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指す将順位戦8th振り返り


無事完走! そして昇級

 お久しぶりです。記事を書くのはまたしても1年ぶりです。私の所属するA級2組のリーグ戦が先日終了しましたので、今期の自身の戦いぶりを振り返っていきます。  
 まず、運営の皆様、対局・観戦していただいた皆様、一緒に観戦した方々に感謝申し上げます。今期も楽しい時間を一緒に過ごすことができました。本当にありがとうございました。また何らかの形でかかわりがあると嬉しいです。
 開幕前の所感は「順位は3位と良い位置だが、とにかく厳しいリーグというよりほかない」でした。私は残留組ですが、参加者数は前期から4人増え昇級枠の割合が減っています。また、新規参加者もレーティングを見るに当然実力者揃いです。昇級するためには、まず自分の実力を出し切ることは最低条件で、かつ他の勝敗が自分にとって好都合になったとき、初めて争えるかどうかと考えていました。
 そしてリーグ戦が消化された末、私の結果は、なんと8勝3敗(1不戦勝含)で終了時順位2位となり、A級1組への昇級となりました。1文で表現するとサラッとしてしまいますが、楽な対局は1つもなく、運も間違いなく自分に傾いたといえます。

戦型選択

 今期は開幕前からほぼ序盤を固めていたので、迷いは生じませんでした。オールラウンダーは諦めましたが、ハーフラウンダー(そんな用語はなさそう)を目指し、以下の予定でした。細かい部分を上げればまた別記事が書けそうですが、大まかにはこんな感じです。
 序盤の出だしに応じて決まったパターンを用いることで、いまさらながら「経験を積む」意味が分かった気がします。これにより、24のレーティングが50ほど上がったのではないでしょうか。

先手(対居飛車)

まずは相掛かりを目指す。
対矢倉・対雁木には左美濃腰掛け銀にする。

先手(対振り飛車)

まずは持久戦を目指す。
相手が欲張ってきた場合はなるべく早く仕掛ける。

後手(対居飛車)

3手目まで▲7六歩▲2六歩(順不同)の場合は4手目△3二飛にする。
3手目まで▲2六歩▲2五歩の場合は向かい飛車にする。
それ以外は居飛車にする。

後手(対振り飛車)

1筋(先手の玉側)を打診し、付き合いが入れば相振り飛車にする。
入らなければ飛車先を保留したまま付き越し、右四間にする。

良かったこと

  • 昇級した

  • すべて期日内に対局した(対局相手の皆様、ありがとうございました)

  • クリックミス・時間切れをしなかった(1回、59.5秒くらいで危なかった)

  • 相変わらずたくさん観戦できた

結果総評

全対局結果

 今期も先手7後手3となり、偏りました(前期は先手8後手2)。これから「平均への回帰」となるのでしょうか。後手で用意していた作戦がどの程度通用するかはお預けの部分も多いですが、敗れた3局はいずれも先手番であり、その課題を消化できれば問題ないでしょう。
 また、今期は連敗がありません。対局前のメンタルは安定していたと感じます。対Link0905さん戦と対たこ焼きさん戦は完敗の部類だったので、切り替えるしかありませんでした。最終局の対あじゃさん戦は最終盤で大きなチャンスを逃してへこみましたので、入れ替え戦に回っていたらちゃんと腹を括れたか、心配な面はありました。
 手数を見ると、ほぼ100手以上で、120手以上も5局あります。やはり、簡単には勝たせてくれません。中盤の踏み込みは割とうまくいった気がしますが、終盤までアクセルを踏み続けることは今の棋力では難しく、長期的な強化が必要になるでしょう。ただ、前期まではめったになかった逆転勝ちもいくつかありました。不利な局面でも雑にならずに秒読みでほぼ50秒まで使えたので、1局を通した集中力も保てたかと思います。
 負けるときは諦めきれず3手詰まで指すことが多いです。ただ、手数を引き延ばすだけになっていることが多いため、もう少し逆転をにらんだ粘りをすることも今後の課題の1つです。

各局ハイライト

1回戦 対朧月さん戦 勝

初戦なのでとくに勢いよく。

 事前準備では、直前の△4四銀に代えて△6三金を想定していました。こちらの穴熊は未完成ですが、相手の玉頭が薄いとみて2分使い、果敢に仕掛けて中盤の入り口ではリードを奪えました。途中は厳しい端攻めを受けましたがなんとか決定打にはさせず、初戦勝利をもぎ取りました。
 メジャーな定跡系から外れて「仕掛けられそうなときには仕掛ける」という方針は相手に警戒してもらうためにも、重要視していきたいです。

2回戦 対そうざいさん戦 勝

▲2三角が入れば……

 序盤の模様は良しとみていましたが、中段の飛車をうまく目標にされ飛金交換の駒損を喫してしまいます。まだ打ち込みがないとはいえ、ぐずぐずしていると形勢は悪化します。なんとか嫌味を残す手段を模索しており、図の▲8八角を指しました。次に何でも▲7六歩として角交換や角筋の通しを狙います。
 前期まではほとんどできていなかった、不利な局面で可能性を作れたという意味で印象深い対局でした。

