HSL#14_on progress9
さて制作から13週目、ようやく全体に色がつきました。
これまでピンクで描いていた少女のワンピースはブルーにしました。
”受胎告知”をベースにしようとしているので、マリアの衣装であるピンクのドレスとブルーのケープにしようかとも思いましたが、シンプルにブルー一色に。
少女から大人へ階段を一つ上がったような印象に(作家的には)なりました。
左側の少年は19世紀のアイルランドの貧民層ストリートチルドレンを何となくモデルにしています。
基本的な舞台設定を19世紀アイルランドに設定しているからです。(主人公たちは50年代〜現代の服装)
アイルランドは永年イングランドの侵略を受け続け、それに抵抗し続けた歴史でもあります。過酷な民族の歴史のなか、アイルランドの人たちは世界一ボランティア活動をする国民と言われるそうですが、そういうお国柄と私の思い描く物語のイメージに合いました。
そしてボロ服をまとった身体は切れ切れになっています。
これは身体のデータ化、バーチャル化みたいな空想を基に描いたもので、VRほか様々なものが非物体化バーチャル化していくイメージを視覚化しようとしています。
切れ切れになり非物体化した肉体と実体の肉体、そのチグハグ感を視覚化しています。
もしも仮に人類が本当に肉体を非物質化=データ化するとしても、身体が切れ切れになるなんてことは起こりえませんが、誇張的、比喩的に描いています。
そしてそんな切れ切れの身体を持つのは貧困層だろうと空想しました。つまり、貧困層に対して上層階級の市民も存在しています。それはまだ描いていませんが、貧困層の暮らす大地の頭上高くに空中都市を築いて暮らしています。
この画面奥の大きな建造物はバベルの塔的存在で、これが上層世界につながる軌道エレベータになってる設定です。
*起動エレベータ↓
実現するのか知りませんが、物語ではこの起動エレベータが地上と空中都市を結んでいます。
話が逸れますが、一度頓挫して今や民間事業が目指している宇宙、実際に難しいのは”重さ”なんじゃないかと私は邪推していて、身体が非物質化した上層世界(富裕層)は宇宙に飛び出せるという発想をしています。まあ空想物語ですから。
さて制作に話を戻します。
大方、着色できたとはいえ完成にはまだ遠く、ここからが仕上げです。
以前は朝から晩まで描き続けて二ヶ月ほどで制作していましたが、今は一日2、3時間程度にしています。
他にやらなければいけない家事があったりケアがあったりで必然的に時間は限られますが、それよりも腕が痛くて長時間描けません。
あと、単調作業でよく眠くなります。睡魔との闘いもあったりします。集中力が足りないのでしょうか?
ともかく、この先はルーペがないと描けません。
実は人物描写の段階から使っていますルーペ↓
使っていてとくに不満はないけど、そういえばこれ以外試したことありません。
こんな感じで視界広く、ライト付きいいかもですね。↓
ルーペを使って、紙の細かい凹凸にも色をなるべく均一に塗り込んでいきます。
均一ではありますが、気持ちとしてはホイップクリームの粒子のように泡泡しい表情になるといなと思っていますが、そのまま泡泡しくはしなくなりました。(以前はしていた)
しなくなった理由は実際に泡泡しくするよりも”そう見える”均一さの方が迫力が増すと気づいたからです。
とはいえ実際はどうでしょう?
迫力感が出ていればいいのですが。。
この作業、難しさはあまりありませんがなかなか遅々として進みません。
さああと何週かかるでしょうか??
できれば4月中に描けたらいいな。
また来週!
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