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経堂こども将棋教室に行ってきた。

☆写真はほぼCANON EOS 5D Mark2での撮影です。(屋外はiPad mini)
☆もろもろの情報は2019年12月時点のものです。
☆全文無料公開ですが、課金もできます。
☆生徒さんの写真掲載は、教室の了解を得ております。

まえがき。

関東遠征2019、第2弾は経堂こども将棋教室です。
そもそもこの「行ってきたシリーズ」(マガジン名、変えようかな…)を始める時にまず行かなければと思ったのが経堂です。

「経堂」は「きょーどー」と読み、アクセントは「共同」と一緒です。

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(私、アナウンススクール通ってたんだよねー。アクセント辞典だよ)

主宰の高野秀行六段とは以前からお仕事でご一緒したときに教室運営や指導方法についてお話する機会があり、そのたびに「いつか教室を見せてください!」と言っていたのでした。

高野六段の活動への熱意や指導法の研究熱心さは棋士の中ではトップクラスです。行くしかないでしょ?

そして今回、このシリーズでは初めての、開講中の訪問です。ようやく本来のやりたかったことができると、私自身がわくわくしていました。いまはこれを書きながら、うまくまとめられるのかドキドキしています。

着くまで。

経堂こども将棋教室の最寄り駅は、小田急小田原線の経堂駅です。

JR東京駅→(中央線快速。オレンジ色)→JR新宿駅→(連絡改札口があるぞ!)→小田急新宿駅→(小田原線急行)→経堂駅

JR東京→新宿が約15分、198円。小田急新宿→経堂が約11分、189円です。
乗り換えを考慮すると約30分、387円で行けます。

今回は代々木で「最強のバターコーヒー」を買いたかったのでJR代々木で下車して小田急南新宿駅まで歩き、各駅停車で経堂まで行きました。

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経堂駅に着きました。

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経堂には快速急行が停まりません。「急行」の欄は「△」表示ですが、ほとんど停まるみたいです。
行きはいいけど、帰りは代々木上原から東京メトロ千代田線に乗り入れる電車があります。帰りはしっかり「新宿行き」に乗りましょう。

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江ノ島行きたいなぁと思いつつ、エスカレーターを降ります。

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エスカレーターを降りると、予想外に広いコンコースが。

この広さの割に、改札は1ヶ所だけです。

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改札を出ました。さあここから教室の会場である「………

おっと待ちたまえ。そこまでだ。

実は、経堂こども将棋教室は諸事情により会場名・住所が非公開です。必要がある方は直接お問い合わせください。ひとつだけヒントを出すと、「降りたら割とすぐ」です。

さ、16倍速。ちゃかちゃかちゃかちゃか…

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着きました!!

中の様子。

上の写真の通り、めちゃ広いです。約50人が同時に指せる体制になっています。

今回は13時~15時のAコース15時半~17時半のBコースを見学しましたが、内容とスケジュールは同じなので写真を混在させてお届けします。
年齢層はBコースのほうがやや上かなぁ、という程度です。

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入口近くには荷物を置く机が用意されています。この「荷物置場」の紙、ラミネートされているんですよ。

受付には生徒さんの名札と、対局カードが重ねて用意されています。名札は首からかけ、対局カードは受付に提出します。宿題と、月謝袋も一緒に出します。

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↑こちらが高野秀行六段です。床に対局カードをぶちまけて慌てているところっていうのはここだけの秘密です。

高野六段のほかに、女流棋士1人、大学生の将棋が強いお兄さん2人、事務方のスタッフさん3人の6人体制でした。

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開始時刻になると「では1巡目当てまーす!」というスタッフさんの声。いきなり対局が始まります。

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将棋が強いお兄さんおふたりは、3面指し指導対局です。
生徒さんは強い子で3級くらい。4枚~8枚落ちで指していました。

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こちら、高浜愛子女流2級。大阪市出身で、私・スワとは約15年前に関西将棋会館道場の手合係のアルバイトを一緒にしていた仲です。女流アマ名人戦でふたりとも3位だったこともあります。
経堂で講師をしているのを知らなかったので当然行くことは言ってなくて、お互いにびっくりしました!!

