R.I.P. Angela Bofillなんですが、、、
6/13にジャズ〜ブラコン系なシンガーとしてそこそこ知られていたAngela Bofillが亡くなりました。享年70歳。お疲れ様です。
、、、なんですが、申し訳ないですが、そもそも個人的には彼女はさほど好きなシンガーではありませんでした。1st Album"Angie"(1978)は #フリーソウル きっかけもあり持ってましたが、その後のブラコン系作品はあまり響かず、あの当時よくいた、ジャズ〜フュージョン畑出身のブラコンでもそこそこリリースできるぐらいの売れ方をした方、ぐらいの認識でした。
そもそも持っている"Angie"もサウンドは好きだけど、なんか歌が浮いていて好きではないんですよねぇ。
例えばフリーソウルコンピにも入ってた"Baby,I Need Your Love"、サウンドは最高だし(ドラムに #SteveGadd だしエレピは #DaveGrusin だし)曲もいいんだけど(しかも彼女作だし)、でもなんか歌が浮いてるでしょ?このアルバム収録でシングルでもそこそこヒットした"This Time I'll Be Sweeter"も断然同時期の #LindaLewis バージョンの方が好きだし。
という印象だったんですが、なんとなくキャリアを調べ直したり、日本盤の解説を読んでいると、初期キャリアが Ricardo Marrero & The Groupとあるではないか。そのグループはサルサ〜ラテンソウルと言ったグループでアルバム2枚持ってるし、いずれも名盤とされているもので、俺も大好きな作品。そして彼女自身キューバ〜プエルトリコ系の人だとある。そして彼女が歌っているこちらを聴き直した。
えーーこのレアグルーヴで有名なこの曲の歌は若き彼女だったのか!!このラテン調だとなんとしっくり来る歌だろう!!このアルバムの"And We'll Make Love"もボッサ調でかなりしっくり来る歌。
「そっか、こっちの人だったんだ!」
そして得意の妄想をする。
「こっち(ラテン)の人だったんだが1976年あたりはもう時代が一気にクロスオーバー〜ディスコに向かう頃。彼女も一旗あげたいと思った時に紹介されたのがGRP~AristaレーベルだったからあのようなUrbanな作風でデビューし、そこを突き進んだのか!」と。
そしてもう一枚のこちらのアルバムを取り出す。
そしてクレジットを見て驚く。この頃は既にソロデビューに向けてグループを辞めていた頃なはずだけど、驚くべきところにクレジットが載っていた。
そう、このアルバムに収録されている"Feel Like Making Love"は個人的に最も好きなカバーバージョンなんだけど、そのアレンジがなんと彼女だと記されてるではないか!察するに、彼女アレンジのこのバージョンでライブなどは既にやっていたが、レコーディングする頃には彼女はグループを離れていたので、レコーディングはNancy O'neilという女性が歌っているが、クレジットだけは残されたんだろう。聴いてみてください。
この、3:00あたりからコード進行が変わって、原曲にはない部分が始まる、ここが実にいいのだ。これがAngela Bofillのアレンジだったとは!!
ついでに言うと彼女の本名がAngela BofillなんだけどここではAngie Bofilとなっている、Angieはニックネームなんだろう。そして翌1978年のソロデビュー作はニックネームのAngieがアルバムタイトルになっている、その系譜が分かるクレジットでもありますね。
いろんなキャリアを積むって素敵なことだ。もちろん最初から売れてそのまま突き通すような人も稀にはいるが、本人的にはそれが望ましいことかもしれないが、こうして試行錯誤しながらもキャリアを積むことを辞めなかった人は、「きっと何かが面白いはず」「ライブが良かったのかな?」などと思って調べると、自分にフィットする時期があったりするのだ。
オリジナルアルバムとしては遺作となったと思しき"Love In Slow Motion"(1996)などを聴き直すと、 #AnitaBaker を意識したようなオリジナル曲があったりする。これなどは40代になって丸くなった声で歌っているが故か、ちょうど気持ちいいUrbanミュージックになっている。
たくさんのキャリア、お疲れ様でした。
R.I.P. Angela Bofill
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