見出し画像

なにわと観光

 

突然だが、「コンテンツツーリズム」という言葉をご存知だろうか。

『コンテンツツーリズム(Contents tourism)とは、コンテンツの舞台である土地を訪れる観光行動の総称である。ここでいうコンテンツには文学や映画、テレビドラマ、あるいは漫画やアニメなどが含まれる。』(Wikipediaより)

「聖地巡礼」「ロケ地巡り」という言葉の方が聞き慣れている、という方も多いと思うが、わたしはあえて、「コンテンツツーリズム」と呼ぶことにしている。(「ロケツーリズム」と呼ばれることも。)


わたしは、関西の大学で主に観光学について学ぶそこら辺の大学生だ。

観光学を学びたいと思った理由は、地域創生や地域活性化、所謂、まちづくりに興味があったから。(と言っても経営にも文化にも惹かれてコース選択を迷っている…。)

近年、「グリーンツーリズム(農山漁村に滞在し農漁業体験を楽しみ、地域の人々との交流を図る余暇活動)*1 」や、「エコツーリズム(自然・歴史・文化など地域固有の資源を保護しながら、これらを体験し学ぶツーリズム)*2」「ガストロノミーツーリズム(その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズム) *3」「ダークツーリズム(戦跡や災害被災地など、死・暴力・虐待などの悲劇にまつわる場所を訪問するツーリズム)*4」などと言った、テーマ性の強い体験型の新しいタイプの旅行とその旅行システム全般を指す、「ニューツーリズム」と呼ばれる観光形態が提唱、普及されている。

従来の観光形態では、都市圏にある旅行会社が旅行者のニーズを把握し、観光商品を企画販売していた。また、慰安旅行や社員旅行など、バス等を使った団体旅行の需要も高かった。

しかし、近年は旅行の個人化が進み、「そこでしか味わえないもの」を求める傾向にある。これらのことから、目的地(destination)をよく知る人物(地方自治体、地元住民など)が独自に観光プログラムを施行し発信する、と言うような、着地型観光が重要視されるようになった。

「安くてどこにでもあるもの」 より「高くてもそこにしかないもの」、如何に高付加価値なものにするか、がキーポイントであると考える。


ここで、コンテンツツーリズムに焦点を当てよう。ドラマやバラエティー、雑誌のロケ地など、“推し”が訪れた場所をファンが訪ねることを、前述の通り一般的には「聖地巡礼」や「ロケ地巡り」と呼ぶ。

これは個人的な意見であるが、この「聖地巡礼」「ロケ地巡り」という言葉を、同じオタク仲間同士で使用する分には良いが、赤の他人に言われると、蔑まれているようであまり良い気はしない。(勿論言われ方によるが。) 
そこまで追うのかと思われるやら、一部には引かれるやら…………。

しかしわたしは声を大にして言いたい!!!!!!聖地巡礼もロケ地巡りも歴としたツーリズムであると!!!!!!!!


ニューツーリズムが提唱されるようになった理由をここで思い出して頂きたい。そう、「そこにしかないもの」を求める傾向にあるから。
あれ?ロケ地ってそこにしかなくない????推しが訪れた場所はたくさんあるけれど、その場所場所で推しが体験・経験したことは違う。

当たり前ながら、destinationは移動しない。destinationに行くために、人が移動する。
そこに行く目的が、推しが食べた料理を食べるためでも、推しが吸った空気を吸うためでも、推しが座った椅子に座るためでも、なんだっていいじゃない。



余談だが、観光の始まりは「巡礼(pilgrimage)」であるということを、大学に入学し初めて受講した講義で学んだ。神からの恩恵を授かるために、日常生活から離れ、聖者が歩いた道を何日、何週間、何ヶ月とかけて辿って行く。日本においても、各地方から伊勢神宮などを参詣するついでに、各地の名所を訪ねたり名物料理を楽しむ文化が広がり、それが「観光」となったと言われている。

わたしにとって崇拝の対象である“推し”の跡を追ってロケ地を巡る「聖地巡礼」(ここはあえて)こそ、真のツーリズム、真の観光の在り方に近いのではないか。






全然なにわ男子関係ない記事になってしまった…。
有名人を起用した地方活性化の可能性についても考えたい。なんと言っても実例があるのでね!!!!!ねっ!!大橋くん!!!!!!!!




⚠︎個人的見解が含まれます。ご了承ください。


*1  JTB総合研究所 観光用語集「グリーンツーリズム」
*2 JTB総合研究所 観光用語集「エコツーリズム」
*3 ONSEN・ガストロノミーツーリズム
*4 JTB総合研究所 観光用語集「ダークツーリズム」








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?