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性自認の法制化等についての4団体の共同声明

性自認の法制化等についての4団体の共同声明


私たちは、それぞれ市井の女性を中心とする団体、性的指向・性同一性に対する理解の増進を図る同性愛者の団体、性・恋愛・ジェンダー少数当事者と理解者の相互交流の団体、そして性自認至上主義に疑問を呈する性的少数者と支持者の会です。
私たちは、いわゆるLGBT法、「性的指向および性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」等を制定するか否か、そしてその内容の論議、一部の自治体で成立している条例や各行政部局の運用につき、性的指向等と性自認の多様性の理解が増進され尊重されるためにこそ、ここに次の通り声明を発します。        



立法や行政において、女性スペースでの女性の安心・安全という権利法益を守るための措置をされるよう、慎重な取り扱いを求めます。         
性的指向等と性自認(ジェンダー・アイデンティティ、性同一性)の多様性の理解は増進され尊重されなければなりません。
しかし、性自認が客観的指標のない「認識」によって定義され、その尊重・差別を禁止するとされる立法がなされた場合、「女性という性自認を実際にもつ人」と「女性という自認をもつと虚偽の言明をする人」の区別は困難となり、これらの人と生物学的な女性との異なった取り扱いが許されなくなる可能性があります。その結果、女性スペースにどのような男性も入り易くなってしまう蓋然性があります。
しかし、女性トイレや女湯、休養室といったいわゆる「女性スペース」は、男性スペースから隔離されることによって、女性への性暴力を防ぎ、安心と安全性を担保してきたという歴史があり、今も性犯罪のほとんどが男性によるものであることからすればその必要性は変わりません。
2015年9月の国連総会で採択されたSDGsの目標6は、「すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」であり、その6.2には、「2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う」とあります。性的指向等と性自認の多様性の理解増進と尊重を考える際には、必ず女性の人権や安全も理解が増進され、尊重されることが不可欠であることを、示しています。
したがって、「性自認」の尊重をしつつも、女性スペースにおいては女性の権利・法益を守るための措置が必要です。一部の自治体で成立している条例や各行政部局の運用においても同様です。ここに、立法や行政において、女性スペースでの女性の安心・安全という権利法益を守るための措置をされるなど、慎重な取り扱いを求めます。



いわゆる特例法(「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」)において、手術要件の撤廃はしないように求めます。             
 性自認の尊重に関する議論のなかで、性別適合手術の後に手続きを踏んで戸籍上の性別変更を可能にする特例法を、「医学モデル」と呼ばれることがあります。対して、近時、性自認のみに基づいて性別変更を可能にすることを目指す「人権モデル」と称し、手術要件の撤廃を求める声があります。
しかし特例法は、そもそも生物学的な性と性の自己意識が一致しない性別と身体違和を抱えた方が性別適合手術を望み、さらに社会生活上抱える様々な困難を解決するために戸籍上の性別を変更するための法律であり、性自認という主観的な事実により性別変更を可能とすることは、法の趣旨に反します。未成年者や諸般の事情から手術が困難な方がいることは理解しますが、この「人権モデル」なる主張は、身体違和をもつ方々に対し実に失礼であり、国民の受け入れられるものではないと考えます。
私たちは、手術要件の撤廃はしないように求め、あわせて「医学モデル」の進展として適切な医療に全面的な保険適用をされるように望みます。      


性的指向等と、性の認識とは、別の事柄として、国民的な議論のうえで法制化が審議されることを求めます。                     
性愛の対象に関わる概念である性的指向(LGB)と、自己の性別についての認識をいう性自認(T)とは、別の事柄であることは明らかです。それが格別の論議なく立法されようとしているのは、議論の不十分さを示すものです。
現在、各政党では、「LGBT」とか「LGBTQ+」などと表現され、いったい何をどう考えればいいのか、国民のみならず、議員間でも理解されていないきらいがあります。たとえば、「女性という認識をもつ男性」とは、すべて身体違和を持つ方であるとか、その性的指向が女性に向いている人はいないと誤解している人さえいます。
ここに、性的指向と性の認識とを、別の事柄として議論・審議されることを求めます。


