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【interview #6 】 山根製作所 代表 山根俊輔 about Open Parade

「あそこでなんか 〇〇 のイベントやるらしいよ?」

こう聞いて興味あって行くのってどんなやつ?

まぁ一般的に地方である催し事って的屋がズラっと並んでステージイベントがあったりするいわゆる町のお祭り、を筆頭にB級グルメとか食に特化したもの、骨董市に雑貨フェアなんかの昼間に催される老若男女楽しめるって感じの健康的なやつですね。
何か面白そう!とは思ったののあんまり意識してなくて結局終わってましたみたいなのは日常茶飯事ですね。じゃあコレは!と思うのってどんなんですかね?

僕が体験した印象的なイベントを挙げると、例えばキャンプありきの音楽レイブイベント。一昨年に近くでは上祝子であったのが記憶に新しいんですが(12月の山でゲキサム)、15年前くらいに山梨の山奥でひっそりと?行われたガチガチのレイブで、レイザーにスモークに焚火にめちゃいい音響に、もうそれは非日常としか言いようがない体験、とか昔NYに行った時、Manhattanの何ブロックかが歩行者天国になっててそこですごい数の出店者と来場者で賑わうフリーマーケットに行った時、何でもありカオスな中にある一体感に人間味を感じて心地よかったですね。

その他、デパートのワンフロアを1週間くらい貸し切って行われていた毎年恒例だったレコードフェアには毎日通ったし、田舎の廃墟で行われた音楽LIVEで幻想的な映像にとばされ耳をつんざく爆音を浴びた体験も良かった。

今振り返ってみるとその共通点ってまず内容がみんな楽しめるとかじゃなくてターゲットがある程度絞られてる事が多い(個人的趣味とか目当てがあったりするんだけど)。そしてイベント自体の面白さは勿論だけど、それを効果的に演出するためのDIY的な空間作りが居心地をよくさせてたし、来場者を楽しませる為の仕掛けが端々に散りばめられていたんですよね。普段味わえないようなシゲキテキなやつ!もう行く前からワクワクしてるんですよね。行ってみないと何があるか想像できないやつ。

前置きが長くなったんですが、今回はOpen Paradeという延岡の野外で神出鬼没的に現れる屋台の話です。僕は初めてコレを聞いたときに何それ?!というある種の高揚感に襲われました。
実際に行ってみてまず思ったのは、外で飲む酒は室内とは違う解放感があっていいな〜と実感しました。like 浅草あたりで昼間っからガヤガヤと飲んでる気分!日本最高!
本文はこの主催側である山根俊輔さんへのインタビュー。本職建築家であるその視点からのイベントへの思い、また地方とは?氏の目に映るこれからの世界とは。このパレードはどこに続いて行くのか見逃し厳禁!

編集部 小野

建築にたずさわった具体例を少し教えてください

エンクロス(延岡駅)、waiwai PLAYLAB(幸町)、縁・在宅クリニック(北小路)、武雄温泉駅観光案内所(佐賀県武雄市)、結城水産 (島浦町)など


エンクロス(延岡駅)
waiwai PLAYLAB(幸町)
縁・在宅クリニック(北小路)
縁・在宅クリニック(北小路) 内観
武雄温泉駅観光案内所(佐賀県武雄市)
結城水産 加工場(島浦町)

建築の魅力は?
(楽しみ方やこだわり・個人的フェチズムなど)

デザイン、構造、照明、植物、法律、お金、居心地、使いやすさ、素材など全ての事を考えながらできるので、究極の雑学のような楽しみがあります。
個人的には、なんてことないバケツをランプシェードに使ったり、ふつうなら邪魔になりそうな、ちょっとした段差に木の板をおいてベンチのように使ってみたり、「そんな使い方思いつかなかった!」と思えるようなものを街中で見かけると、背筋がゾクゾクします。

延岡でよく食べるものはありますか?

ともえ食堂の唐揚げ定食と山下商店街の方々の手作り料理です。

好きな音楽や映画はありますか?

カラオケは好きだけど、音楽は言われたらあまり聞いてないです、、
映画は、「青いパパイヤの香り」と、「シン・ゴジラ」です。
「青いパパイヤの香り」は絵が死ぬほど綺麗すぎる映画で、ミュートで見てても癒されます。
「シン・ゴジラ」はゴジラにも進化過程があるよなとリアルな部分を気づかせてくれたり、監督がエヴァンゲリオンと一緒なので、絵がアニメ的な撮り方をしていて、何回見ても新鮮です。

プライベートの過ごし方の一例(日常と非日常)を教えてください

基本休みはないですが、出張が多いので移動時間にNBA(バスケ)の動画を見たり、ネットフリックスで動画をひたすら見ます。
仕事でヘリコプターでないと行けない離島や、全く知らない街に行くので、仕事の中で非日常を満喫してるかもです。

これまでの人生でインパクトのあった出来事は?

