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10月17日、女性スペースを守る連絡会の活動―手術要件を外すな!25日に最高裁判断が出ます―

🟣追記 当会の弁護士滝本太郎からのこのことに関するコメントです。2023.10.21

 法務省はメディアに対し、未だ性別の取り扱い変更での家事事件手続法で国の参加を予定していないとか、こちらの法務大臣権限法も4条の発言も「訴訟」に限られている。だから、性別変更などの裁判所の許可を求めるだけの、相手方がいない「非訟事件」については何もできない、とか言っている模様です。

「国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律」
第1条 国を当事者又は参加人とする訴訟については、法務大臣が、国を代表する。
第2条 法務大臣は、所部の職員でその指定するものに前条の訴訟を行わせることができる。―中略―
第4条 法務大臣は、国の利害又は公共の福祉に重大な関係のある訴訟において、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、自ら意見を述べ、又はその指定する所部の職員に意見を述べさせることができる。―中略―
第9条 調停事件その他非訟事件については、前各条の規定を準用する。この場合において、第6六条の2第2項中「訴訟に参加」とあるのは「事件の申立てを」と、「訴訟の争点」とあるのは「申立てに係る事件」と読み替えるものとする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000194

 何なんでしょうか。条文は「訴訟」となっているが、憲法判断まで必要なのだから訴訟に準じるものだとして、参加申出や法務大臣の発言をしてよい筈と考えます。第9条の条文がその趣旨と読めるではないか。「前各条」とは第1条から8条の趣旨ですよ。
 ことは「性別」というものの定義が裁判所により変更されるかどうかという大問題なんです。この法律の解釈としてあくまで出来ないということはないと思う。できないと言うならば「速やかに法律改正をするからしばらく待って」と、政治家たるもの発言すれば良いことです。判断内容への関与ではなく参加のための法改正の表明なのだから、三権分立に反しない。
過去、
① 1975年と1977年、国は超法規的措置として何人もの重罪の受刑者らを釈放し日本赤軍に引き渡した。
② 1955年3月22日から5月16日となった逮捕状が出るまでの間、麻原彰晃こと松本智津夫が出国しようとしたならば超法規的にさせないと時の村山富市内閣は決めていたということも聞く。
③ 1999年末だったか、平成11年法律第148号「特定破産法人の破産財団に属すべき財産の回復に関する特別措置法」なぞ、まあ故阿部三郎宗教法人オウム真理教破産管財人弁護士が先頭に立って、自民党あてロビイング活動をして作った法律だが、施行は1996年3月28日の破産決定から2年を過ぎていた。しかし否認権(破産前の法律行為を無効としてしまうもの)の時効は2年なんです。だが遡って時効が成立していないものということとなり、「流出したものと推定する」「知っていたものと推定する」とし否認権行使を可能としてしまった。ウルトラCで驚いたものでした。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC1000000148

今回、たかが裁判所に参加申立をすること、法務大臣が発言すること、まして法務大臣権限法を改正するから憲法判断を少し待ってと言うことを言うことなぞ、なんの問題もない。
このまま最高裁で違憲判決、違憲状態判決、またはやめれば回復していくホルモン治療で「永続的」とするようなのが出たら、法務大臣と首相に政治責任があります。

🟢10月17日、女性スペースを守る連絡会の活動―手術要件を外すな!25日に最高裁判断が出ます―

10月17日、女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会は3つの活動をしましたので、ご報告します。
―その翌日18日の夕方、最高裁が25日に決定を出すという報道が流れました―

その1 午前11時から最高裁への要請活動

 連絡会メンバー8人が、会議室で対応担当の書記官相手に、様々な要請をしました。9月26日に持参した1万5000程の署名のこと、7月20日に提出済みの要請内容のことに加え、静岡家裁浜松支部の違憲判断の問題を示した書類、当会や性同一性障害特例法を守る会の、最高裁での弁論を聞いての感想、問題点の指摘、そして、クリニックによっては15分で性同一性障害の診断がされてしまっていることを、直接の陳述書・診断書を示して説明しました。
 当会からは、女性も全ての国民も当事者であること、また性暴力被害者の会、白百合の会、No!セルフID女性の人権と安全を求める会や有志から、それぞれに裁判官にお伝え願いたい重要なポイントを申しました。
 担当者は熱心にメモしていました。資料は裁判官と調査官分の16セット渡しました。