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こんな感じで、ずーーーーっと対局しています。1回来たら、1回は必ず講師陣の指導対局を受けられます。
かつては大盤解説も行っていたとのことですが、棋力がバラバラの子が大勢集まるようになってからは現在のスタイルに落ち着いたそうです。

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こども同士の対局は指しっぱなしではなく、高野六段がぐるぐると見て回って、マナー面の指導や、終局後のアドバイスを行っていました。

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経堂こども将棋教室の秘密兵器! 対局カードに押す駒落ちがわかるスタンプです。右の「たいけん」は、対戦相手が体験受講の子のときに対局相手欄に記入するために使います。
スタンプは水色とピンクの2種類作っていて、よく使う「平」(平手)だけわかりやすいように色を入れ替えているのが地味ながらポイント高いところです。

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対局カードはこどもも持ちやすい折りたたみ式。
勝ちは赤いライオン、負けは青色の…きりん…かな?のスタンプ。
○●じゃないので負けてもなんとなく気分が落ち込まないですね。

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ルールがあやふやな体験受講のお子さんには、高野六段が直々に指導していました。
体験受講はぼちぼちあるみたいです。

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規定の成績を挙げると、昇級します。
級位認定証は教室オリジナル。好きな色を選んで級を書いてもらうと、その場でラミネート加工して、名札に入れてもらいます。

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「僕の認定証の写真を撮って!」とやってきたお子さんがいました。
「あっ、今日上がったの?」と(必死に標準語で)聞くと、「9月!」
…って、なんでやねん!(関西弁)

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開始から1時間。むむむ。何やら準備が。

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「はい、では休憩にしまーす!」と高野六段が言うと、対局を中断して一斉に手を洗いに行きました。

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戻ってきた子から列に並びます。

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おやつ!! おやつですぞ!!
食べ物も飲み物もたくさんの中から選びます。アレルギー持ちの子も安心ですね。

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スワもいただきました! わーい!

10分くらい休憩して、おやつを食べます。休憩が終わると対局を再開します。
食べるのが遅い子は盤の横に置いて対局するのですが、ついつい食べながら指してしまう子も……。
こどもたちには2時間集中することは大変なので、おやつ以降の空気は緩めです。
おしゃべりや待ったも多少出てきますが、おとなが注意しなくても自然と「待っただよー」と言ったり、局面が煮詰まって自然としゃべる余裕がなくなったりするので、まあまあ丸く収まります。おとなが注意するよりも社会性を学べているかもしれません。

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さっきの体験受講のお子さん、後半には1手詰に挑戦できるまでになっていました。

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この日は雨でしたが、傘立てが用意されていました。

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終盤には高野六段が「まだ指導対局を受けていない子は?」と確認して回り、全員が指導対局を受けられるように配慮していました。

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さて、1時間45分くらいすると順次対局を終え、駒を片づけます。
(片づける前に初形に並べてから駒箱にしまうことで、紛失を防止していました)

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みんなが対局している間に高野六段が採点していた宿題の返却です。

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月謝袋の返却もあります。来年からは全員の月謝袋が1月始まり。この子が覗き込んでいる面には、年間スケジュールが印刷されていました。また経堂こども将棋教室の秘密兵器が増えた瞬間です。

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最後に渡すのは、昇級した子の級位認定証

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この日昇級した子は前に出て、みんなに拍手される中、新しい認定証を受け取ります。
高野六段の声はよく通るので、高々と名前を読み上げられた生徒さんはどこか誇らしげです。
写真の左手前、昇級した子たちが昇級賞の駒が描かれた消しゴムを選んでいます。

みんなおめでとう!!

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最後にあいさつをして、解散……ではなく!

宿題を高野六段から受け取ります。

このときに高野六段は、並んでいるお子さんの顔を見て、即座に適切なレベルと量の宿題を渡していきます。職人芸です。

宿題を受け取った子から帰る準備をして、退室していきます。

高野六段が「上着! スマホ! 傘!」と叫んでいました。
将棋教室の3大忘れ物ですね…。
(携帯じゃなくてスマホになったのが令和ですね)

雰囲気。

この日の受講生はAコース、Bコースとも25人程度
会員数は80人ほどで、9割が徒歩・自転車圏内だそうです。

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この日は小田急線のダイヤが乱れていて、数人いる電車組が遅れて到着していました。

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名前を呼ばれると受付に行って、対局カードを受け取ります。
全員がひとこともしゃべらないということはないのですが、騒がしいというほどでもなく、ある程度の秩序が保たれています。

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受付前に集まるのは、将棋教室あるあるですね。
これ、めっちゃ手合をつけにくいんですよね。(先生いらいらあるある)

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対局待ちの子が読む本が用意されています。高野六段の著書もありますね!

