。経産省トイレ裁判の最高裁判決は、女性の安全安心の確保を軽視していて、とても怒っています。

 小規模の事業所で女性がトイレの男女共用で我慢しているのは仕方なく不便、不安を辛抱しているだけです。

 それなのにこの判決では、大きな職場なのに、女性から特に異議が出なかったなどとして利用を認めています。女性としては、言おうとしても権利を主張する人を前に遠慮なく言えるものではありません。差別しているとされれば尚更です。恨まれるのではないかと怖れます。新しく配属される女性職員のことは考えないのでしょうか。

補足意見では、恐怖や不安感について研修を勧めたいような記載があります。不安感や違和感を持つのがおかしいという前提に立っている裁判官がいるのです。多くの女性は性暴力被害を受けた経験があります。性暴力の加害者の99%は男性です。恐怖と不安を持つのが当然であり、それを無くせと言うことは女性差別です。

しかも、この裁判の男性は、男性的な加害性の強いツイートを多々しています。よく見て下さい。最高裁裁判官はこの事を知った上で判断しているのでしょうか。補足意見では国側は事実審である高裁までにこれらの存在をしっかりと主張、立証したのでしょうか。

2 更に今、この判決をもとに、一般の女子トイレで広くトランス女性を受け入れろというような言い方をしている論者や一部の国会議員がいます。まったく女性の安心安全を無視しています。裁判長の補足意見にあるように、不特定多数の為のトイレについては全く別の議論となります。

メディアは、このことをしっかりと報道して下さい。

3 またこの判決は、この2年間「性自認主義」での法制が先行した国々で起こった様々な問題、イギリスでは昨年7月から官公署で女子トイレを作るなどしているのに、それを理解しておらず、不勉強にすぎると考えます。6月に成立した理解増進法では、それらを踏まえて女性の安心安全の確保という権利法益を踏まえて、多くの修正を経て成立しました。そこに結実した国民の声をなんら考慮していないのは、司法の怠慢です。

4 次に特例法の手術要件は、「男性器あるままの法的女性」が現れないようにするために必要です。このことは署名運動の関係で、美山さんらから説明してもらいますが、一つだけ助産師のことを申します。助産師は今も女性だけがなれる仕事です。それは出産、授乳など女性が最大に弱っている状態の時に、医師でもないが子宮口の内診を受けたり、授乳のための乳房のマッサージをする仕事だからです。この「女性限定の仕事」を、どうぞ生得的な女性だけに限って下さい。もちろん、「男性器あるままの法的女性」となれば、トイレも何も女性スペースに入れることが当然になってしまいます。最高裁はしっかりと責任をもって考えて下さい。

5 最後に、一部の男性が、男子トイレで「トランス女性」に対してからかったり、暴力を振るうことがあると聞きます。それこそが排除であり差別だと思います。つまり、トランス女性への対応は、女性が責任をもつ分野ではなく、生得的な性別が男の問題です。「トランス女性」の人格の尊重はまず、男性にこそ求められるものであって、男こそが性の多様性を理解して下さい。

 以上の通り、連絡会に集うもので出した声明の趣旨を説明しました。詳しくは文書をご確認ください。ありがとうございました。

② 性同一性障害特例法を守る会


美山みどりです。来月、最高裁大法廷は、性別適合手術をしていない男性の「戸籍上の性別の変更」の弁論を開き、その上で「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」、GID特例法の手術要件が憲法に違反するかどうかの判断をします。

先日のいわゆる「経産省女子トイレ裁判」で下された最高裁判決では、性別適合手術なしの性同一性障害当事者に、職場の女子トイレ利用を容認する結論が出ました。法律上の「みなし女性」として扱われる条件は、今まで「性別適合手術をしているか否か」で判断されてきました。その原則が、特殊な状況にあることを理由に、緩める結果になり、これがそのまま「特例法」での、

四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること

五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 第三条①のいわゆる「手術条件」の廃止、変更につながるものなのか、という懸念が広まりました。

特例法とは、身体違和が耐えがたい性同一性障害の当事者のうち、性別適合手術を終えた人が生きやすくするための法律です。当事者としては、法的性別を変更したいから手術をするのではなく、自分が望んで受けた後に、生活の便宜ために戸籍の性別も変えるためのものです。過去、知的障害者らにされた非人道的な「断種手術」とはまったく違います。法的な性別を変更した私たちは、

