HSL日誌

5月23日木曜日曇り


身体の不自由な少年についての続き

昨日考えた少年のイメージが進んだのでそれを踏まえつつ
一度筋書きを整理します


シーン20
”新世界”の無人のゴシック建築群の中にPLUTOとQは辿り着きます
その建築は全て”人間(神)”の姿のレリーフ彫刻で覆われていて
そのレリーフたちは皆天使の姿をしています
けれどその中に一人だけ身体の不自由な天使が紛れていました

シーン21
PLUTOはその少年を見つけ手を差し伸べます
すると少年はレリーフの姿から実存の身体になって壁からこぼれ落ちました
レリーフの中では不自由だった少年の身体は落ちる間に完治します
そしてQは落ちてくる少年を受け止めようとしています

シーン22
少年がこぼれ落ちるのを見た他のレリーフ天使たちは
それに呼応するように次々と実存化してレリーフの壁からこぼれ落ちていきます
それは実存化した天国のように華やかで賑やかな渦になります
けれど陰でPLUTOは苦しみ始め、もがいて触れた指先のレリーフが実存化します
少年を受け止めていたQはPLUTOの異変に遅れて気づきます

シーン23
PLUTOが苦しみながら触れた天使は堕天使となり新しい渦を作り始めます
それはすぐに天使の渦に匹敵するほどに大きくなっていきます
PLUTOはその渦に巻き込まれていき、Qは少年を守るので精一杯
やがて二重の渦は破綻して、天使と堕天使の戦いが繰り広げられます

シーン24
戦いは堕天使の勝利
世界は破綻し始めます
空は暗転、堕天使は異形の姿に
あるいは崩れ落ちたり消えてなくなったり
PLUTOもその破綻に巻き込まれて変化し始めます
Qはレリーフの少年を守って逃走

シーン25
場面は変わり、PLUTOとQを追ってきたRABBITSクルーもCITYに到着
けれど遠くで何やら不穏な様子
それはPLUTOたちのいる場所からCITY全体へ破綻が波及し始めている様子でした
そしてQとレリーフの少年に合流、ことの次第を理解します
PLUTOの身体は渦の中で膨張し拡散し始め、CITYに飲み込まれようとしています

シーン26
場面はさらに変わり、CITYの球体とそこに迫る飛行物体
眼下には地球の地表が見えます
助っ人エンジニアの操縦するその飛行物体にはJTが乗っていて
CITYが破綻していくのを空から目撃しています
PLUTOの姿を見つけたJTはエンジニアに指示してCITYに近づきます
RABBITSクルーもPLUTOの方へ向かっていますが障害に手間取っている様子
スケルトンな球体のCITYの様子は外から透けて見えます


以上
シーン20から26まで

この間、メインに取り上げたいのはレリーフの少年、PLUTO、Qの三人です

ここで一度
各人物のイメージを掘り下げたいと思います



レリーフの少年(身体の不自由な少年)

レリーフの少年(身体の不自由な少年)は
実存化し身体も完治しますが幼い守られるべき存在として守られる一方です
けれど破綻の一端に関わっているし回復の一端にも関わる存在としてイメージしたいです

か弱い無垢な少年は天使的な存在に思えますが
この少年こそがCITYの新人類(の代表?)でPLUTOを連行したのも彼です
けれど少年はそのことに無自覚です それは二重人格的なことではなく
集合意識的なものの末端意識でしかないという感じです
(あまりきちんと説明できてしまうとダメな気がするのでざっくりイメージ)

ともかく少年はどこまでも無垢に無自覚にCITYの破綻を誘導しています

設定では、CITYの人間(新人類)は実存化した身体を持ちません
すでに”人類は光になった”とも言えますが実はまだ真に解脱できてはいませんが

実存化した身体がない新人類を描くことは不可能ですので描きません
だからCITYはどこまで行っても人っ子一人いない無人世界で
人間(神)レリーフのゴシック建築群のみの世界です(他の動植物もレリーフ化)

でもまったく描かないと存在していないことにもなってしまうので
少年は新人類の象徴、アイコンとして登場させたいと思います
少年=新人類で、一個体であって全体であるという存在と設定したいと思います(この辺の理屈もひとまずそうだとだけしておきます)