性的指向とは、生物学的性別による性愛の傾向であるのは自明のことであり、ゲイとは「生物学的男性同士の性愛」、レズビアンとは「生物学的女性同士の性愛」です。このことを改めて周知し徹底するよう求めます。           
 現在、一部団体は、ゲイを「性自認が男性で、性的指向が同性に向く人」、レスビアンを「性自認が女性で、性的指向が同性に向く人」と定義し、そのような誤解が拡がっていますが、これは間違っています。
 性自認をゲイ等の定義に入れてしまうことにより、たとえば、性的少数者の集まりの内のレズビアンバーにつき、男性器を持つままの方が「女性と認識している」として入ろうとし、混乱する事態がすでに日本でも起きています。これでは、「同性愛の尊重」が危機に瀕します。性自認を定義に反映させることは、当事者の認識はもちろん、一般通念とも大きく異なります。
ゲイとは「生物学的男性同士の性愛」、レズビアンとは「生物学的女性同士の性愛」です。メディア、法曹界や幾つかの地方自治体等では既にこの間違った認識で記述されている例が見受けられますが、直ちに改めてください。


オープンな議論の担保を求めます。               
従来、上記の1~4のような議論を提起した者は、論理的な説明もないまま「差別主義者」「偏見扇動」「ヘイト団体」などとレッテルを貼られ、さまざまな圧力・脅迫を受けてきました。その結果として、身の危険も感じている者すらおります。このように言論を封殺することは、表現の自由・学問の自由を侵害することであり、さらに正しい政策が策定されないこととなってしまいます。
私たちは、すべての国民による自由で冷静かつ建設的な議論を求めます。
性的指向等と性自認の多様性の理解が増進され尊重されるためには、各議員・各政党にあっては改めて様々な見解が検討され、もっとも適切な判断をされるよう求めます。

2021年(令和3年)11月25日

女性スペースを守る会
― LGBT法案における『性自認』に対し慎重な議論を求める会―

一般社団法人芙桜会 代表理事:近藤聡

日本SRGМ連盟 代表:日野智貴

白百合の会 代表:森奈津子


四団体の紹介

「女性スペースを守る会― LGBT法案における『性自認』に対し慎重な議論を求める会― 」
2021年9月18日成立、その趣意書に賛同する女性を中心に集まった団体で、政党や議員への要請活動、選挙にあたっての女性スペースに関するアンケート活動、また女性スペースが大切な関連業への啓発活動などをしている。


一般社団法人芙桜会


代表は当事者のひとりとして2020年1月より活動し、法人として同年11月に発足。性的な部分で少数者とされる人々に対する理解の増進や当事者の直面する様々な課題に対し、現実主義的な立場をとり、穏健、公正な活動に徹している。例えば、同性婚については、憲法改正やフランスのPACSのような制度の導入を含め、幅広い選択肢を検討したうえで、実現すべきとの考えを持ち、性自認については、近年の外国事例に則り、Gender Self-RecognitionやGender Self-Identificationであり、Gender Identityとは異なるとの考えを持っている。


日本SRGM連盟

日本SRGM連盟は、あらゆる「性・恋愛・ジェンダー少数者(マイノリティ)」(SRGM)の当事者と理解者が相互交流を行い、共に「多様な恋愛も、恋愛しない人生も、すべて尊重される社会」の実現を目指して活動する団体。いわゆるLGBTに限定されず、アセクシャルやアロマンティックといったAスペクトラムや性自認が男性・女性のいずれか一方になるわけではないXジェンダーと言った幅広いマイノリティ同士の交流を深めている。


白百合の会

代表は数年前から性自認至上主義に疑問を呈しつづけてきた作家であり、知り合いらとともに2021年春からインターネット上での世論形成を図ってきた。この団体名を名乗ったのはこの共同声明作成にあたった。2021年11月7日。


発表記者会見 & 討論学習会


日時:2021年11月25日 午後2時~4時30分
場所:参議院議員会館 B103会議室      

次第

14:00​司会挨拶(資料確認、留意事項など
14:05​4団体の自己紹介
14:10​共同声明の発表
14:15​補足説明 女性スペースの意義 (守る会の趣意書から。 
14:20​補足説明 防波堤事務局より  (異様な状態だから防波堤に。
14:25​出席議員・秘書のご挨拶
13:35​記者・議員らからの質疑応答
14:55​挨拶
15:05​休憩
15:10​討論学習会 まず海外事例紹介、動画説明
各団体からの提起
自由討論
16:00終了見込み