「手術要件があるからこそ社会から信頼される根拠・私たちが守られる盾」

になっていると実感し、それをおおやけに主張します。

性別適合手術は非人道的なものではなく、この手術によって私たちが「救われた」と感じるような、私たちのアイデンティティにとっても大変重要な手術でもあります。

今回の弁論での原告が主張するようには、費用的にさほど高額なものではなく「軽自動車一台分」といわれる程度です。「戸籍を変えるため」としては、からだの負担がさほど苛烈なものでもなく、手術のやり方も完成されており、比較的「安全な」手術でもあります。

真に性同一性障害であり「自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意志を有する」のであれば、けしてためらうほどの手術でもありません。手術によって「自分が嫌悪する身体的な性別」から解放されるのであれば、「安い買い物」であるとさえ思います。

「憲法違反」の非人道的な手術でもありません。強制されているという実態もありません。私たちは自らが望んで受けているのです。戸籍の変更は副次的な効果に過ぎません。

しかも私たちは、この特例法によって私たちが社会的に「受け入れられた」という事実に責任をもって向き合う必要があります。

万一、特例法の手術要件が違憲と判断されると、男性器があるままの法的女性が現れます。性別が変わった後でさえ「父となる女性」「母となる男性、出産する男性」も現れることになります。さまざまな家族法がありますが、これらの法律との整合性に大きな矛盾がでるばかりではなく、「法的女性」となれば当然、女子トイレはもちろん女湯などあらゆる女性スペースに男性器のあるまま入る権利につながります。

多くの女性たちと女の子を持つ親は強い懸念を抱いています。安全であるはずの「女性スペース」において、性被害を受ける可能性を否定できなくなるのです。専門医が診断した当事者でも、女性を性的対象とする「男性から女性」の当事者は珍しくありません。ならば「トランスジェンダーを装った性犯罪者」を、どう区別して女性スぺースから排除できるのでしょうか。「男性器ある法的女性」を法が認めることは確実に性犯罪へのハードルを下げます。

この危惧には現実の性被害の問題に裏打ちされた切実さがあります。「男性器ある人はすべて入れない」とするルールには、防犯上の客観的な根拠があるのです。この声を、私たちは当事者として無視することはできません。

緩い基準で性別変更を認めるようにした諸国では、現在社会的に大きな混乱が起きています。スコットランド・フィンランド・スペインなど緩和を導入した政権が強い批判を受けて退陣し、「客観的な基準を厳守すべきだ」とする「揺れ戻し」の動きが加速しています。

もはや国際的にも、今の日本の状況は「遅れている」ものではなく、「海外の轍を踏まずに済んだ」と喜ぶべき状況であるとさえ私たちは考えます。

問題は「かわいそうだから」ではないのです。国民の懸念にどう責任を取るのか、です。最高裁判所大法廷に対し、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の「性別適合手術の要件」につき、違憲判決を下さないよう求める署名活動を、私たちは開始します。

③ 性別不合当事者の会 発言骨子 


トランス差別はあります。

 田舎だと女装者への嘲笑、後継ぎが女性になりたい・嫁がせる先も考えてた娘が男になりたいなどは虐待をもって転向させられる、都会でも性被害に遭ったり、キショいと笑いものにされたりする。

 とはいえ活動家が言うトランス差別は別のものだ。性自認がどうのとか女性スペースをトランス女性に開放せよなどという話とは全く次元が違う。ましてや手術要件が違憲だの差別だの噴飯ものである。優生保護法のように障害のある人間に対して強制的に行うのではなく、性別の扱いの変更を希望する者に対して与えられる条件だからだ

何も代償を払わず性別の扱いを変えるなど異常だ。

 普通に考えれば変えることの出来ない性別というものを、扱いだけでも変えるのだから何も代償を払わなくてよいはずがない。特に男性の性別変更には性犯罪が絡むので手術要件ナシでは考えられない。男性器は女性にとっては凶器となる、先日のすすき野の事件で被害者はその凶器を隠したまま女装という仮面を使って加害者に近づき一生消えない傷を負わせ犯行へと駆り立てた。

