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波打ち際ブンガク

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波打ち際ブンガク1年目が500円で読み放題! 360本くらいのオリジナル短編小説(1000字前後)がいっぱい。しかも読みきりばかり。 扉絵はAI出力!これはお得だ!
マガジン購読で去年の作品が読み放題! しかもオリジナル作品!二次創作無し! 読んで飛べる読むクスリ…
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#闘争領域

【超短編小説】リーダー、自由になる

「自由ってのはよう、こう、難しいもんだよな」  リーダーが遠い目をしながら言ったが聞いて…

にじむラ
1年前
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【超超超短編小説】ぼくの右眼

 それが鉄の棺桶になるかどうかは自分たち次第だしね、と言って窓を開けると六月の風が入って…

にじむラ
1年前
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【超超短編小説】そういうもんだ

 会社に向かう途中の朝、白い杖を持った女学生がバス停に佇んでいるのが見えた。  彼女がバ…

にじむラ
1年前
7

【超超短編小説】アルるの女の伽藍ドール

「煙草、やめないの」  爆発した髪の毛と一体化した様なズルズルのXXXLサイズ黒Tシャツと、中…

にじむラ
1年前
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【超短編小説】共同風呂トイレ付国営住居

 上石神井のバスターミナル横にある雑居ビル一階に入っている不動産屋は、担当の縦巻き髪アホ…

にじむラ
1年前
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【超短編小説】俺がアスファルトに咲かせた花を清掃車が洗っていく夜

 公園の傍にある旧い和風建築の旅館は、周囲に工事用の鉄板がぐるりと巡らされていた。 「こ…

にじむラ
1年前
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【短編小説】Q,ED逆流性シナプス炎

 真夜中の部屋に染まった薄青いカーテンが風に揺れるのを眺めていた。  午前3時。  逆流性ニューロン炎で焦げ付いた脳みそが冷蔵庫みたいに唸る。  吐き戻す事には慣れても思い出す事にはいつまで経っても慣れない。  クローゼットの隙間からこちらを伺う化け物みたいに脳みそと頭蓋骨の隙間からじっと俺を見ている。  そうして俺は過去の記憶に神経を溶かされるて、その痛みのうちに気を失う。

【短編小説】at the ムーラン秋葉原in春夏醜冬

 空調の効いた店内をありがたく思ったが、そこを天国と呼ぶにしてはあまりにも湿った諦観が充…

にじむラ
1年前
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【超短編小説】猛者日記

 大人がすなるシコりと言ふものを、ガキの俺もしてみむとてするなり。

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にじむラ
1年前

【短編小説】駅員室にて

 久しぶりに電車に乗ったんです。  通勤を自転車やバイクに変えて久しいので、あまり電車に…

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にじむラ
1年前

【小説】ユナイテッドステイツオブオニギリ

 サスペンションの伸びきったバスに揺られてリトルトーキョーに着いたのは昼前だった。  横…

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にじむラ
1年前
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【短編小説】ダイヤルアップ脳天砕

 同僚が転職した。  安定を捨ててどんな仕事に就いたのかと訊けば「芸能人のツイッターをバ…

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にじむラ
1年前
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【短編小説】Luckプラック№1人生

 眠れない。  俺には必殺技が無い事を考えると眠れない。  そうだ、俺には必殺技が無い。 …

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にじむラ
1年前
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【短編小説】DIE HARD サウナ

 サウナは戦場だ。闘争領域だ。  我慢大会などと言う生易しいものでは無い。これはれっきとした闘争なのだ。男たちは流れる汗をものともせずに座り続ける。  先に入っていた男たちより早く出てなるものか、と歯を食い縛る。  後から入ってきた男が先に出た時は思わず微笑みを繰り出しそうになる。  男たちはより高い場所に座ろうとする。  男たちはより背筋を伸ばそうとする。  男たちはより静かに呼吸をしようとする。  そうやって男たちは耐え続ける。男は自分の方が強いのだと誇示する為にサウナ

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