初めての赤ワイン選び

 赤ワインに興味を持ってワイン売り場に行ってみたものの、一体どれを買ったら良いか分からない。そういう経験をした人は多いと思う。
 値の張る物を買えばハズレはないかもしれないが、味が分かるか分からないかも分からないうちから1万円前後する物を買うのは躊躇われる。ネットで情報を漁ってみても、業者のプロモーション含みのものが少なくなく、あまりあてにならない。いよいよ分からなくなって、とりあえず「王道」を行こうと決意し、ワインと言えばフランスだろうとスーパーの値札にフランスの国旗がプリントされた物の並ぶコーナーに行き、ブドウの種類で聞いたことがあるのはこれくらいだ… ということで「カベルネ・ソービニオン」を選び、あんまり安い物はワイン本来の美味しさが味わえないだろうと900円くらいの物を選ぶ。その晩、苦労しながらコルクを抜いて、ワイングラスっぽいコップに少し注いで早速口に含んでみたが、予想していた味と全く違って苦笑いしながらコップを置いて「ワインは自分の口には合わない…」と残念な気持ちになる。そんな経験、多くの人にあるのではないだろうか。そんな人にぜひ薦めたいブドウがある。赤ワインを諦める前に、絶対にコレを試して欲しいというものがある。正に“推し”だ。
 まず、フランスはやめよう。初心者・庶民が手を出せる価格帯のフランスで美味い物は無い。パリジャンのイメージがそうであるように、フランスのワインはなかなか微笑んでくれない傾向にある。選ぶならイタリアにしよう。イタリアにはキャンティとかバローロとか有名な赤ワインがあるが、これも避けよう。これらの中に安くて美味い物はやはり無い。おすすめは、イタリアの南部のワイン。聞いたことのないブドウでも、イタリア南部のブドウは日本人の口に合う傾向が強い。そして価格帯は1500円前後にしよう。経験則だが、ワインの質には1000円に一つの壁がある。1500円前後なら確実に美味しいワインがあるし、万が一失敗しても諦めがつく。
 この二点、1500円前後の南イタリアの赤ワイン… これを守ればきっと貴方は赤ワインとの幸せな出会いができる。
 その上で、一番の“推し”のブドウが私の心にハッキリとある。イタリアとアメリカとで呼び名が違うのだが、同じブドウだ。初めて赤ワインを試そうというのなら、どうかここからにしてほしい。

初心者は信じて試せ赤ならばプリミティーヴォかジンファンデルなり

 本当は「ズバリこの銘柄!」という物があるのだが、それは何か“次の機会”を頂いたら明かしたいと思う。

#推し短歌

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