【Part15】哀、一糸綱人戦記

今回は1ヶ月も進みません。
二代目当主勝宗くんの死を悼み、振り返り、当主を継ぎ三代目となる遊くんに思いをはぜる回です。
当主就任回はその世代のまとめ的なものになるので分けることにしました。大切な回だからね。

【ゲーム内イベント】
1020年4月 勝宗逝去
                   遊様3代目当主就任、
                   初代当主芳名 「綱人」を継ぐ


1020年4月


明夢ちゃんが交神から帰ってきたのを見届けて、勝宗くんが倒れました。
ハア…

三代目として当主を引き継ぐ方はもう決まっています。

遊くん。勝宗くんの息子です。
最初は長子相続制を続けるか迷ったのですが、世代の初めとなる勝ラインの子を当主とし続けるのが分かりやすく良さそうなので続けていきます。

まだ元服してないけど、どうか勝宗くん…そして綱人様の意志を繋いで欲しい。
きっと頼れる当主様になってくれるでしょう。
どうか、よろしくお願い致します。

ハア…………

初代当主綱人様の第二子として水母ノくらら様の間に生まれ、同じ薙刀士の姉の結ちゃんと共に綱人様の背中を追っていました。
初代は最短寿命ゆえに0歳4ヶ月というまだまだ幼い年齢で長男として当主に就任し、一族を担う存在として綱人の名を継ぐ決意をしてくれたね。

就任当初はまだ未熟で、采配の失敗や運の無さで弟と喧嘩させてしまったね。その件では本当に申し訳なかった。

まだまだ序盤で進めるとこが少なくても、考えるのみでなく中ボス戦や選考試合など様々なことにチャレンジしてくれました。
その中で段々と当主としての実力も育ち、結ちゃんが亡くなってからは最年長としても家族を率い、弟妹より遅れて手に入れた風の属性武器「かまいたち」では高い技風を活かして敵を力強く薙ぎ払ってくれる頼もしい当主として活躍してくれました。

陽炎ノ由良様と交神し、由良様の強い火と勝宗くんの優しい水を継いだ息子の遊くんも生まれました。
大江山にも向かい、自分たちの力不足を学びながらもダンジョンの情報を掴んで次の世代へと繋げてくれたね。

遊くんが出陣可能になってまだすぐなのに健康度が下がり、選考試合を最後に出陣してくれました。かまいたちの一閃で雑魚を斬り伏せ、先へ進む家族たちの行く道を切り開いてくれたとても強くかっこいい当主様だった。
最後の留守番、穏やかな1ヶ月を過ごしてくれていたかな…



声色に、優しさが滲み出てるんですよ…

この留守番の1ヶ月、命の危険もなく考えすぎることもなく、家族で穏やかに過ごすことが出来たんだろうな。
イツ花の作る暖かなご飯を食べて、親子や家族でのんびり仕事をしたり花見に行ったり。なんでもない日常の幸せのまま眠りにつきました。
勝宗くん、本当に家族の中でだんとつ一番心水が高くて穏やかだった。良い子だったんだよ本当に…
口はちょっと悪いけど、お昼の穏やかで優しい春風を感じる遺言でした。ありがとう、ゆっくり眠ってね。お疲れ様でした。




これからは遊くんが当主です。
この1ヶ月のような平和な安らぎを守るため、憎き朱点童子の首に手をかけるため、険しくも先を見据えていく日々が始まります。
本格的にダンジョン攻略を進めていかなきゃね。

遊くんは顔グラと趣味のほわほわさからか、ぼんやりしてあまり感情を顔に出さなさそうな印象があります。でもバーンとォ!!してるらしいし、するりと雰囲気や行動に出るんだろうな。
そんな彼でも父の死には涙を流して辛そうにしているだろうな…だってまだ4ヶ月しか一緒に過ごしてないのに。
勝宗くんも同じ0歳4ヶ月で当主就任して、自分から芳名を継ぐと言い出したりいっぱい考えて決めた責任感強い子だったけど、3代目の遊くんからは当主就任は家系で決まるんだよね。生まれた瞬間から次の当主だとほぼ決められてるから自分でなりたいと、定まりたいと思ったわけではないと思うんだけど。彼に託します。その重圧もあるだろうな…
父の手を離れて当主として皆を率いていかなくてはいけません。でも、上の家族も下の弟もいるから支えられながら前に進めるといいな。
まだまだこれからだからね。


当主は遊くんに譲られ、最年長の座は束冴君に移りました。
かつては手間のかかる弟だったのに、妹弟そして息子が生まれるうちに段々と頼れる兄ちゃん、そして親として育っていく姿を見ると感慨深いものがあります。それでも勝宗くんには弟として慕っていられただろうにな…
もう綱人様の生きた姿を生で見て知っているのは束冴君だけだね…寂しい…
残されて最年長となった苦しみや苦労を、姉や兄が感じていた思いを実感してぐ…と堪えていそう。でも葬儀の後は一回も泣かなそうだね。掴斗君に優しい目でいつかの日々を語る時、寂しそうに笑うのみだろうな。


明夢ちゃんが交神から帰ってすぐの逝去でした。最後の1ヶ月で鳳あすか様の元で過ごしている間、半分身が入り切らなかっただろうな…
亡くなってもう二度と会えないことに一番大声で泣きそうなのは明夢ちゃん。もう甘えられないね。分け合って食べていた骨せんべいももう1人で食べるんだろうな…半分は律儀にお墓に供えてくれそう。大泣きして大泣きして、次の日には涙で腫れまくった目をキッと見据えて朱点打倒へ切り替えてそう。
次に娘が来て、勝宗世代は皆親になります。一人一人死が近付いてきています。もう次の世代、遊くんの世代になるんだねえ………ハア… 

掴斗君がしっかりと勝宗くんと接したのは最後の1ヶ月が最初で最後です。訓練の間に兄も含め一緒に過ごして、優しい親戚のおじさんみたいな感覚でいたんだろうな…
まだ0歳1ヶ月の幼い情緒で家族が亡くなる経験をして、当初すぐはまだうまく呑み込めていないけど周りが泣いているからと哀しい気持ちになっていそう。勝宗くんの優しさ偉大さに気付くのはもう少し成長してからかな。


ハア…

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