事故の無い街づくりか、事故を起こさない社会づくりか

八街市の飲酒運転事故は記憶に新しい。この事故を受けて、国も安全運転管理者設置事業所に対して運転前の飲酒チェックを義務付けることとなった。
この記事を読んで覚えた、導入部分の違和感(街づくりが悪いの?)を整理したい。

道路整備など街づくりに関する法律(都市計画法)の内容は?

都市計画法は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための法律です。開発許可制度は、都市計画法により定められた制度で、民間の開発行為を適切に誘導して、乱開発を防止し、暮らしやすい街づくりを図ろうとするものです。

くらいしやすい街づくりとは?

開発行為に対して、許可申請が必要なのは以下の理由が考えられます。

  • 開発行為によって、周辺の景観や地形が損なわれる可能性があるため。

  • 開発行為によって、周辺の水文や地質が変化し、地すべりや浸水などの災害リスクが高まる可能性があるため。

  • 開発行為によって、公共施設の整備や市街地開発事業に支障をきたす可能性があるため。

暮らしやすい街づくりとは、住民の安全や快適さを確保するとともに、自然環境や歴史的景観を保全することを目指すものです。これらの目的に反する場合があるため、都道府県知事等の許可が必要とされていると考えられます。

今回の飲酒運転の事故の内容

  • 令和3年6月28日、八街市内で下校途中の児童5人が歩道を歩いていたところ、飲酒運転のトラックにはねられました。その結果、2人が死亡し、3人が重傷を負いました。

  • トラックを運転していた男性は、事故前に焼酎220mlを飲んでおり、アルコール検知器で0.25mg/L(基準値0.15mg/L)を超える数値が検出されました。男性は自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪で起訴され、令和4年1月11日に懲役14年の判決を受けました。

  • この事故を受けて、千葉県では飲酒運転の根絶を実現するための条例を改正し、令和4年1月20日に成立しました。この条例では、飲酒運転や同乗者への注意義務などに関する規定や罰則が強化されています。

結局のところ街づくりが悪いのか?

被害が拡大した原因として、道路の狭さやガードレールの不備を上げることもできるでしょう。
しかしながら、この道路は幅員6mもあるしっかりした道路です。また、幹線道路からの抜け道として利用されていた道路で、事故を起こしたドライバーも時速60km以上のスピードで走っていたようです。
閑静な住宅街に似合わないような幅員の道路と、ガードレールに守られた歩道。その周りに立ち並ぶ道路に追いやられた狭小住宅・・・これでは暮らしやすい街づくりといった法律の趣旨とは反してしまいます。
つまり、現行の法制度ではこのぐらいの環境整備が限界なのではないでしょうか?

事故の無い街づくりか?事故を起こさない社会づくりか?

どちらも大切だと思いますが、事故を起こさない社会づくりの方が優先されるべきだと思います。
事故の無い街づくりは、道路や交通機関の整備や改善によって事故の発生や被害を減らすことができますが、それだけでは十分ではありません。事故を起こさない社会づくりは、飲酒運転や違反行為などの原因を根本的に解決することができます。
人々の意識や行動を変えることは難しいかもしれませんが、法律や教育や啓発などの手段を用いて、安全で快適な社会を目指すことができます。
我々は社会を組織して生きていますので、ルールから外れる人が出ない社会づくりを目指したいものです。

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