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R.I.P.「ヘタウマ」な歌姫たち

6月5日にAstrud Gilbertoが83歳で
7月16日にJane Birkinが76歳で召されていきました

彼女たちに共通するのは「ヘタウマ」
なんならJane Birkinは「ヘタ」でいいかもしれない
まだギリ健在なBrigitte Bardot(ブリジットバルドー)ももちろん「ヘタ」部類

個人的にはいずれも大好きな方々なんだけど、彼女たちが残したものはなんだろう?

二人ともに共通するのは

「元々歌手を目指していた訳ではなく
パートナーがきっかけで歌うことになったこと」

Astrud GilbertoはJoan Gilbertoのレコーディングに奥さんとしてついていった。Jane BirkinもSerge Gainsbourgの彼女〜奥さんとして歌のキャリアが始まった。そして二人とも美人で、声はキュートだった。

全く歌の訓練をしてなくても歌手として大成してしまったという最初の方々とも言える。60年代当時はアイドル的な人ですらも歌の訓練をした方々がほとんどだったと思うので、ある種、現代版のアイドルの先駆けな存在だったとも言えるのかもしれない。

ただ
Astrud Gilbertoはボサノバの女王として
Jane Birkinはそもそも女優が本業で、
、、、とある種の芸術性を軽くにせよ身にまとっていたのでアイドルとは呼ばれないけれど、その実はアイドル的な存在だったとも言えるのかもしれない。

二人とも、上手くはないものの、絶妙に音程が当たるか当たらないかのところを歌うのが心地よいし、何より素敵な倍音を持った声であるのは間違いない。そして年老いても素敵な佇まいは変わらず、その総合力で魅力を維持された方々ではあった。

技術を磨いた果てにたどり着く境地とはまた別のアーティストとしての佇まいを作り出した、という意味においては現代につながる新しいアーティスト像を開拓したと言えるのかもしれない。

でも一方で「売れたもの勝ち」的な意味において、音楽界のリテラシーを下げる役割も担ってしまったとも言えるのかもしれない。可愛い子に可愛い格好させて歌わせれば売れるというビジネスモデルを作ったという意味においてね。

そんなこんなで、諸手を挙げて評価こそできないものの、ギリギリのバランスで緊張感と癒しの同居する彼女たちの作品は、これからも聴かれていくものではあるだろう。

少なくとも俺は彼女たちの
ゴージャスな音に包まれた無垢な歌
この緊張感と癒しのバランスは好きでした

二人ともお疲れ様でしたw

R.I.P. Astrud Gilberto, Jane Birkin


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