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【読む漫才】横文字が苦手

A.B:どーもー。
B:漫才師二人組でーす。
A:なんだよ、漫才師二人組です、って。
B:俺たちのコンビ名じゃんかよ。
A:コンビ名がそれじゃダメだよ。何のインパクトもない。
B:で、思うんだけど、「コンビ」ってなんだ?
A:え?いきなり哲学かよ。そうだな、ともにふたりで人生を歩いて行くパートナーだな。
B:パートナーってなんだよ?
A:掘り下げるねえ。そうだな、「相棒」だよ。
B:じゃあ、相棒よ、漫才を始めようか。
A:これが掴みかよ?下手くそだな。
B:いや~、最近、病気が流行ってますよね~。
A:お、来たね。そうだな~、そろそろ旅行とか行きたいよな。
B:俺は昨日、出かけたよ。
A:どこに?
B:街に。
A:街か~、街もマスクしたりして気をつけないと感染する可能性あるよな。
B:で、街でやったよ。
A:なにを?
B:男と女でやることさ。
A:男と女でやること?気になるね。何をやったんだね?
B:あれ?何て言ったかな~、横文字なんだけど、俺、横文字苦手でね~。思い出せない。横文字三文字なんだけど。
A:三文字?男と女でやることだろ?え?なに?やったの?
B:うん、やった。
A:露骨だね~。そうか、やったのか?
B:うん、やったよ。でも、その名称が思い出せない。なにしろ横文字でね。
A:日本語でもいろいろ呼び名があるだろう?
B:とにかく、男と女でやることなんだ。駅前で待ち合わせして、すぐに始めたよ。
A:え?駅前で!
B:それをやるとすぐに一体感を得られるんだな。
A: 駅前でやっちゃあまずいだろう。
B:そうか?気持ちいいぞ。
A:いや、気持ちいいじゃなくて。
B:そして、繋がったまま、街中を動き回るんだ。
A:ええ?それはまずい、まずすぎる。逮捕されるぞ。
B:なんで逮捕されるんだ?青春ならやって当然だろう。
A:まずい、まずい、ダメだってそれは!
B:なんで手を繋いで歩き回るのがまずいんだ?
A:え?それって、横文字三文字って、もしかしてデートのことか?
B:そう!それ。そのデなんとかが思い出せなかった。
A:ほぼ日本語じゃねえかよ。男と女がやったって言うから、俺はてっきり・・・。で、デートは何をしたんだい。
B:喫茶店に行ったよ。で、彼女はアレを飲んだよ。
A:アレってなんだよ?コーヒーか?
B:違う、もっと、こう、なんて言うかな~。
A:紅茶か?
B:違うよ、横文字の奴だよ。
A:じゃあ、アイスコーヒーか?
B:そうじゃないんだ。
A:じゃあなんだよ?特徴を言えよ。
B:なんかこう、黄色く冷たくて甘い奴だよ。
A:それはオレンジジュースだろ?
B:そう、それ。
A:どんだけ、横文字苦手なんだよ。で、おまえは何を飲んだんだい?
B:おっぱい。ウソ、牛乳だよ。
A:ウソは余分だよ。面白くねーし。で、喫茶店のあとはどこへ行ったんだよ?
B:それが、彼女のアソコに行ったんだよ。
A:アソコ?アソコって、ええ?
B:なんて言ったかなぁ?彼女の住処だよ。
A:その、アソコってのをやめろよ。カタカナでアソコは変な誤解を受けるから。で、いきなり行ったのか?住処ってのは横文字が出ないんだな?
B:そう。アソコなんて言ったかな?彼女の部屋だけじゃなくて他の人の部屋もその建物にあるやつだよ。
A:マンションアパートだろ?
B:そうだ、それだ。
A:そこで、何をしたんだよ?なんか核心に迫ってきた感じだけれども。
B:何をしたと思う?
A:彼女の手料理でも食べたのか?
B:違うよ。ふたりでシャワー浴びて、ベッドダイブして、ぺ〇スコン〇ーム着けて、オ〇ンコに挿入して、ピストンしてオル〇ズムに至ったんだよ。
A:めちゃめちゃ横文字知ってんじゃねーかよ。

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