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【BLBスタンダード】カワウソデッキの可能性を探る【イゼットカワウソコントロール】

こんにちは。さわさわです。
赤いデッキが好きで過去にも色々書いております。

先に言っておきますが、今回の記事は強いデッキの紹介ではありません。
BLBスタンでカワウソデッキをあれこれ試したことの備忘録的な記事になります。
結論としては、めちゃくちゃ強いデッキを作るのは大変そう!
ただしtier2~2.5って感じで環境に名を連ねるポテンシャルは感じるというところまで仕上がりました(ゴルガリミッドとボロストークンには6:4程度つきそうな為)
まずは試したデッキ達をさらっとご紹介してから本命を説明させていただきます。
さっさと結論リストだけ見せろという方は、目次から”(現段階で)強いと思っているリスト”へ飛んでください。

初稿 2024/8/21(BLB発売から2週間強が経過)
追記 20248/22 強いと思ってるリストに対ゴルガリの戦い方について追記


BLB発売前

かの偉大な先生は言った。
「同じ能力を持つカードが8枚あればコンセプトになる」
これは私がデッキを組む時にも軸にしている大事な名言です。
※伊藤敦先生(@matsugan)のだらクソ面白いので読んでね

つまりBLB環境はカワウソアグロが覇権を取るはず!

圧倒的コンセプトぢから

というわけで、発売直後、まずはアグロを組みました

・アグロ

100人いたら100人思いつくアグロ
ぐっばい《探索するドルイド》

色マナ窮屈すぎワロタ
青赤均等2色t緑という形にならざるをえず、環境初期はアグロ殺しのゴルガリミッドとオルゾフミッドが多かったことを考慮しなくても(なんか気持ちよくないな…)というのが正直な感想でした。
色問題の他にも、
①地上は止まりやすく、回避能力が欲しい(1/1というスタッツが貧弱)
②生物+強化呪文は色的にも能力的にもハツカネズミ軸が上
 (雄姿>果敢、ハツカネズミとグルール果敢はほぼ赤単)
③果敢+ドロソ連打はアグロがやっても強くない
 (アグロはテンポ差で勝つが、ドロソはテンポをカードに変換する行為なので矛盾している)
④≪一時的封鎖≫と≪跳ねる春、ベーザ≫と≪太陽降下≫の全てが激痛、カウンターしたいが果敢アグロとの相性が悪く、環境には≪呪文貫き≫のような1マナカウンターが実質存在していないのでテンポ勝ちも難しい
⑤青赤2色も試したが、色問題含め課題はそのままでメリット感じず
→アグロはとりあえずボツ

・召集(covoke)

洪水呼びってカード弱いと思ってた

かのMisplacedginger氏が8/2のチャレンジで3-3の19位、その後jakobpablo氏がリーグ5-0したことで流れてきたリストをちょっといじったもの。
≪渓間の洪水呼び≫がいる状態でクリーチャーでない呪文を唱えるとカワウソや鳥がアンタップするため、≪精神の交錯≫と≪かき立てる炎≫という2種の召集呪文をあたかもフリースペルのように使って連打し、屈伸運動でビルドアップしたカワウソ達でワンショットすることを狙ったデッキ。

果敢持ちは1回で+2/+2なのですぐでかくなる


goldfishではイゼットコントロールに分類されており、使ってみるとその通りだと思える。序~中盤は除去やカウンターで耐えながらカワウソをちょこちょこ出していく。何も知らない相手から見ると果敢のカワウソがアグロっぽい雰囲気を出しているので序盤から丁寧に除去されるのだが、このデッキの肝は≪渓間の洪水呼び≫と≪轟く機知、ラル≫という2種のフィニッシャーなので問題にならない。ただし、その2種を対処されると弱い&生物はすぐ除去されるというデッキの弱点が大ハンデス&除去環境でかなり辛く断念。
召集呪文を強く使うには、結局のところ横並びが必要かつ≪渓間の洪水呼び≫が着地しなければならない。そして強い状況を作れなければ召集呪文は重めの弱いカードであり手札に腐る。デッキの構造に難ありと判断するに十分だった。しかし、ここまでで強いカードが分かってきた。

・理解したことの整理

アグロと召集(コントロール)を回して結果、わかったこと

【カードパワーがあって強い】

・≪渓間の洪水呼び≫

なんか色々書いてある

召集専用カードかと思いきや、結局のところ全体に果敢を付与しているので、カワウソトークンが2体いる状態で3回呪文を唱えると19点ダメージが入ることになる。7/7トークンが2体と洪水呼びが5/5ということ。また本体の瞬速が強く、相手のエンドで出してからのパターンと、相手がブロックしなかったのを見てから出して呪文連打するパターンがあり、かなり柔軟なタイミングでワンショットを狙っていける。さらにクリーチャーでない呪文がインスタントタイミングで唱えられるのも凄い。エンチャントやプレインズウォーカーが唱えられる。凄い。クロパ性能があまりにも高い。カワウソデッキの方向性を決める1枚。

