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ウィメンズマーチ東京2024声明に抗議する

 3月8日の国際女性デーに向け「ウィメンズマーチ東京2024」声明が発表されました。ですがその内容に、女の権利や尊厳を訴える言葉がほとんどありませんでした。https://x.gd/pIwCf

 国際女性デーは女たちが、1年にたった1日、女性の地位向上・女性差別の払拭を目指す統一行動の日であるのに、異常です。

 声明は、トランスジェンダー(女性)について「攻撃が続いています。」「公衆トイレや銭湯に関することばかり」「トランスジェンダーへのヘイトスピーチを見聞きするなかで、より脆弱な立場におかれた人々への差別が無くならなければ、女性に対する差別や暴力もなくならない」と、【トランスジェンダー『女性』】については長々と言及しており、「女性差別の解消」よりもトランス女性の権利保障を優先すべき、とまで主張しています。

 そこで当会は、ウィメンズマーチ東京2024実行委員会に抗議文を送りました。以下にその本文を転載しますので、どうぞお読み下さい。

 また、昨年と今年のウィメンズマーチ東京の声明pdfも置いておきます。皆様、どうぞご参考になさってください。

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ウィメンズマーチ東京2024声明に抗議する

2024年3月5日

ウィメンズマーチ東京2024実行委員会  御中

女性スペースを守る会 
共同代表山田響子・同野神和音・同森谷みのり 


1 3月8日の国際女性デーに向け、2月25日「ウィメンズマーチ東京2024」声明が発表され、賛同団体が募集されています。

その内容に多くの女たちが驚愕しました。そこには女の権利や尊厳を訴える言葉がほとんどなかったからです。女たちが、1年にたった1日の3月8日、自分たちの権利や尊厳を訴えて歩くべきマーチ。日本でも1923年3月8日、社会主義フェミニスト団体赤瀾会が初の集会を開催した日。1945年国連憲章を経て、国際婦人年の1975年、この日が「国際婦人デー」と定められました。3月8日は、歴史的に女性の地位向上・女性差別の払拭を目指す国際的な連帯と統一行動の日なのです。

ところが、「ウィメンズマーチ東京2024」声明は、完全に「女消し」(笙野頼子氏が著作で用いた言葉です)をしてしまったのです。


2 具体的には、

①女性が不利な非正規労働におかれ、平均給与は男性に大きく劣る実態の指摘

②婚姻する際に女性が多く変更していて女性こそが求めている選択的夫婦別姓制度さえも記載がありません。これは2023年声明にはかろうじてありましたが消えています。

③ガザ地域やウクライナの事態につき憂慮を示すが、その被害者は戦闘に従事しない女性や子どもこそが多いという文脈も、

④未だ生きるために性売買を仕事と称されて搾取されている女性らに共苦し、そのような搾取をなくしていこうという文脈も、

⑤生得的女性・女児の安心安全のためにある「女性スぺース」の重要性、といった記載もありません。

生得的女性は、生得的男性と比較して、月経、妊娠、出産、授乳という負担の大きい身体機能があり、もとより体格が小さく筋力も弱いということがあり、これらを元々の原因として社会的・歴史的・文化的に不利な立場におかれてきました。しかも女が女の身体を持って生まれたというそれだけのことで、性暴力の標的にもなります。

それらをどのように打破していくか、いかに乗り越えていくか。それこそ3月8日に主張すべき本筋だったはずなのに、今回の声明では一顧だにされませんでした。


3 さらに、声明は、『トランスジェンダー(女性)について「攻撃が続いています。」「公衆

トイレや銭湯に関することばかり」「トランスジェンダーへのヘイトスピーチを見聞きするなかで、より脆弱な立場におかれた人々への差別が無くならなければ、女性に対する差別や暴力もなくならない」』と、【トランスジェンダー『女性』】について長々と言及しています。

女性スペースにおいての弱者は、体格などで性差があり身体的な男性から加害される側の生得的女性です。トランス女性は決して「より脆弱な立場」ではありません。実際、心底から女性と自認しかつ女性に加害することがない生得的男性なのか、女性装を楽しむ生得的男性なのか、更に女性トイレで盗撮や加害するタイミングを狙っている、悪意がある男性なのか判別はつきません。

声明は、「より脆弱な立場におかれた人々への差別が無くならなければ女性に対する差別や暴力もなくならない」として、「女性差別の解消」よりも、トランス女性の権利保障を優先すべきと主張しています。

声明は、特定の身体で「女性」を線引きすることは「女性としてこうあるべき」という押し付けだと言います。しかし、哺乳類である現生人類の中の雌が女性、雄が男性であって、性分化疾患の場合も女性か男性のいずれかであることは、自然科学の知見によって明らかです。声明の主張は誤っています。

声明は「振る舞い」によって線引きすることも押し付けだとします。しかし、性自認至上主義の側こそが、時代と地域で大きく異なる「振る舞い」や「女性装」をすれば「女性だ」というのですから、外見によるジェンダー規範を女に押し付けています。


4 声明は、このような性自認至上主義への疑義の声を「ヘイトスピーチ」「差別」とみなして言動を抑止しようとしてもいます。これは男性に比較し社会的弱者である女性の立場をまったく認識していないばかりか、言論の自由を抑止し、徹底した議論のうえで政策を定めていこうとすることの意義を理解していません。

ウィメンズマーチ東京2024声明は、民主主義の精神に反するまでに至りました。

私たち女は、他の差別問題が全て解決を見るまで、三つ指をついて待たなければならないのでしょうか。ウィメンズマーチは、なによりもまず「女たち」のものであるべきです。

女性の権利法益を守ろう、実質的平等を確保しようとする主張のないウィメンズマーチ2024年のデモ行進に、何の意義や価値があるというのでしょうか。参加しようとする方は声明のこのような根本的な欠陥を了解しているのでしょうか。

よって、私たち「女性スペースを守る会」は、ウィメンズマーチ東京2024声明に対し、強く抗議します。本来の3月8日「国際女性デー」の趣旨と意義に基づき、女の権利や尊厳を訴える声明への変更とデモのコールもこれらに沿ったものとするよう強く求めます。

以 上

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