なおこの様子は、正午以降のNHKニュースで報道されました。

その2 午後1時30分から法務省への要請行動

 同じ8人で、法務省の民事局に要請行動をしました。資料として、書類に寄せられた様々なメッセージや、15分GID診断の問題などのほか、要請の趣旨である末尾のものを、提出しました。法務大臣と当該部局用の2セットです。同じ要請書は、岸田総理と厚生労働省あてにも送りました。担当者とは、相手方がなく国も関与しないままでの違憲判断は確かにないなあ、などと話もしました。

 なおこの様子は、共同通信のこちらで配信されました。

その3 午後3時からチラシ配り

午後3時から1時間ほど、有楽町マリオン前で、チラシ配りをしました。漫画チラシをメインに、署名チラシもともにです。こちらには平等社会実現の会からも二人参加し、10人でしました。

 例えば平和問題にかかわるチラシ配りよりも、受け取りは良かったかもしれないという感じでした。急いでその場で署名をして下さる方もいました。事前に広く知らせても居ないものでしたので、妨害されることはありませんでした。

要 請 書 

2023年(令和5年)10月17日

内閣総理大臣 岸田 文雄 殿
法務大臣 小泉 龍司 殿
厚生労働大臣 武見 敬三 殿


女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会 
(女性スペースを守る会、性同一性障害特例法を守る会、平等社会実現の会、白百合の会、No!セルフID女性の人権と安全を求める会、女性の権利を守るトランスの会、性暴力被害者の会及び有志)

要請の趣旨

国は、
1 静岡家庭裁判所浜松支部が、この10月11日付、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」という。)に基づく性別の取扱いの変更申立事件(令和3年家第335号)につき、女性から男性の変更が認められた審判がしたところ、利害関係人として早急に参加を申し出て抗告をされ、審判決定後ではあるが何としても参加を認めて頂き、東京高等裁判所において、同法の中核であるいわゆる手術要件は違憲でないことを十分に主張・立証されたい。
2 最高裁判所あてに、性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件(令和2年ク第993号)につき、この9月27日弁論があったものであるが、早急に利害関係人として参加申出をされ、参加を実現させて、同法の中核であるいわゆる手術要件は違憲でないことを十分に主張・立証されたい。

要請の理由

1 当会は、9月1日付け、郵送にて要請の趣旨2項のとおりを要請した7団体と有志の連絡会である。
 その後、9月27日の最高裁大法廷では、別紙のとおりの弁論がなされ、その前日には申立人本人が最高裁大法廷の非公開の審問に出席して陳述したことが伝えられた。弁論では、「性別のあり方が尊重される権利」とは、何者にも否定されない、日常生活で否定されない、他者に求めることができる権利だと表現された。そして、原決定のように手術していないからと性別の取扱いの変更をしないとすることは、裁判所がこの権利を侵害している、裁判所が抗告人に対し社会生活上の不利益を一生背負っていけというのと同じである、と主張された。
 弁論には、手術要件を維持すべきとする考えに対する反論はほとんどなかった。相手方又は被告がおらずこれらを指摘する者がいない、そして利害関係人として国が主張、立証していないからである。

2 その結果、最高裁判所裁判官には、
①  先行する手術要件を外した国にあっては、更に身体違和がきつい性同一性障害の診断ある場合に限らず、「性自認の食い違いで法的性別を変更できる」という制度にまで進む事態になっていることが伝わっていない。
②  先行した西欧諸国では、女性スペースや女子刑務所で女性の安心安全が害され、女子トイレがなくなってきたなどの混乱が増したが、これが伝わっていない。
③  イギリスはこの混乱を直視し、2022年4月からは確実に正常化に舵を切り苦労しているところ、これが伝わっていない。
④  米国では州によって方向性が全く異なり、国内が大きく分裂してしまっていることが伝わっていない。
⑤  国際水泳連盟や世界陸連が、男性として思春期を幾分でも経験した者は女子選手権に出られないとするという制度に変更したことが伝わっていない。
⑥   手術要件を外せば、「男性器ある女性」が続々と出現し、女性スぺースでの女性らが不安と恐怖に陥ることが伝わっていない。
⑦ 「法的女性はすべて陰茎を持たない人である」というものであったのに、これが変わることで「法的女性」の信用性を失わせ、特例法で性別を変更した人が得ていた社会的信頼が失われてしまうことが伝わっていない。
⑧  女性を妊娠させ得る、「生物学的には父親の女性」が出現し得ることとなり、民法・戸籍法などの法的秩序が混乱する蓋然性があるという批判が伝わっていない。