大学時代に学費が払えず、「来月払えなければ除籍です。」と大学に言い渡された数日後に建築学生のコンテストで優勝して賞金を頂き、除籍を免れた時ははじめて神様に感謝しました。
あとは、家庭が少し荒れてたので、高校生の時に家に帰ったら、床にお皿と卵がぶちまけられていて、「これが本当のスクランブルエッグか」とひっそり思った時。。



オープンパレードとは?( 月1開催中の屋台  ※ 現在、船倉・山下新天街・エンクロスで開催中 )--- 以下OP ---

OPを始めた理由は?

せっかく自分たちが居る街なら、イケてる方がいいと思ったのが最初です。
イケてるお店は既にたくさんあるので、僕らが知っている範囲だけですが、屋台とか出店とかちょっとしたイベントとか、外の空間が楽しい街はイケてるんじゃないかという思い込みで始めました。

2023. 2/3・4 @ 延岡市 / 中央交差点 時計台前

始めてみてどうでした?

まだ始めたばかりで勝手が分からず、各方面からお叱りを受けたりしてます。
ですが、何回か開催し、みんなが外でくつろいで居る風景は、やっぱり最高だなと確信して居るので、突き進もうと思います。

2023. 3/3・4 @ 延岡市 / 山下新店街 こども食堂今山前

酒場である理由は何かありますか?

兎にも角にも、外でくつろぎ、楽しみめればという事を大切にしているので、お酒でなければならないという事ではないのですが、、やっぱお酒でしょ笑という気持ちと、酒場はお酒を売っているように見えて、雰囲気、居心地、出会いを買うものだと思うので、いろんな業種の方々と相性が良いかなというのも理由です。

飲み放題 セルフバーの一部

本職とOPの関係性は?

本職の建築は究極の雑学でもあるので、OPの経験ノウハウは確実に本業に生きてくると思います。逆に本業では空間の使い方や魅せ方を常に考えて居るので、そのノウハウはOPに活かせると思っています。

中央交差点 時計台前の空間

これからのOPの構想( 場所や内容・妄想など )はありますか?

同時多発的に、延岡の街中で10箇所くらい同時にできればと考えています。
そうなれば、ちょっと外に出てみようと思う方が増え、外に人がいる風景が日常になると、誰がどう見ても、延岡ってイケてる街なんじゃないか、、って思える気がしてます。
そのために、OPは「小さく継続する事」を大切にし、「自分たちでもできそうじゃね。」という方があわられた時に、ノウハウを提供できるよう、仕組み作りと実績づくりに熱を注いでます。

その先(未来)に何を見据えているのか
次回 オープンパレード 2023. 4/7・8 @エンクロス駅前広場

延岡について
( 良い部分・悪い部分  /  拠点に決めた決定打と移住までの流れ )

拠点にきめた決定打は、前職で勤めていた時にエンクロスの設計に関わった事です。
建築家は「この建物ができた後、こんな街になると良い」という思いで設計するんですが、建物ができた後は仕事もないのでその場を去り、その後街がどうなるかには関わることができません。
仕方ない事だけど、それだと少し無責任じゃないかと感じたので、続きは自分でやろうと決意したのが移住した理由です。
延岡の良さはたくさんあります。人が優しく、海山川もあり自然豊かで何と言ってもご飯が美味しい。なんですが語弊を恐れずに言うと、「延岡のみの良さ」は少ないんじゃないかなと思ってます。
同じく、足をひっぱるとか、噂話がネットよりも早いとかも聞くのですが「延岡のみの悪さ」でもないんじゃないかなと思っています。
なので、「延岡のみの良さ」は今からつくれるし、そこを僕らはやるべきだと勝手に使命感のようなものを感じてます。

現在進行中の事は?

御蔵島という八丈島からヘリで30分くらいの離島にある、公共施設のリノベーションや、
延岡では、SVBCと近いですが、チョクバナ。という延岡の方の対談番組をオノコボデザインさんや旭化成さんと一緒につくっています。

面白いということの定義は?

先ほどのバケツのランプシェードや街中の段差のベンチのように、「こんな使い方あったんだ」と気づいて、その後バケツや段差を見る目が変わってしまうような、価値観が少しづれる事が面白い事だと定義してます。
建築のリノベーションでも、一見なんの変哲も無い建物に見られてても、その建物の良さを見つけ出すような事を常に考えるようにしています。

自分の感じるこれからの世界とその中での自分の位置
( tell me the truth YAMANEs EYE )

これからは小さな失敗と成功をひたすら重ねるのが貴重な世界になってくると思います。
「知ってる・やりたい・やっている」の違いがより際立ってくるような気がします。
例えば、その人だけしか知ってる貴重な情報もなくなりますし、その人だけが世界で唯一考えついたアイデアも無いと思います。
知ってて、やりたいけど、やらない事の方が多いと思います。
なので、自分の位置としては、知ってて、やりたい事があれば、必ず「やっている」状態まで持っていく事を大切にする人となるように日々頑張りたいです。

山根製作所
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Website :  山根製作所

チョクバナ。
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