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2019年6月の記事一覧
【俵万智の一首一会①】耳を傾けるべきは心を流れる音楽
なめらかな肌だったっけ若草の妻ときめてたかもしれぬ掌(て)は 佐佐木幸綱
歌集『群黎』を読み返していて、この一首のところで手が止まった。ただ懐かしいだけではない。自分の歌の原点を見つけたような気がした。
「だったっけ」という口語の会話体は、自分がトレードマークのように活用してきたもの。いっぽうで「若草の」(妻を導く枕詞)というような古風な言葉の響きも