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迷走期のBilly Joelが面白い

これは衝撃だった

ドラマーのミドリン(Soil&PimpSessions)に「Billy Joelが昔やってたAttilaってバンドを知ってる?」と教えられて初めて知った。Billy Joelはてっきり"Cold Spring Harbor"(1971)が最初のレコーディングキャリアと思っていたから、そんなキャリアがあること自体に驚いた。そして音を聴いて更に驚いた。このAttilaというグループはドラムとオルガンだけの二人組なのだ。Billy Joelはオルガンを弾きながら歌っている。早速聴いてみよう。YouTubeでならフル尺で聴ける。(配信では現状存在しません)

なんだこれ!的なエネルギーの塊。ギターレスで、たった二人でハードロックをやろうとしてるかのような楽曲のオンパレード。Billy Joelのオルガンもなかなかうまい。まぁご存知のようにピアノは上手な人だけどね。そのキャリアの前にこんなオルガン弾きながら歌うバンドをやっていたとは知らなかったなぁ・・・そして、ドラムは若干追いついてない感じがあるのは愛嬌か。そんな訳で荒削りすぎるこの作品はEPICというメジャーから出されたにも関わらず、全く売れずにこの一枚をリリースした数ヶ月後に解散となる。

そして更にはこの前にもキャリアがある。The Husslesというサイケロックとでもいうサウンドのバンドで二枚アルバムをリリースしている(1968,69年)。そのThe HustlesのドラムだったJohathan Smallと二人で独立して結成したのがこのAttilaなのだ。そのどれもこれもが売れずに、でもまたソロとして見出されてリリースしたのが"Cold Spring Harbor"1971。これまた売れない訳だけどね。つまり毎年アルバム一枚はリリースしていた訳だ。そのどれもが作風が違うところに彼の迷走っぷりがよく分かる。

そこからはファンの間には知られているように、うつ病を経て一人ピアノ弾き語り生活に戻り、その間にまた見出されてリリースしたのが有名な"Piano Man"1973って訳だ。そこからのキャリアは有名なので割愛するね。で、こうやって初期のThe Hustles、Attila、Cold Spring Harborを聴くと、Billy Joelのエネルギーの基本形が分かった気がするんだよね。楽器こそピアノに変われど、時折激しめのロック寄りな曲をしたり、プログレかのような大きな展開のある曲があるのは彼の魅力の一つだけど、この初期に凝縮されてるなぁ・・・と思う。もちろん荒削りだけどね。

中でも個人的にはやはりこのAttilaが痛く気に入ってしまった。オルガンをレズリースピーカーではなくギターアンプに繋いで演奏したと言うのも気に入ったし、この、少しツェッペリンあたりでも意識してそうな曲を二人だけでやっちゃおうとする感じが気に入っちゃった。そして、、、日本でもちょいちょいレコードは探してたんだが全く見当たらないので、困ったときのDiscogs。今回はヨーロッパ盤を購入しちゃいました。

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見ての通り左がBilly Joel、21歳ぐらいかな

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ラベルもサービスしておきますw

当たり前だけど、どんなレジェンドにも迷走期はある。名盤や有名曲だけを聴くのは俺的には勿体無い。そのアーティストのことが好きになったのなら、伝記を読んでみるなり、こうした初期キャリアまで振り返ってみると、すでに知っていた名曲がまた違う響きとなって身体に染み込んでくるもんなんです。これだからレコード掘りはやめられませんねぇ・・・

あ、俺ですか?
俺はいつでも迷走期でございます
まだ代表曲っつうのもないしね(笑)

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