それらを踏まえて
ではなぜ新人類は自らCITYの破綻を誘導するかというと。。
これも今はあえて考えないことにします




PLUTO

そしてPLUTOももちろん重要な存在ですが
”破綻”をどうにかできる存在ではない気がします

とにかく原因不明の変調をきたして苦しみます

それをJTが救ってくれる設定をイメージしています

JTはもともと
PLUTOの起動装置であるりんごを売り捌いて得たお金と
そのりんごのデータのおかげで頭部の手術ができたので
何らかの”縁”は空想できそうな設定になってます

手術のようす(もともと頭部上部が欠損してた)


JTがPLUTOを救うと言っても
どんなふうにJTはPLUTOを癒すのか考えがまとまりませんが
「ただ顔を合わせるだけで変化が起こる」くらいがいい気がします

”縁”もどんな縁か具体的にはわかりませんが、とにかく関係あるとして
けれどそれだけでもない関係性も発生しつつ

とにかく結局は
人と人の触れ合いから自然に起こるはずの
ごく素朴なポジティブな状態を描いてみたいです

現実世界で人は誰でもポジティブにもネガティブにもなりますが
さまざまな表情やドラマを描くのがこの鉛筆画シリーズでの私の目標です
日常にも溢れる人間の内面やその顕れを”少々”過剰めに描きたい目論みです


PLUTOは
人間の身体に意識を向ける意図で身体を誇張=巨大化させて描いていますが
普通の人と変わりありません
象徴として背中(脊髄)に眼球がついていますが、機能は”よく見る”ことです
あとは少し繊細かもしれないけど普通のティーンネイジャーです
ただ”造られて”間もないので赤ん坊のようなところはあります


このPLUTOというキャラクターはこれまでも描いてきました

plt-o001 Pluto in the scape_pool 455×380mm oil on canvas 2015


plt-o014 Pluto in the scape_beach 1,000×1,000mm oil on canvas 2016


plt-o024 Pluto in the scape_summer drive 1,000×1,000mm oil on canvas 2017


plt-o027 Pluto in the scape_to the beach 727×606mm oil on canvas 2017


plt-d005 Pluto_drawing 200×198mm water color on paper 2016


plt-d015 Pluto_drawing 200×198mm water color on paper 2016


などなど

PLUTOは巨人ではなくただの角の生えた少年で
(あるいはその他、少女でも家でも車でもよくて)
それは誰の中にもいるわんぱくな自分の心象です

油彩シリーズでは主に”PLUTOのいる風景”を描きましたが
その風景はPLUTOの心象風景です
”自分の心象風景に紛れ込んだPLUTO”といった絵です

上の三枚目の画像ではPLUTOは車に乗っており(描いておらず)
四枚目ではPLUTOが見ている風景という絵です

つまり私のイメージするPLUTOは
誰でもない人間そのものの内面を描くためのキャラクターでもあります

そうすると
巨人PLUTOは身体性と内面性の双方に意識を向けたキャラクター
ということになるのかもしれません

ともかく
PLUTOの心象をざっくり再確認してみたとして話を進めましょう




Q(Curiosity Killed The Cat)

次はQです

QはCuriosity Killed The Catの略です(そういう名前)
(Cやん!なのですが実際発声するとQの方がイメージ近いやん。です)

その名の通りどこにでも首を突っ込む正直なキャラクターです(赤パン)↓

こう見えて?運動神経も特別いいわけではないし言うこともアテになりませんが
RABBITSの”ハート”担当のような太陽キャラです
結局いつもQの行動にみんな引っ張られるし迷惑でもあるけど
そうしてよかったと皆があとで思えるような方向へ仲間を導きます


PLUTOにしがみつき気づいたらCITYに到達したQ
成り行きでレリーフの少年を保護する役回りになります

Qは独力で何かを成し遂げるタイプの人間ではなく
ここでも仲介役のような触媒のような役回りをイメージしています

ちょっと坂本龍馬みたいなキャラクターかもしれませんね
(ちなみにQも死ぬ予定です JTも一緒です)

CITYに来てからは少年とPLUTOを仲介(通訳?)するような役回りでしょうか



以上3キャラクターを踏まえて
シーン20から26までスケッチしたいと思います

続きはまた明日です

ここから先は

0字
ご購読いただくと、その購入額をポイントに換算し、等価の発表作品と交換していただけます。 たとえば一年間の購読で、定価6,000円の作品が手に入ります。

THE SKYSCRAPER

¥500 / 月 初月無料

”火事の家”をモチーフにしたシリーズ作品とその制作ノートを発表します。 作品画像は一日一点、ノートは週一度のペースを想定していますが、不定…

よろしければご支援よろしくお願いいたします。 購入金はポイントとして換算させていただき、作品と交換していただけます。