★ 録画・写真は、記者や議員・秘書のみが可能です。
ただしひな檀向きのみ、一般参加者の顔は決して映らないようお願いします。
★ 会見の録画・音声等をWEBにアップ等する場合は、著作権法上、主催者に了解をとって下さい。


14:20​補足説明 防波堤事務局より

2021.11.25滝本太郎

私は、一弁護士で男ですが、女性スペースを守る会の事務局となり、所在地になっています。
私は、11月23日、時事通信ニュースで報道された「ハリー・ポッター」で知られる英作家J・K・ローリングさんに多数の殺害予告と同じように、この活動には激しい個人攻撃が加えられるので、会を作り活動するにつき危険性があるからです。

私は、当初、いわゆるLGBT法なり理解増進法は単なる理念法で女性スペースのことなどはその後に議論していくものと思い、この8月までは何ら発言しないでおりました。しかし、たまたま知ったその論者らの発言からすると、この法制定自体で、「Tの尊重・差別解消」それ自体で女性自認者が女性スペースを利用することを実質『公認』する効果を持たせる方針であると知りました。であれば、女性の権利法益と衝突するので調整が必要であるのでネット上、そう発言しました。
すると、異常な状態がみられました。
①つは、直ちに「差別だ」などと言われ、
②つは「トランス女性は女性だ、だから女性として対応せよ」などと、およそ法的論理にならない弁護士がおり、また
③つは、私のトイレ構造の課題だなどの発言に理解を示す者に対しても直ちに批判が加えられていました。カルトメンバーがする行動とも似ており実に異様でした。

ネット上、守る会の共同代表らと知合いました。8月以降、今日まで、フェミニズム学者その他の学者らと交流もしました。女子トイレの利用が「公認」されると、危うい目的の男性も入れてしまい女性スペースが危うい、レズビアンの人らが危機に瀕している、議論して決めていかなければならないことが多々あるのにできないといった心配をされていました。また、「トランスジェンダー女性」には、身体違和はないが性別違和があるという人も含まれること、性的指向が女性に向いている人も多いと知り、驚きもしました。そして、性自認の問題を含む性的少数者の方からも多数、守る会に賛同する方がおられそれら意見を知りました。

J・K・ローリングは、2020年6月7日、「月経のある人ではなくウーマン、女性という言葉を思い出して」「性別が現実でなければ同性愛はありえない。性別が現実でなければ、世界中の女性が生きている現実が消されてしまう。私はトランスの人たちを知っているし愛しているけど、性別という概念を消すことは、人生に関わる有意義な議論の機会を多くの人から奪ってしまう。真実を話すことはヘイトではない」「もう何十年もトランスの人たちに共感してきた私のような女性が、女性と同じように男性の暴力に対して弱い立場のトランスの人たちを仲間だと思ってきた私のような女性が、性別は現実のものだと考え、性別の影響を受けてきたからといって、私たちがトランスの人たちを『憎んでいる』と受け止めるなど、ナンセンスだ」「あなたがトランスだからと差別されれば、私は一緒に行進して抗議する。同時に私の人生は、自分が女性であることで形作られてきた。そう発言することはヘイトではないと思う」と発言しただけのことです。
その同氏が多数の殺害予告を受けるのは、実に異様です。

このように、欧米諸国でもまた日本でも、糾弾・時に脅迫により議論がされていない状況は、民主主義の根幹と矛盾し、誤った政策決定をしてしまうことともなります。もとより報道されないままであっていい筈もありません。日本では、守る会の今回の選挙に際しての政党・議員候補者らへのアンケート結果から分かるように、なんら議論されていないものでした。冊子の中にある私のQ&Aなども参考にして頂いて、しっかりと議論する必要があります。そうしていかなければ、性的少数者の尊重も理解も進みようがありません。

 今回、市井の女性が中心の守る会に加え、性的少数者の方々の3つの団体との共同声明が成立し、発表されました。どうぞ広く知らせて下さい。
本日は、性自認至上主義が各地の条例などで進展する中、与謝野晶子が1911年(明治44年)9月、「青踏」の創刊号に寄せた「山の動く日」にも値すると考えます。

山の動く日来る
かく云へども人われを信ぜじ
山はしばらく眠りしのみ
その昔において
山は皆火に燃えて動きしものを
されど、そは信ぜずともよし
人よ、ああ、ただこれを信ぜよ
すべて眠りし女(おなご)
今ぞ目覚めて動くなる            

以上


🟢女性スペースを守る会

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