故に手術要件は合憲である。

④ 白百合の会


 こんにちは。LGBT当事者グループ・白百合の会代表の森奈津子です。職業は作家です。私は1990年代より、バイセクシュアルとしてカミングアウトしたうえで、女性同士の愛をテーマとした小説を発表してきました。

 日頃から申しあげていることですが、マスコミの報道にしばしば登場する「LGBT活動家」と呼ばれる方々は、実は私たちLGBT当事者の代表ではありません。そもそも、LGBT活動家になるためには、資格は一切必要ありません。その人が勝手に「LGBT活動家」と名乗れば、その瞬間からLGBT活動家になれる。その程度の肩書です。 よって、LGBT活動家の皆様が、あたかもLGBTの総意であるかのように語っていることは、実はその方の個人的な意見、もしくはLGBT活動家の間での合意であるにすぎません。

 そんなLGBT活動家が、今、性同一性障害特例法の手術要件の撤廃を主張しています。「性別適合手術は断種手術であり、人権侵害だ」というのが、彼らの主張です。そうして、手術をせずに性転換できるようにして、男の体である女性や、反対に、女の体をした男性を、日本社会に認めさせようとしているのです。

 すでに、LGBTの世界では、「私の心は女性で、女性が好きなので、トランス女性レズビアンだ」と自称する男たちが出現しています。彼らトランス女性レズビアンは、女性が好きな男性です。ゆえに、男性が好きな女性と恋愛していれば、なんの問題もないはずです。しかし、なぜか、彼らは同性愛者の女性を好みます。そして、レズビアンバーなどで、自分が受け入れられないのは差別だと主張して横暴なふるまいをし、しばしば問題を起こしています。

 欧米では、性自認が女性だと自己申告するだけで法的な女性になれます。そのような、体が男性でありながらパスポートには女性と記載されている外国人も、日本に入国しています。2019年には、日本のレズビアンバー「ゴールドフィンガー」の身体女性限定の日に、入店を断られたアメリカ人の身体男性のトランス女性活動家が「自分は日本のレズビアンバーで差別された」と英語でネット発信し、ゴールドフィンガーは世界中から批判され、謝罪するまで追い込まれるという事件がありました。

 しかも、ゴールドフィンガーの身体女性限定の日は月に一度だけであり、普段はトランス女性も入れる店として知られていました。つまり、アメリカ人の過激なトランス女性活動家がその日を狙ってトラブルを起こし、わざと世界的な騒動に発展させたのだと、日本のレズビアンの間では噂されています。白人から有色人種への偏見も背後にあったとも、指摘されています。

 このように、心は女性だと主張する男性に、すでにレズビアンは性的におびやかされています。端的に申せば、セクハラや性犯罪の被害を受けているのです。

 性同一性障害特例法の手術要件が撤廃され、体は男性である法的女性が生まれたら、日本社会全体が混乱に陥ることは、明らかです。欧米では特に、弱い立場にある少女や女児が犠牲になるケースが多発しています。

 私はLGBT当事者として、性同一性障害特例法の手術要件の撤廃には断固として反対します。どうか、一部のLGBT活動家だけではなく、LGBT当事者のリアルな声を報道してくださるよう、メディア関係者の皆様にはお願い申しあげます。

 以上です。ご静聴ありがとうございました。

⑤ No!セルフID 女性の人権と安全を求める会


石上卯乃と申します。私たちは2021年9月に団体を結成しました。団体名にあるセルフIDとは、自分が何者であるのか、とくに性別の証明に関して、司法と医療の認定を必要とせず、自己申告だけで十分とすることです。

この団体も、法的・社会的性別を自己申告だけで決定可能とする日本社会の動きに反対する活動をしています。声明文を出したり、決定権を持つ立場の人々にそれをお渡しするなどをしています。

 こうしたセルフID思想の結果、海外でも、性器や生殖腺の手術を受けていなくても、自己申告するだけで法的な性別を変えることができる、そして社会での扱われ方も変えることができる、という制度を取り入れた国々もあり、混乱が起こっています。配布した資料に、海外の事例をまとめてあります。例えばアメリカのカリフォルニアでは、ペニスのついたトランス女性が、日本でいう健康ランドのような韓国スパの女湯に入ることを拒否できませんでした。日本でも同じことが起こる懸念はあります。そのような懸念を重く見てでしょうか、性別変更に手術要件を課したままの国もまだ多くあります。