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対局を終えた子が「ひとり感想戦」をしていました。

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「対局まだかなー」

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椅子の上に正座して指す子もいました。

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高野六段は「人数が多くても、全員と1回は会話をするようにしている」そうです。先生から直接声をかけてもらうのはうれしいですね。

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指導対局では10枚落ちは行っていません。10枚落ちレベルの15級程度の子も8枚落ちで指して、取った金を使って詰ますように指導します。
他教室で行われていた指導を見て、導入したそうです。
私の教室では10枚落ちを徹底してやり込んでから8枚落ちに移るので、8枚落ちでも飛角だけに頼って攻めて、金2枚の守りに跳ね返される子が多くいました。金を取ってもらうように指すのが上手のコツだそうです。

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Bコースの終わり、日本代表が盤駒を片づけていました。

道具やおやつは高野六段がキャリーケースでがらがらと運んでいました。毎回20セットの盤駒と、数々の事務用品を運ぶのは大変そうです!

以上、経堂こども将棋教室の模様をお届けいたしました。
とにかくたくさん指せる教室で、先生が多いのがうらやましいです。

それぞれのスタッフさんの役割をしっかりと分担できており、入室して3分で「組織化された将棋教室」というパワーワードが浮かびました。
組織員…じゃなくて、先生方、スタッフさんのチームワークが抜群の教室でした。

高野六段、高浜女流2級ほか講師・スタッフの皆さん、生徒さん、親御さん、ありがとうございました!!

冒頭に「うまくまとめられるのかドキドキしています。」と書いたけど、まとまっていると言えるのだろうか……。

あとおまけ。

迷子を恐れて早く移動したら早すぎたので、経堂駅周辺をお散歩しました。
雨模様ですが、どうぞ!

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基本情報。

※2019年12月現在の情報です。詳細は直接お問い合わせください。
○名前 経堂こども将棋教室 (小1~小6対象)
○住所 東京都世田谷区 経堂駅周辺(非公表)
○TEL 090-1262-6998
○ホームページ https://blog.goo.ne.jp/nobiharu0615
○お値段 入会金5500円/月謝6600円
○時間 第1・第3土曜日 Aコース13時~15時、Bコース15時半~17時半
○女子トイレ 会場共有のトイレあり。洋式の個室が2つあります。「便座のフタを閉めること」と至るところに書いているので、閉めましょう!
フロア全体が明るく、きれいな会場でした。

取材してほしい教室・道場を募集しています。

このマガジンでは、取材してほしい教室・道場を募集しています。

【こんな教室・道場に行きます】
○棋士・女流棋士・日本将棋連盟公認将棋普及指導員・LPSA公認インストラクターが主宰している教室・道場
○自治体や公共施設が主催していて、棋士・女流棋士・日本将棋連盟公認将棋普及指導員・LPSA公認インストラクターが主たる講師として指導している教室・道場(主催者の了承を得てください)
○土日のお客様が1日20人以上いらっしゃる道場

日本将棋連盟公認将棋普及指導員について
LPSA公認インストラクターについて

つまり、指導する方が資格をお持ちでない教室や、お客様が少ない道場は取材しません。「奨励会員」「元奨励会員」は資格とは認識していませんので、ご了承ください。
上記以外の将棋教室を主宰するのにふさわしい資格・実績をお持ちの場合は考慮いたしますので、お問い合わせください。

【ご負担いただくもの】ありません!
ただし、京阪神地区(JR大阪駅起点に交通費が片道2000円以内かつ1時間以内が目安)以外は、すぐに伺えるとは限りません。
私が何かついでがあるときに伺う、皆様のほうで近隣の教室等とまとめて取材する手配をしていただくなど、ご協力ください。
交通費を出していただける場合は、優先して日程を調整します。
謝金・手土産は不要です。

【ご確認いただきたいこと】
・有料記事ですが、売り上げはnote規定の手数料等を除いて筆者(スワ)が受け取ります。
・生徒さん、お客さんの写真掲載の了解を得てください。掲載不可のお客さんがいる場合は、当日どの方かお知らせいただければ写さないようにします。
・来場者目線で、「わかりづらいところ」「困ったこと」など、ネガティブな情報も記載することがあります。
・30分程度の取材(インタビュー)にご協力ください。
・有料オプションで、当日撮影した写真をフォトブックにして差し上げます。ご希望の方は日程調整後、タイムチケットよりお申し込みください。

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