・≪轟く機知、ラル≫

4マナだしマルチだし除去として使えないので弱そう~

マルチカラーの4マナだったので正直なめていた。
このプレインズウォーカー、めちゃくちゃ固い!
プラスがトークンなのもそうだが、さらっと書いてある常在型能力のせいであっという間に忠誠度が増える。MOリーグ1周する間に奥義2,3回使えるレベル。奥義は概ね勝つが、本体火力を採用してないと劣勢をひっくり返せなくて負けなんてこともある。≪黙示録、シェオルドレッド≫はやめてください。
また環境の除去でプレインズウォーカーが触られづらいのも追い風。
場持ちがよすぎるので2枚目を引いても不要なことが普通。
周りを固めるカードで探して来やすいのもあり、75枚中4枚必須というわけではない。

・≪嵐追いの才能≫

プレビューで最も注目していた1枚

見たまんまではあるが、①クロックを出す②クリーチャーでない呪文が③マナフラ受けを兼ねているだけでも強いのに、④フィニッシャーにもなれるというとんでもカード。アグロで使うとレベル2の4マナすら重いが、遅めのデッキならば4マナでレベルアップ+2マナ呪文を使うという動きも取りやすく、その後はレベル3になるという圧があり非常に心強い。地味ながらレベル2の効果がフラッシュバックではなく、手札に回収なのもポイントが高い。カウンターが構えられるのはもちろん、≪嵐追いの才能≫が複数あるときに、墓地に1枚しかない≪抹消する稲妻≫等を何度も利用できてしまう。後述するが、協約の種にもしやすい。トークンそっちのけでエンチャ側に≪失せろ≫されたりするとニッコリする。

・≪稲妻罠の教練者≫

≪ボーラスの占い師≫でよくない?いやダメです

初見では、スタンでも≪ボーラスの占い師≫使えるんだ~ マナフラ受けあるとは言え、6マナになっちゃうしタフネス3の方がアグロ耐性高くて強くね?コモンにしてもらえますか?と思っていた。申し訳ありませんでした。

パウパーでおなじみ。スタンセットではアンコでの収録

何が凄いのかというと、探してこれる範囲が広いこと。カワウソデッキにおいては、≪轟く機知、ラル≫と≪嵐追いの才能≫を拾えるのが大きい。その気になれば≪ウラブラスクの溶鉱炉≫や≪魂標ランタン≫のようなカードも拾える。また地味ながら捲れる枚数が3→4枚になっている。これがレアリティの力だ。少数採用のサイドカードを探しやすいというのはありがたい。何気にモダンでも結果を出しているし、パイオニアでも活躍するポテンシャルを秘めていると思う。

上記4枚がカワウソカードランキングtierSとも言うべき強カード。
ここを軸に、BLBスタン環境にマッチしたカードで脇を固めればデッキになると判断した。なお≪噴水港≫というカードもかなりの強カードであることは後々気づく。

【環境的に強い】

・≪塔の点火≫

本体火力は弱くなっているが、≪マグマのしぶき≫は超強化された

BLB環境のスタンでは、死亡誘発をさせない&墓地から回収させないというのはロングゲームをする上で非常に重要なことだと思える。
≪苔森の戦慄騎士≫≪ギックスの命令≫≪星界を呼ぶ者、ゾラリーネ≫≪巣ごもりの季節≫≪心火の英雄≫≪血滾りの福音者≫≪泥干潟村≫≪執念の徳目≫≪救いの手≫≪再稼働≫等と、アグロとミッドレンジで、メインとなるカードからサイドカードまで、墓地対策専用カードをサイドインするほどではないが、確実にリソースを稼いでくるカード達。これを通常の除去のついでに1枚でやってしまえることがこのカード最大の強みだと感じた。アグロをやるときにメインからは採用できないが、ある程度ロングゲームを見るならぜひ採用しておきたいカードだと感じている。通常の除去として見ても、タフネス2以下の生物は環境に多く、その気になれば3点でも大丈夫というのが非常に心強い。カワウソデッキは協約をしやすい。≪嵐追いの才能≫は対アグロならエンチャントを、対ミッドレンジならトークンを協約の種にできる。カードプール的にもトークンを生成するカードは多い。