3 更に10月11日、静岡家庭裁判所浜松支部は、特例法に基づく女性から男性への性別の取扱いの変更申立事件(令和3年家第335号)につき、生殖腺の機能を永続的に失っていること等を要件とするのは違憲であるとして、性別取り扱いの変更を認める決定を下した。報道によれば本人は現在48歳とのことであり、その卵子により「生物学的には母親となる男性」になる可能性も、子宮により「産みの母親となる男性」となる可能性も未だある。

4 しかるに、国はこれらの裁判に参加していないままである。法務省職員は、この8月30日の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」において、家事事件手続法の参加規定は国の参加を予定したものではないとか、最高裁から連絡などなく参加を検討していないなどと説明していた。ために、当連絡会が9月1日付け要請書で、更にこの9月8日には、同議連が、法務大臣と面談し家事事件手続法に基づく裁判への参加を求めた経緯である。
 しかし、国は未だ最高裁の上記裁判に参加しておらず、さらに静岡家裁浜松支部では、手術要件を違憲とする審判が出てしまったのである。
 この審判書の11頁下から4行目以降には「医療界において、安易に性同一性障害の診断がされていることをうかがわせる証拠はない」との記載があるが、申立人に対して相手方が存在しその主張立証があるという裁判でもないのだから、そのような証拠が出ていないの当然の事態であり、非常に問題がある。残念ながら1日診断さえもあることは関係者間に周知の事態であるから、国はその主張立証をしなければならなかったところであった。
 審判書の13頁以下では、世界保健機構(WHО)、国連人権高等弁務官、日本学術会議、GID学会らの状況を無批判に記載されている。申立人側の主張そのままであろう。
 家庭裁判所は、この数年間に先行した国々では女性スぺースでの事件が起きるなど大きな問題が起きていること、これを受けてイギリスが正常化に舵を切ったこと、米国では州により大きく方向性が異なり混乱していること、国際水泳連盟や世界陸連で女子スポーツ選手権の参加資格につき大きく変更したことなどを検討していないのである。国が参加していないために、上記の2に記載の主張が家庭裁判所に届いていないことを示している。
 審判書の15頁では、この6月の「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(以下「理解増進法」という。)の成立をもって、家庭裁判所の当該判断を含めて理解されていくがごとく記載している。しかし、理解増進法は「性の多様性」についての理解の増進であって、「性別が多様である」とかその理解の増進の趣旨は一切示されていない。成立した法案を企図した議員らにあって、特例法の手術要件が理解増進法の趣旨からすると抵触するかもしれないとか検討を要するといった説明も議論も一切ない。理解増進法は特例法と両立するものとして成立したのである。したがって、この家裁の考え方は、理解増進法の趣旨を誤解または歪曲しているものと言う外はない。

5 最高裁判所はもちろん、家庭裁判所がこのような状態のままに特例法の手術要件を違憲とする判断をしたままに確定してて良いはずもない。いやしくも法律、それも2003年(平成15年)当時、全会派一致で成立した法律の中核的な部分について違憲かどうかを判断するという重大問題であるのに、相手方がいないことから何らの反論もなく、国が関与しないままに判断されて良いはずもない。
 そうなれば、それは唯一の立法機関かつ国権の最高機関である国会の権威を軽視し、裁判官統治を招来し、立憲主義の根本的原則である権力分立をも脅かす。裁判所による違憲審査権の行使が人権保障に資する場合があるとしても、立法目的や目的達成手段、立法事実が対審的構造の中で吟味されなければ、対立する法的利益や権利の考慮が不十分となり違憲審査権が持つ人権保障の本来の趣旨をかえって没却しかねない。
 上記のように性別の扱いが社会へ他者の人権に与える影響を考えれば、その真剣な考慮なくして安易な判断をすることは許されない。少なくとも国は上記の要素の検討に貢献すべきである。
 このままでは、法務大臣はもとより、厚生労働大臣、岸田総理大臣の政治責任にもなろうことは当然の事理である。

 よって、ここに要請の趣旨記載のとおり、強く求める。

添 付 書 類

1 本年9月1日付 要請書 3頁 写し
2 本年9月27日付 最高裁弁論要旨 9頁 写し
3 本年10月11日付 審判書 17頁 写し     
以 上

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