第2期目の実践講座で見えた課題と気づき:ITスクールでの受講生支援の新たなアプローチ
IT分野でのスキル向上を目指す受講生のために、今年も実践講座の2期目を開講しました。
初年度の経験を踏まえた改善を行ってきましたが、実際の講座を通じて新たに気づいた課題や発見も多く、受講生の学びを深めるためのサポートがより重要だと感じました。
この記事では、2期目で感じた受講生支援のポイントや、講師としての気づきを共有したいと思います。
1. 受講生の「質問することの難しさ」:何をどう聞けば良いかわからない
授業や課題に対して多くの受講生が理解に苦戦しながらも、「自分は何が分かっていないのか?」というポイントを掴むのが難しいように感じました。実際に質問を受けてみると「どの部分が分からないのか分からない」という声が多く、「質問のハードル」を感じる受講生が目立ちました。
そのため、初めから「分からないことリスト」を作成するよう勧め、リストをもとに講師に相談するような方法を導入しています。また、質問の仕方をガイドすることで、気軽に質問しやすくする工夫も取り入れていきたいと考えています。
2. 分からないことを抱え込む傾向
1期目と比較しても、2期目の受講生には「分からないことを抱え込む」傾向が強く見受けられました。昨年はググって調べたり、ChatGPTを活用する受講生が多かったのですが、今年は課題の解決策を探さずに時間が過ぎてしまうケースも増えている印象です。
そのため、積極的に講師側から声をかけたり、授業の中でもこまめに「困っていることがあれば遠慮なく質問する」習慣づけを進めています。初期の段階で、「質問をしやすい」心理的な安心感を醸成することが大切だと感じています。
3. 自習の習慣化の難しさ
ITスキルの向上には日々の積み重ねが欠かせませんが、実際に毎日自習の時間を確保することは難しいようです。そのため、授業の際に「自習を習慣化する」重要性を強調し、モチベーション維持のためのサポートを行っています。
例えば、「受講生同士での進捗確認」を週1回設け、自習の進捗をシェアし合う場を設けることで、自習習慣を支援しています。小さな進捗でも共有することで学習のモチベーションが保ちやすく、効果が出始めている段階です。
4. 「説明できる力」が重要
受講生が作成したプログラムを「説明する力」も、より高めていく必要性を感じています。現場で求められるスキルの一つである「説明できる力」を講座内でも重視し、アウトプットの機会を増やしています。受講生が他者に説明する練習を行うことで、理解がより深まると感じています。
講師としての気づき
今回の講座を通じて、私自身も講師としての成長を求められる場面が多くありました。
「置き換えて伝える」力の重要性
テキストをそのまま読むだけでは、受講生にとって理解しにくい場合があるため、内容を置き換えて伝える力が試されています。実務経験や身近な例を活用し、受講生がイメージしやすいように説明を工夫することで、理解が進む場面が多いことを実感しています。具体例の活用による理解の深まり
初心者にとっては、抽象的な理論よりも具体例の方が理解しやすいようです。そこで、受講生が「どのように使われるのか」をイメージしやすい事例を積極的に用いることで、学びの定着が進みやすくなりました。
まとめ:ITスクールでのサポートのあり方
実践講座の2期目を通して、受講生支援の重要性を改めて実感しました。ITスキルの習得は一朝一夕で達成できるものではありませんが、受講生が抱え込まずに成長できるようサポートを続けていくことが、講師としての私たちにとって大切な役割だと感じています。今後も、受講生が学びやすい環境づくりに取り組み、よりよいサポートを提供できるよう努めていきたいと思います。