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極めて重要-「エビデンス重視のジェンダー医療を」-針間克己医師の『正論』2023年7月号84p~

1 極めて重要な文章です。2003年特例法の制定にも関わり、その後1万人を超える人を診断してきた精神科医師の針間克己氏です。手術要件が違憲となった後の診断の困難さを訴え、医療対応により慎重さを求めています。どの立場・どの考えの人も読まないわけにはいかないはずです。

これをも「差別だ」「ノーディベート」などと言う「人権派の識者」がいたならば、それは自己矛盾の塊、情報の遮断を大きな特徴とするカルト思想だと言えるでしょう。

「正論なぞ読まない」と考えてきた方も、この課題では主流のマスメディアが性自認至上主義にはまり、または「差別だ」と糾弾されるのが怖くて報道しない状況ですから、この際は読むしかありません。

同号には片山さつき、山谷えり子両参議院議員と森奈津子氏との鼎談も収録されており、参考になります。


2  針間氏は、障害ではないから「人権モデル」とすべきだという日本学術会議などの論調と異なり、「主流の考えは依然として医療ベースを大事にしていこうというもので、当事者の多くもこれを支持してくれています。人権モデルよりも医療モデルが支持されている珍しい国です」と報告しています(90ページ)。

 そして、特例法について「手術要件を外すことだって当事者団体が反対したぐらいで」と、実に報道が少ないことを明確に記載しました。

 さらに、学校教育について「この問題は揺らぎがあることをしっかりと認識したほうがいい。十分に探究する時間と余裕を与える。大人が先走って誘導したり、そそのかしたりすることは一番やってはいけないことです。」と警告しています(91ページ)。

3  この問題で、WHOや日本にも影響を与えてきた「WPATH=トランスジェンダーの健康のための世界専門家協会」の経緯と流出した内部ファイルでエビデンスが軽視されたものだったとわかり信頼が大きく失われたこと、イギリスのクリニック閉鎖、「キャスレビュー」の最終報告のことも書いてあります。

活動家や論者、識者、弁護士団体さらに地方自治体、教育者など様々なところで、「人権モデル」だ、手術なくして性別変更を、子どもへの医療的措置も進めよとしてきました。これは今回、針間医師の言われたことに聞く耳を持たず、あるいは無視され、または知られないままだったからだとも思えます。「事実を視る目、見つめ続ける気力と勇気」を持たないと、とんでもない間違いをしてしまいます。


4  なお、各所へ配慮があるのか奥歯にものが挟まった言い方だと感じるところもあり、日本の医療人には問題がないような書き方には足りないところがあると感じますが、それでも日本の、この問題にかかわる精神科医師として危機感を示し、警告したものとして貴重な記事です。


5 針間医師は、2024.5.23に内閣府にある理解増進法の省庁連絡会議で説明にあたっており、そのレジュメは同日会議の報告である下記の中からPDFとして入手できます。

https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/meeting/k_5/index.html
https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/meeting/k_5/pdf/s2.pdf

また針間医師は、第25回「GID学会」研究大会(沖縄)」(2024年3月16~17日)の「一般演題13-4」で、「特定芸能人が性別違和感を抱く契機になった症候群」として、下記を報告しています。紹介しておきます。


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