・≪抹消する稲妻≫

≪溶岩コイル≫も強化。赤の除去の方向性が見えてくる

ソーサリーではあるが、環境に存在するタフネス4もやはり多い。最も大きいのは≪最深の裏切り、アクロゾズ≫を1枚で対処できてしまうこと。ロングゲームを見るのであれば無視できない存在なのでかなり重要視している。また環境的に強くて採用が増えているプレインズウォーカーにも当たる点、シェオルは1枚で対処する必要性が低い点もあり、枚数調整するのであれば≪魔女跡追いの激情≫や≪焦熱の射撃≫といった生物のみ5点の除去よりも優先したいと思っている。ソーサリーなのは素直に残念だが、≪渓間の洪水呼び≫でインスタントになると強ぎて自重したくなるのでこれでいいのだ。

・2マナのカウンター
具体的には≪幻影の干渉≫ではあるが、≪長川の引き込み≫もほぼ≪対抗呪文≫として使える(時期もあった。ボロストークンが現れるまでは。)サイド後の≪否認≫も強めのカードである。現環境では3マナのアクションが強く、特に後攻では2マナのカウンターが有効だと思っている。なんか≪鏡割りの寓話≫と≪かき消し≫がある環境でも言われてた気がするけど。そういうことです。またゴルガリミッドやボロストークンといったデッキを食いにきているドメインのようなデッキにもクロパ戦略が有効である。何もさせずに勝つのは非常に気持ちがいい。≪魂の洞窟≫指定天使だけはやめてください。

整理と言いつつ長々と講釈を垂れてしまいましたが、以上を踏まえた結果の…

・ミッドレンジ

メイン≪抹消する稲妻≫を感じ取れていない頃のリスト
≪抹消する稲妻≫の強さを感じ始めているがまだメインに入れてない頃のリスト

好感触ではあったが、ボロストークンの登場でエンチャントに触りたくなった&遅めのデッキはタッチで3色目をとれることに気づいた&赤い除去が≪跳ねる春、ベーザ≫みたいなメインにいる高タフネス触りづらくて嫌になってきたのでとりあえず≪失せろ≫を擁するタッチ白を検討

≪失せろ≫のおかげで≪抹消する稲妻≫の強さを確信
要はアクロゾズに泣かされている

私はミッドレンジを組む時には、アグロとコントロールのどちらにも舵を切れるように意識している。だからこそ≪嵐捕りの導師≫や≪ショック≫といったカードを採用しているわけだが、ちょっと弱すぎる気がしていた。
またアグロシフトする際は果敢アグロであるべきと思っていたが、そういうサイドボーディングをする相手はドメインやランプといったカウンターが有効なデッキな為、クロックパーミッションとコントロールにシフトすればいいじゃんと思い直した。それを踏まえたのが下記のリスト

・コントロール(非召集)

≪嵐追いの導師≫を抜いた初めてのリスト

これにてカワウソデッキが現環境で取るべき形がこれではないかという方向性が固まった。そういう意味で画期的なリスト。≪嵐捕りの導師≫を採用していたときから思っていたが、2ターン目にカウンターを構えたところを計画やらターンパスやらでかわされると弱い。カウンターとの両天秤と言えばやっぱりインスタントドローだろ。なんだよカード2枚分だしトークン出せるいいカードあるじゃん!ということで≪推理≫も採用。≪失せろ≫のおかげで着地したエンチャントにも触れるし、≪没収の強行≫というカードは《解呪》でありながら打点を急に上げられるのでメインから搭載できるという最強のリスト…のはずだった。

3色のリストの問題点

土地である。色マナは問題ない。ミシュランも青赤の≪眠らずの尖塔≫というアグロ向きなのにタップインなせいで微妙というちぐはぐカードよりはるかに強い青白の≪不穏な投錨地≫を採用できている。なんなら鳥なので洪水呼びでパンプできる。じゃあなんなのかと言うと、ロングゲームを見たときに≪噴水港≫の有無で勝負が決まることが増えてきたのだ。≪失せろ≫で差し上げた地図トークンでドローするのやめてください。≪噴水港≫というカード、ブルームバロウ最強のカードではないかとすら思えてくる。3色では色マナがかつかつなので無色土地を採用する余裕はない。カワウソデッキはトークンが多い。クロパするので土地も立てやすい。幸いにも≪噴水港≫を強く使える。ならばやはり2色で…それに問題ないと言いつつやっぱ色事故も無視できないし…