日本でも、このたびの最高裁大法廷で「手術要件は違憲である」と判定されれば、「性別を自己決定する国」のひとつになるというレールが敷かれます。女性が安全と人権を保障されない社会になります。これは決して大げさな話ではありません。繰り返しますが、女性の安全と人権の観点からも、判断していただきたいのです。

 思い出してみてください。2023年に発覚した大阪・高石市の事件。容疑者は、「体は男だが、心は女だ」と周囲に話し、「女性に興味はない」と被害者たちを言いくるめ、継続的な性的虐待をしました。しかも被害者は弱い立場の部下であり、障害のある方も含まれていました。容疑者は性別移行手術を受けていませんし、戸籍も男性のままです。今ならばこの人物を「女性ではない」として扱えますが、戸籍の性別変更が容易になってしまい、もしもその性別変更後ともなれば、少なくとも公には、女性とみなすことを社会から求められます。

 外側から確認できない本人の自認のみが、性別の根拠とされるということになります。

つまりこの容疑者のような人物たちが容易に女性達の中に入り込み、警戒することすら問題視されるようになります。そうなれば女性が安全に生きること、人として人権を尊重されることとは、程遠い社会となります。

 このような話をすると、必ず言われるのは、「トランスジェンダーを犯罪者扱いしている」という言葉です。でも、そうではありません。その属性への法的な権利がひとたび与えられたならば、その人たちの倫理感も社会性も、善人も悪人も関係なく、その属性の人であれば誰にでも与えられることになります。「その属性の誰にでも、しかも定義があいまいなその属性の誰にでも、与えていい権利なのか」という問いが、この問題に関してはことごとく無視されているのです。

悪用の道があれば、必ず悪用はなされます。トランスジェンダーの人権のためという言葉でそれらを覆い隠したり、楽観的過ぎる見方を押し通したならば、被害として失われるのは金銭財物ではなく、人間としてとりかえしのつかないものです。

 この問題については、「トランスジェンダーの人たちを差別してはいけない」という言説が強く、そのため、いろいろな人たち、とくに女性や子供や障害のある人たちへの影響を含めて、深く討論することが妨げられてきました。

メディアの皆様には、ぜひ、新しい目でこの問題、この事態を見ていただきたいです。このたびの最高裁大法廷判決は非常に重要なものとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

⑥ 性暴力被害者の会


郡司真子です。「性暴力被害者の会」は、その名前の通り、性暴力被害者による任意団体です。性暴力被害者に冷たい司法や社会を変えることや被害者視点の法整備、性暴力二次加害を規制する法整備を目指すために運動を続けています。どこからも支援を受けずにサバイバーが自主的に集まりテーマごとに連帯し声を上げてきました。

LGBT理解増進法をめぐって、「女性と子どもの安全を守って欲しい」と声を上げ、私たちは、性暴力被害サバイバーだからこそ、「身体男性の加害に怯える女性」に寄り添ってきました。性被害の影響により、身体男性を見るのも、女性専用の空間を同じくすることに恐怖を感じる症状は、トラウマの影響、PTSDの症状として、医学的にも明らかになっています。身体男性への恐怖は、「ぼんやりした妄想」でもないし、「無知による根拠のない不安」ではありません。被害者自身が自分に向き合って自助で簡単に解決できる問題ではないのです。私たちは、性暴力被害に遭った当事者として、事実と研究成果に基づき、トラウマの追体験を強いられる差別と女性スペースで性犯罪が実際に起きていることを問題視しています。

また、性自認を自称だけで認めてしまう問題は、発達特性と性に関する問題がまだ研究が進んでいない段階でイデオロギーとして一般の人までも巻き込むことの加害性の大きさにあります。イギリス、スウェーデン、アメリカでは、発達特性と性自認の揺れに関する研究成果から、行きすぎた性自認至上主義を否定する動きが活発化しています。日本では、発達特性ある人の思春期青年期の性の違和感や性自認の揺れ、逆境環境、子ども期の性暴力被害からの性自認の揺らぎについての研究がまだ進んでいない中、性自認の自称だけに頼る性別の決定は、あまりにも不安定で危険です。

