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徒然エッセイ②優秀な外国人


さっき、ある方とコメントを交わして、その方はヨーロッパ人は頭がいいということをおっしゃっていたので、それに反論したのだが、まあその内容は省くが、それからずっと私の頭の中には外国人についてのあれこれが残っていて、特に頭のいい外国人について考えた。

それは十年以上前のことだが、私はウズベキスタンに旅行に行ったことがある。まあ、多くの日本人には馴染みのない国だ。私はイスラム建築に憧れていて、イスラム建築の本を見て最初にイスラム圏の国に行くとしたらどこかと考えた末、ウズベキスタンを選んだ。
そのガイドさんが日本語ペラペラで国費で日本に留学していた経験があるらしく、私より若く当時二十代で、本当に頭のいい人だった。私が夏のウズベキスタンの日照時間が長いことについて、「赤道直下の地域が日照時間が一番長いのではないのかな」などと言ったら、「いや、地球は丸くて地軸が公転面に対して傾いているから、夏は赤道よりも北の方が日照時間が長い」と至極まっとうな説明をされた。私は失言だったなと思い恥ずかしかったが、私の無知な文系の頭で漠然と思ったことは、北極点や南極点にいる人の一日と、赤道直下にいる人の一日では自転による移動距離が全然違うから移動距離と時間の長さに関係はないのかなぁということだった。まあそれはどうでもいい。

日本語のできる外国人って相当頭がいいぞって思う。日本に出稼ぎに来る日本語のほとんど話せない労働者とかではなくて、大学で日本語を学んだような人は、例えばヨーロッパ圏内の人が隣のヨーロッパ内の言語を学ぶのとはわけが違い、日本語は相当難しいはずだ。ましてやウズベキスタンでは日本との縁はあまりないと思うし、あそこの人はウズベク語はもちろん、ロシア語もたぶんできると思うが、それと英語も当然やるだろうし、それに加えて日本語ってすごいなと思う。
私は英語ができないが、昔、フランスに行ったときに添乗員が英語しかできない人だったが、まあ、英語ができる時点で私よりその点では優秀なのだが、それでも知性として欠けるところが多く感じられた。

語学ができる若い人に言いたいのだが、外国人と話すことも海外旅行に行くことも留学も大事だが、読書をたくさんすることも大事だと思う。「英語がペラペラになれば外国人と話ができる」と英会話教室に通う人も多いと思うが、英語がアメリカ人みたいにできるようになっても、話の内容に知性がなければ、バカな話を英語で楽しくするばかりで、優秀な外国人とは話がかみ合わないと思う。

語学の話からは離れるが、若い人は例えば、「大学を出てないから」などと言って学問を諦めるのではなく、読書はすべきだと思う。本をたくさん読む人は大学に行かなくとも、優秀になれると思う。大学を出ても四年間遊んだだけって人多いからね。私は文学部だったから上のように思うのだと思う。理系の大学は研究環境が整っているだろうから、理系の学問は大学に行った方がやっぱりいいのかもしれない。でも文系の学問って本屋の本を丸ごと読んじゃうくらいのつもりで読んでみれば大学なんて行かなくともそれ以上の教養は身につくと思う。私が大学の哲学科に所属していたときに、女性でマッサージのバイトをしている学生が、客である他の大学の哲学科の人と話をして、「ソクラテスとかってわからないですよね~」とか言っていたそうだが、「文学部の授業なんて無駄ですよね~」という意味ならそれは違うと思った。やっぱり、大学でしか学べないことはある。しかし、文学部の学問が身につくかどうかは、自発的に読書をするかどうかで決まる。
もっとも、私のように読書だけしていたのではいけない。遊ぶことも大事だ。遊びから学ぶことはよくある。文学部の面白いところは「遊び」が学問の対象になるところだ。
幼い頃におじいちゃんが言っていた言葉を思い出した。
「よく学び、よく遊べ」

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