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なんとも思っていなければ・・・

至近距離でわたしをじっと見つめてくるれんぽん。
視線を感じてれんぽんの方を向くと目が合う。
それが何回か続いて、つい「さっき、こっち見てた?気のせい?」とLINEしてしまった。
まあ、わかってはいたけど、返事はこない。
仕事でつらいことがあっても、大変なことがあっても、れんぽんとあんなに近くで目が合ったら、ぜんぶどこかに吹き飛んでしまう。
恥ずかしくててれてしまう。
恥ずかしさをかくすために笑ってしまう。
笑顔になれてしまう。
れんぽんてすごい。

今週他の課の人に誘われて食事に行くことになった。
ある理由があって同じ課の新入社員を誘うことになった。
なんとも思ってない人には簡単に言えるのにな。
「仲いい人たちでごはん行くんだけど一緒に行かない?」って。
こんなにあっさり言えるのに、れんぽんには言えない。
言っても、話をそらされるか断られるかのどちらかだから、言わないほうがいいにきまってる。
理由があるにせよ、わたしがれんぽん以外の男の人を食事に誘ったことをわたし以外の人から知られるのはやだなと思ったので、れんぽんに話した。
その時のれんぽんの反応が・・・
「おお!よかったじゃん」
おお!ってなんだろう。 
何がよかったのだろう。
その人が新しく入ってくるときも、いいこと教えてあげようかと言って、独身だよと言っていた。 
独身だからといって何がいいことなんだろう。
わたしがれんぽんのこと好きなのわかってるはずなのに・・・
最近は、れんぽんとは少し距離をおいて、あまり接点をもたないようにしていたのに、俺たち気が合わないねみたいな話をしてきて、牽制されたように感じた。

仕事では、けっこうきついことを指示してくる。
そんなにできないよ、キャパオーバーだよと思って相談しても「やらなきゃいけないことだ、何が問題?」と。
とにかく時間がない。
課題が多すぎる。
問題はそれにつきる。
まだ話が終わらないのにそのままいなくなってしまう。
このまま話してても埒があかないと思ったのだろう。

れんぽんに「俺のことなんで好きなの?」ってきかれたとき、優しいし、それに声も好きって言ったような気がする。
それとれんぽんの手が好き。
れんぽんの手にふれたい。
れんぽんはわたしにけっこうふれてくる。
スッと手をそえたり、あたまなでたり、服をほめたり・・・
とまどいもなくできるのいいなあっていつも思う。
時がたって、いまわたしはれんぽんのどこが好きなのかな?と、好きなところを書き出してみようと思ったけど、ペンが進まなかった。
わたしがれんぽんを好きになった、そのれんぽんの優しさはどこにいったのだろう。
仕事はね、きつい時もあるよね、仕事だから。
もっと上の上司に怒られた時に涙がポロポロ出てきてしまって、れんぽんは「酷なこと言うようだけど、泣かないように努力して」と。
これはれんぽんの優しさだとわたしは思った。
いっしょにきいていたひとは「酷なこと言うようだけどって言って酷なこと言うんだ?」って言ってたけど、わたしのために言ってくれてるのはわかるから・・・

れんぽんのことを他の人から聞いた。
◯◯さんと趣味が同じだから話が合う、◯◯さんとは育ちが同じだから気が合う、だから話をするのもらくだし楽しい、と。
たしかに、わたしとは話は合わない。
育ちが同じってなんだろう・・・
わたしがれんぽんのことを好きなのを知っているのは、れんぽんだけだから、知らない人は言いたい放題。
それをなんとも思わないふりしてきくのがつらい。

好きなら好きでいいし、片想いがつらいなら、好きのきもちをふさいじゃえばいい。

こんなこと言ったら気まずくなるかもしれないとかなり悩んだあと、戸惑いながらも、

れんぽんて・・・
れんぽんて、わたしに優しいと思ってたけど、違った・・・
優しいから好きになったって言ったけど、最近ちょっといじわる。
おちこむ・・・
まあ、かってに好きになったのだからしかたない。

と伝えたら意外なこたえが返ってきた。
でも、そこだよ、と思った。
れんぽんがいじわるなところはそういうところだし、と思った。
非常に優しいと思うが…と言ったあと、れんぽんは・・・

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