自称だけで性別を決められるようになると、性犯罪加害者のなりすましを防ぐことが困難になります。性別を気持ちや自称だけで変えることを許さないで下さい。

性暴力は、絶対に、1件でも起きてはいけないのです。セキュリティに穴をあけてはいけません。女性と子どもの安全を守って下さい。

⑦ 平等社会実現の会


織田道子です。当会は東京・強姦救援センタ―の学習部会です。

最初に、東京・強姦救援センターの紹介を致します。1983年に女性たち(半数は被害者)が始めたアジア最初の性暴力被害相談所。今年で40年を迎え、これまで15,000件以上の相談を受けてきました。(性的マイノリティの方々を含む)電話相談をメインに、産婦人科医、心療内科医、弁護士も紹介をしています。また相談員、医師、弁護士はすべて女性です。賛助会員はオールジェンダーです。

性加害のほとんどは身体的男性によるものです。性暴力被害への恐怖や不安、緊張感は女性なら誰もが持っています。女性のほとんどが一生のうちに、強姦をはじめ痴漢、盗撮、セクハラ、露出魔、リベンジポルノ、体液をかけられるなど(これは性犯罪ではなく器物損壊です)など様々な被害にあっています。

私たちの40年間の活動でも加害者はすべて身体的男性でした。性犯罪の現実から女性にとって、とりわけ性暴力被害者にとっては加害の可能性に関係なく男性の身体が恐怖の対象になってしまうのです。被害者はトラウマから、わずかでも男性を感じてしまうと恐怖で体調が悪くなる事があります。私の経験ですが、渋谷の男女参画センターで10人くらいのゲイの男性がロビーにいただけで、過呼吸で動けなくなった被害女性に付きそった事があります。

 NHKの番組(「性暴力‘私を奪われて’」2022)で、テレビの国会中継に多くの男性議員が映っているのを見ただけで寝込んでしまった被害女性がいました。女性の60%が痴漢被害の経験があり、中には電車に乗れなくなり、退学する学生もいました。これらは決して例外的な事例ではありません。

女性の恐怖心は性暴力被害によるものです。裸体の女性に恐怖を覚える人はほとんどいないのに、露出魔に女性が恐怖を持つのは、男性器が性加害の可能性を内在化しているからです。安心感を持てる男性以外には不安と恐怖が消えることはありません。

女性の恐怖心は研修や教育で解決しないものです。経産省裁判の最高裁判事や、トランス女性として成績を上げた米国の水泳選手リア・トーマスのように、「女性たちが、‘男性器をもつ女性’への理解を深めればよい」、とか「慣れればよいのだ」、という主張は、女性たちに従属を強いているだけです。(フィラデルフィア大学の女性水泳選手の性被害者は女子更衣室でのトーマスの裸体を見せられてトラウマが消えないと大学に訴えています)

 恐怖の源は日々起きている性暴力犯罪であり、根拠のあることです。単なる、無知や認識不足ではありません。たとえ一人の女性に起きた事件でも、それは女性すべてへの恐怖メッセージとなります。研修や教育、慣れで解決できるようなものではありません。性犯罪がなくならない限り女性たちの被害への不安は続きます。

 特例法から手術要件をなくすと、犯罪目的かどうか以前に性暴力の象徴が男性器のため、誰であろうと男性器を持つ人が女性専用の空間に出入りすることで恐怖や不安、トラウマが起こります。女性をないがしろにすることのない、多様な生き方を尊重してほしいと思います。

ありがとうございました。


司会 滝本太郎 

では、続いて質問ですね。声明文と、今日から始めた署名の内容は資料にある通りですので、どうぞ参考にして下さい。また、会見次第の裏側に、私の「性自認主義についての論点概要-多様性の承認とは」というレジメがあります。どうぞ参考にして下さい。なお「性自認」と言いながら、子どもへの医療的措置の問題があることはご承知のとおりです。

性自認主義についての論点概要


では質問をお願いします。

以 上

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