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【上編】電動キックボード、運転のポイント

安全運転をするために

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電動キックボードは、現在の日本では原付、もしくは小型特殊に分類される乗り物です。
自転車を含め、手軽な移動手段として価値の高い乗り物ですが、その小型なボディを安全に走らせるポイントがあります。

安全に走るとは、事故に合わないことともいえ、どういった場所で事故が多いのか把握することは、安全運転の第1歩といえます。

2回に分けて掲載する内容は、今回は「直進と右左折」、次回は「段差やマンホール」などについて掲載します。


公道で事故の多い場所

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e-Statという政府統計の発表では、交通事故は、「市街地」の「一般道」で多く発生しており、特に「交差点」での事故が多い傾向になっています。

この傾向は、電動キックボードが活躍する舞台でもあり、実証実験が行われる地域の特徴と重なります。電動キックボードは、道路を走る交通手段の中で小型のモビリティのため、自動車の死角に入り込みやすく、相手の死角に入らないという鉄則があります。

次からは、1.直進と進路変更、2.左折、3,右折の3つのポイントでおさらいしたいと思います。


1.直進と進路変更のポイント

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図解:緑線が理想、赤線は急すぎて、ピンク線をたどる車に対しキケン

まず、原付となる電動キックボードでは、一般的に出力が250Wから600Wの50ccクラスでは、「30km/h制限」、601W以上の125ccクラスでも、「およそ40km/h前後」で走行する乗り物です。
250Wや、350Wモデルでは、機体によって19km/hに制限されるものや、25km/hが最高速度なども多数あります。

そこで、実際に公道を走ると、自動車に追い抜かれる前提で走行する必要があります。
ガソリン仕様の原付でも原則、道路の左側を走行するというのもこのためです。

次に、信号待ちが絡む一般道では、小型の車体がゆえに、信号待ちをする自動車を横目に、比較的簡単に前に出ることができます。
しかし、速度の出ない車両では、速度差から追い抜かれる台数が増えるだけで、余分にリスクを負うだけとなり、あまりお勧めできる運転ではない
といえます。

忘れがちですが、右折レーンへ進路変更する行為も、直進走行中に行う動作の一つです。ひとつの車線を3分割くらいに考え、左側から何段階かに分けて進路変更していくとよいでしょう。急な車線変更では、道路を斜行することになり、周囲が急な対応をする必要が発生し、自分が事故に合わなくとも事故を誘発する可能性があり、責任が発生するケースもあります。
周囲の車両へウインカー以外の方法でアピールしておき、「アイツ曲がりそうだな」と相手に思ってもらうことも、直進路を進行中に行う重要な準備です。


2.左折のポイント

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図解:緑線で左折をするとき、赤丸エリアには飛び込んではいけない

左折のポイントは2つだけです。「左折車の死角に入らないこと」、「左折車の懐(内側)に飛び込まないこと」です。これを守るだけで巻き込み事故の可能性を大きく下げることができます。

走行中の位置取りは、直進段階や、停止中に準備しておくことがポイントです。
具体的な位置取りは、車両と並走を避けるため、先行車リアバンパーよりも後ろ側での走行が安全です。
可能であれば、前方車両のドアミラーや、ルームミラー越しに運転手の顔が確認できる位置を走行しましょう。


3.右折のポイント

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図解:線が交差しないように曲がるとよい。赤線では、ピンク線と交錯し、緑線が無難な右折。

そもそも原付は、右折が得意な乗り物ではありません。原付が、右折が苦手というのは、道路交通法でも明らかで、二段階右折が義務付けられる交差点が存在することがその証明です。

ですので、安全に電動キックボードを利用するには、以下の3点を考慮するとよいでしょう。

・走行ルートは、右折は極力避ける
・必要があれば押して歩行者として、仮想の2段階右折をする
(二段階右折が禁止の交差点では、安全だと判断しても交通違反になります。歩行者として道路を横断し、方向転換ののち直進で進むのであれば問題ありません。)
・右折車の外側を大回りで進む

特に右折を行う場合は、右折レーンなどを走行する必要があり、事前に車線変更や進路変更をする必要があります。
そして右折をするときは、右折車の内側へ入らないようにし、並走は避けるようにしましょう。大回りすることで右折後には自然と左側を走行することができ、斜行して車両を横切ることが無くなり、右折中だけでなく、その前後も安全に走行することができます。

※補足 画像はあくまでもイメージです。原付一種となるモデルでは2段階右折が必要です。しかしながら、東京都早稲田にある鶴巻町交差点などのように2段階右折が禁止の場所では、画像の通りとなります。
また、原付二種では画像のように右折する必要があり、二段階右折は逆に違反となります。

加えて、レンタル事業者の貸し出す電動キックボードは、小型特殊に分類され、畑を耕すトラクターなどと同一の扱いになっています。したがって、低速の速度制限がありますが、画像のように右折する必要があります。


車から見えにくいところ

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図解:緑枠が無難な位置取り、黄枠はやや危険、赤枠は危険

先に説明した、ミラー越しに運転手が確認できる場所も、車から見えにくいところに入らないための確認方法のひとつです。
それ以外にも、車両の特徴によって後方視界が大きく変わることはご存じでしょうか。

例えば、トラックや大型の車は、内輪差も死角も多くなりがちというのはよく知られる事ですが、乗用車においても、その死角の広さが変わります。

最近の自動車は、比較的窓も大きなものが多く視界が良好に思いがちですが、概ね前方視界が良いということで、後方の視界は若干異なります。
乗用車の屋根は、ピラーと呼ばれる柱で支えられていますが、後ろ側が太いものでは、死角が増える傾向にあります。また、荷物満載のワンボックスや、バンでも同様です。
車道の左側を走行していて、他の車両に接近する時は、「自分が認識されていないのでは?」と意識することが安全運転への近道といえるでしょう。
細かい部分ですが、「認知・判断・行動」を繰り返す運転では、認知するための観察力は、経験の差を埋める重要な要素です。


電動キックボードの普及に向けて

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比較的、電動キックボードに関して寛容と考えられる海外でも、厳密なルールと罰則が用意されます。

例えば、2019年フランスでは、歩道の走行は135ユーロ(約1万8000円)の罰金、2人乗りは35ユーロ(約4700円)、時速が25km/hを超えるものでの違反では、1500ユーロ(約20万円)となっているようです。
またパリ市は独自に、既定の駐車スペース以外の駐車禁止、20km/hの制限(混雑箇所は8km/h)とも。

せっかく便利で手軽な乗り物なのにも関わらず、「ま、いいか」や、「これくらい」という気のゆるみから、周囲からのイメージが悪くなり、事故も増え、ルールが厳しくなることも十分に考えられます。

電動キックボードの実証実験が始まり、岩盤とまで言われた道路交通法を、緩和させる方向の動きがみられています。

違反や事故は、日頃のちょっとした気持ちで、大きく変わる転換期ですので、道具を正しく安全に使って、楽しく運転しましょう。


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