3回戦 対うりゅんさん戦 勝

端に手がついているので、止まれない。

 前期から先手が続いており、久しぶりの後手、さらに指す順では3期目にして初めての相振り飛車となりました。馬作らせ作戦を採用し、銀桂交換の駒損ながら食いつけるかという展開でした。相手が壁なので何かあればという局面で、相手玉の位置も関係して図の△7七角が思いのほか厳しかったようです。
 6thで完敗を喫したA1経験者相手に勝って3連勝となったため、自信になった対局でした。

4回戦 対Link0905さん戦 負

何かあると思ったが何もなかった。

 対角交換四間飛車には地下鉄模様を基本としていますが、△4五歩+高美濃囲いが秀逸で、有効な仕掛けを封じられました。図の時点ではソフトは互角と言っていますが、桂損もあり私に指しこなせる局面ではありませんでした。このあと、△3三銀型に対しては作戦を改めることになります。
 Link0905さんはこの時点のレーティングは1800台でしたが、この後も負け知らずで2000台まで一気に上昇しています。強い。

5回戦 対岸亜双さん戦 勝

シャキーン!という効果音が出そう。

 この対局はちょっとしたアクシデントがあり、図で対局が終了しました。
事前準備では、▲3七桂に代えて▲1六歩と微妙に異なる形を想定していましたが、左美濃を信じて飛車を切り、ガリガリ攻める方針でした。
 岸亜双さんの対局も結構観戦したのですが、左玉や右玉のスペシャリストで、図から勝つのは大変な力を要するはずです。また対局の機会を楽しみにしています。

6回戦 対†JANUS†さん戦 勝

将棋は飛車を取るゲーム。

 温めていた4手目△3二飛を採用する機会となりましたが、角交換された後にポカをやらかし、乱戦になるはずが相手にだけ安定した陣形を組まれ辛抱し続ける中盤となりました。図はまだ苦しいのですが、逆転のためには飛車を取る必要があると判断し、2枚の金駒を投入しました。
 やはり、われわれアマチュアレベルでは飛車の存在は特に大きいと再認識させられました。

7回戦 対たこ焼きさん戦 負

▲2三歩を逃した罪は大きい。

 四間飛車から△3五歩の趣向に対して6筋の位を取るのは悪くなかったようですが、図が大事なポイントでした。▲2三歩は候補にあったのですが、後手が角を手放したときにどう歩を入手するのがよいか分からず▲5五歩△2二飛▲2七歩と謝ってしまいました。この後の後手の繰り替えが巧みで完敗しました。疑問手すら指されなかったのではと思います。
 初めのほうの模様の良さを具体的な良さに結び付けられず、経験の差を大きく感じた対局でした。

8回戦 対カタン民さん戦 勝

歩頭桂第一弾。

 この対局は相掛かりから、棒銀を押し返した手得を活かして調子よく攻めていたはずですが、後手の受けが強靭で一時逆転模様となりました。図の2枚の角がそれぞれ攻防に働いており、難しいですが踏み込まれたら負けの局面もありました。結果的には▲2四桂・▲3四桂という2回の歩頭桂が出現し、熱戦を制することができました。
 7thでいいところなく負けた相手にリベンジでき、昇級を意識し始めた頃でした。

10回戦 対ガスボンベさん戦 勝

対局が開始して1時間30分が迫っている。

 ガスボンベさんは、勝手に縁の深い方だと思っています。ともに6thでの初参加勢でデビュー戦の相手でした。また3期連続で当たっている唯一の相手であり、観戦でもよくお世話になっています。そんな方とリーグ終盤の急所の一番で昇級を争えるのは幸運だと感じました。
 図は、後手が龍を切って最後の攻勢をかけてきた局面です。4枚の大駒を確保して大優勢のはずですが、△6四角の筋を警戒して馬を取らせる方針を選択しました。歩の防壁が妙に厚く、懸命の粘りに苦労し最後は入玉されてしまいましたが、結果としては勝利し最終戦は自力昇級の状態で臨むことができました。

11回戦 対あじゃさん戦 負

後手の消費時間、なんと45秒。
実戦詰将棋のお時間です。
△7八歩を見落とし頓死。

 さすがに対局前は緊張が拭えませんでした。いざ対局開始となり、明らかに相手の研究範囲で手が進みます。まずいのかと思いながらも少考を重ね、簡単に引きずり込まれなかった点はよかったのですが、中終盤相手の硬軟織り交ぜた手とは裏腹に、こちらは残念な手が目立ちました。
 最終盤はこれだけ持ち駒があって秒読み1分あるのだから、本気で詰みを読みにいかないといけませんね。結果詰ますか逃すかは置いといて、心がフワフワしていた気がします。

今後に向けて

 序中盤は今のフォームを固め、実戦経験をさらに積みたいところです。終盤については、最近『凌ぎの手筋200』を購入し、根気よく読む習慣をつけたいと考えているのと、たまにやる詰めチャレで五段(2100)に届いて賞状をもらっては振り落とされるのが続いているのでしがみつきたい、というところです。
 A級1組は5勝6敗でも降級戦線にさらされる過酷なリーグです。余計なことは考えずに目の前の1局に臨むのがポイントなのかなという気がします。
 最後になりますがあらためて、今期もみなさま本当にありがとうございました。来期も指す順が開催されれば、ぜひ参加したいと考えています。それでは、さようなら。




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