・(現段階で)強いと思っているリスト


現環境でカワウソデッキ使うならこれだなと思っております。これぞイゼットカワウソコントロール。カワウソにこだわりないしな〜っていう人、あなたがマジョリティです。当たり前。ではどんなデッキを使いたい人に向いているかと言えば…

・ゴルガリミッドやボロストークンに力で勝ちたい
 (ロングゲームでもクロパでも勝てる)
・ある程度どんなデッキにも勝ちたい 
 (ボロス召集のメインかなり厳しいけど)
 (ドメインも魂の洞窟置かれたら急がなきゃいけないけど)
・イゼットカラーのデッキ使いたい
・クロパしたい
・ロングゲームもしたい
・ワンショットで急に勝ちたい
・選択肢の多いデッキを使いたい

四苦八苦しながらダイヤに上がった時の戦績。このデッキ大丈夫か?
色でしか記録されないのでボロス召集とトークンがごちゃ混ぜになっている
ミシック目指す道中でデータ収集していきたい


光らせたので見て!!!!!!!

・マッチアップについてのなんとなく

・ゴルガリミッド
≪亭主の才能≫コンボ入りが主流なのでそれ前提。
イゼットカラーのクロパはハンデス除去コンの黒系ミッドに弱いのがmtgのあるあるだと思うが、現環境で有利に戦えそうだと思うのには理由がある。
【◎】
ゴルガリのリソース獲得手段に対してテンポを取りつつ1枚で対処しやすい。一方でゴルガリ側はカワウソのリソース獲得手段に干渉しづらい。
だからロングゲームで勝てるし、≪轟く機知、ラル≫にも触りづらいので、更地にポン出ししてプラスしてるだけでも勝つ。
→≪塔の点火≫≪抹消する稲妻≫の追放除去で≪苔森の戦慄騎士≫の再利用を許さず、≪腐食の荒馬≫≪分派の説教者≫や≪グリッサ・サンスレイヤー≫といった攻撃誘発組も同じく除去で対応できる。プレインズウォーカーはカウンターできるのが一番だが、≪ヴェールのリリアナ≫のマイナスは≪稲妻罠の教練者≫やカワウソトークンで損しないし、プラスはアド取れてない。除去もしやすい。≪裏切りの棘、ヴラスカ≫もカウンターするのがベターではあるが、着地即起動されたところで正直5マナのインパクトは無い。レベル3の≪亭主の才能≫が無ければ大したことはない。カワウソ側のリソース獲得をゴルガリが1枚で対処するにはハンデスしかない。追放除去がメインかつ正直全除去やライフゲインが有効なデッキではないので、≪ギックスの命令≫も効果を発揮しづらい。
【×】
生物を除去できるのが前提なので、色事故やマナフラッドでゴルガリ側が盤面を制圧しだすと負ける。ゴルガリ側が≪強迫≫→≪大洞窟のコウモリ≫→≪亭主の才能≫着地レベルアップと動いても後続を対処しづらくなって厳しい。それでもその後続に回避能力がないとラルポン出しから奥義して勝ったりする。この話の流れで分かると思うが、レベル2才能から≪黙示録、シェオルドレッド≫で簡単に負ける。シェオルの採用枚数減りがちなのが救い。ちなみに≪名もなき都市の歩哨≫も辛い。≪分派の説教者≫や≪グリッサ・サンスレイヤー≫が優先されがちなので助かっている。
【備考】
上記で≪亭主の才能≫はマストカウンターだなと思った方はちょっと待ってほしい。レベルアップにはマナを使うし、カウンターの載せ先がいないと機能しないカードなのでかなりテンポが悪い。着地即レベル2は緑緑必要なのでそこも地味に影響する。2ターン目≪大洞窟のコウモリ≫≪苔森の戦慄騎士≫≪腐食の荒馬≫→3ターン目≪亭主の才能≫着地レベル2から戦闘前能力誘発にスタックして除去できるとテンポ爆アド。カワウソが先手なら返しで更地にラル着地でもう勝勢である。この載せ先が必要かつレベルアップでテンポが悪いというのは中盤~ロングゲームになってもゴルガリ側の大きな弱点なので意識していきたい。

・注意点

このデッキ、回すのは結構難しいと思います。
興味を持った人が回してくれて、(勝てねえじゃねえか〜!)ってなる可能性が高い気がしてるのでガイド書きたいけど何かしら存在感を出してからにしたい所存。そろそろアリーナからMOに調整の場を移していきたい。ただし前環境のパイオニアで糞デッキに散財&買い込んだ≪沈んだ城塞≫や《鏡割りの寓話》《軍団の成形機械》等の暴落等が重なり、破産済み。辛い。もう何年振りか分からないが今更MOに課金するというのか…涙

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