音の速さ
音のスピード。
速弾きの事ではありません。
一つの音の持つ速さ、です。
プロのミュージシャンなら誰もが持ってる音の速さ。
これがアマチュアの人との一番の違いだと思います。
いざという時に出すズバンという速い音。
野球でも一流と言われてる人はバットのヘッドスピードが違うと言われています。
わりとこれに近いものです。
アマチュアの人はこれが出せないために音が生きてない。
音の立ち上がりの速さ、というか。
これはどうすれば出せるようになるのか?
一口には中々難しいですが、ギターの場合はまず右手をどれだけ力を使わずに弾けるか?ではないでしょうか。
でもただ力を抜くだけでは音は出ない。
力を使わずにどうすれば弾けるようになるのか?
これを身に付けるのに一番良いと思うのはカッティングです。
カッティングは左もすごく大切ですが、右手は力ではなく弾く技術が必要です。
ある程度は力をある部分には入れないといけないですが指先、手首、ひじ、肩には入れてはいけない。
ボクシングの選手のパンチのようなものです。
力を入れて振り回しても避けられるだけです。
見えないくらい速く動かすには力を抜いた上でコントロールできないといけない。
ピッチングマシンを3台並べて打つ練習、みたいな。
逆にテンポを35くらいにセットしたメトロノームに合わせて全音符弾く練習とか。
生徒には言ってるのですが、普段は時計の秒針をほとんど見ないくせに年が変わる時はみんな注目してる。
いつも12時を指すのは一瞬しかないはずです。
それをアバウトに捉えすぎです。
だいたいでみてる。
これをやめることも大事です。
時計の秒針はずっと動いているものとピッ、ピッと止まりながら動くものがあります。
ずっと動いている秒針のように弾いてはいけない。
同じものを弾くのにずっと動いているということは、弾く瞬間のスピードは遅いですよね。
ピッと止まりながら弾くということは弾く瞬間のスピードが速い。
これは大人しい音楽をやってる人はわかりづらい。
例えばジャズ。
ジャズは印象的に静かに演奏するみたいなものがあります。
すると抑えて弾くことを覚えてしまう。
するといつまでも良い音がしない。
でも一流のジャズマンはここぞという時の一発は強力なものを持ってる。
わかりやすいのはロックとかファンクとかブルースとかの強い音を使う音楽です。
ブルースなんかはわかりやすいと思います。
音のダイナミクスが大切な音楽ですから。
ドラムも同じでしょう。
エルビン・ジョーンズなんかとてつもない。
一度生で観ましたが、まるで円月殺法のようでした。
音が丸いのにすごくよく後ろまで届く。
楽器は全て音の速さが命。
だからプロミュージシャンとアマチュアの音は違って聴こえる。
それでも中々これを教えるのは難しいですね。
つまり「感じることのできた人間だけがそれを身に付けることができる」という感じです。
そのためには生演奏を聴きにいくことです。
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